マッシュ女体化
マッシュ愛され
今回はランマシュ♀︎
かけていく、かけていく、純白のスカートをふわふわふわふわ、丁寧に手入れされたストレートの黒髪も、さらっと風に乗って後ろへと流れていく。
その光景はとても神秘的でとても美しかった。
アザのない顔は風に乗って靡く髪によって鮮やかに、彩るように影を落とされている。
横を通り過ぎた生徒たちが全員後ろを振り返る程には見惚れてしまう
、、、、その後ろを青髪のイケメンが追いかけていなければ
「待て!マッシュ!」
「ままままま待たない」
「なぜだ!?」
「あばばばば」
あぁ、マッシュが走っている姿だけを見ればとても神秘的で見惚れてしまうのになぁ、会話と後ろのイケメンが、、、ちょっと、ねぇ、と横を通った生徒たちはみんな思った。
この時点でマッシュが生徒のみんなに視認されていることにお気づきだろうか?そう、マッシュは全力で走っていない。いや、走れないが正しい。彼女の足元にはピンヒールが履かれており、その上見た目を引き締めるために(元々が引き締まっていてそこまで必要ないが)コルセットが巻かれているため慣れないマッシュは全力で走ることができないのだ。
それ故に後ろの青髪のイケメンこと、シスコンこと、ランス・クラウンはギリギリマッシュに食らいついて追うことができている。
フィン達はどうしたのかと言うと、フィン、レモンは体力的に、ドットはランスの魔法によって、レイン、オーターはただ単にまだ魔法局に居るためランス以外マッシュについていけてないのだ。
「くっ、待て!」
“グラビオル!!!”
「えっ」
マッシュのワンピース型ドレスは後ろ側が前に比べて長く、あと10cmほど下に腰を下ろせば床に着いてしまうぐらいだ。その長い部分にランスは自身の固有魔法を放った。そのせいでマッシュは後ろにつんのめってしまった。
マッシュが抵抗も出来ず、後ろに倒れる!と思い受け身の体制をとろうとしたが、なにか少し固くて柔らかい、人肌程度の温度を感じるものに当たった。
マッシュの思考は一瞬止まった。マッシュは考えることが得意でないし、そもそも自分は硬いコンクリートの床に向けて受身をとろうとしたはずだったからだ。でも、人肌程度の温度を感じて、あ、これ人だ。と悟った。それと同時に今この時マッシュを受け止められる人物は1人しかいないと気づいた。
「ひゅっ、」
「なぁ、マッシュ?逃げるなんて酷いな」
「あばばばば」
(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい)
マッシュは咄嗟に逃げようとランスの手を押しのけて前に進もうとする。また、後ろにつんのめって進むことが出来なかった。おかしい、ランスは呪文を唱えていない、、、
「気づいたか?俺は魔法を解いてないぞ」
「なっ、僕逃げられない、 」
「あぁ、逃がす気なんかないからな」
もう2人の鬼ごっこに恐れをなした生徒たちはここにはいない。この廊下にはランスとマッシュの2人だけだ。完全犯罪が出来上がってしまう。被害者はもちろんマッシュ、加害者はランスだ。
(どどどどうしよ)
「あぁ、焦ってる顔も可愛いな、その顔を俺だけに見せてくれればいいのにな、」
「ひっ、ど、どうしたのランスくん、今日おかしいよ、、?」
「おかしい、、か、」
スルっ、とマッシュの頬を愛おしげに撫でる。その目には独占欲と慈愛に満ちていた。マッシュにとってその顔はとてつもなく恐怖で仕方なかった。当たり前だ。初めて向けられたのだ。こんな瞳も、こんな甘ったるい声も。意中の相手ならどれだけ良かったことか、お生憎様、マッシュは恋にも愛にも興味が無い。それ故にただマッシュに恐怖を与えていることにランスは気づいている。わかっている上でこの男、マッシュを怖がらせているのだ。可愛いから。
「おかしいと言われても、これがお前に対する俺の思いだ。全て受け取れ、マッシュ・バーンデット。」
ランスの瞳にはキョドキョドしているマッシュが写っている。絶対離す気は無いらしい。だが、相手はあのマッシュだ。
「おおおお、お返しします!!」
いつの間にか魔法がとかれたことに気づいたマッシュはランスが怪我をしない程度に押して全速力で走り始めた。まぁ、ヒール履いてるからそこまで早くは無いが。
その後ろでランスは1人腕の中から居なくなった温もりを愛おしく思っていた。その表情は逃げられたというのにとても嬉しそうだ。
「あぁ、それでこそマッシュだ。今すぐ俺の腕の中に戻してやるからな。お転婆なお姫様」
「ひぇー、危ねかった、」
続く
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