フィンマシュ♀︎ 最後に少しレイマシュ♀︎
現在、ランスから逃げ切ったマッシュはアドラ寮への廊下を歩いていた。部屋に戻って服を着替えるためである。
そんなマッシュの前に、黒髪に黄色のメッシュが入ったそばかすがトレンドマークの青年がいた。
「やぁ、マッシュちゃん。」
「あ、フィンくん」
「ふふっ、ランスくんとおにごっこしてたんでしょ?噂になってたよ 」
フィンの表情は逆光であまり見えない。まだフィンとの距離があるためそれを縮めようとマッシュはフィンに近づいていく。
「えぇ、、、」
「今は部屋に戻るところ?」
「うん、ワンピースなんて着るの初めてだからちょっと慣れなくて着替えたいんだよね」
マッシュは歩きにくいのかワンピースドレスの裾を掴み見ながらフィンの方へと歩いていく。
「ふーん、、、、」
「あ、フィンくんあのね、ランスくんがなんか今日変なんだよね。いや、アンナちゃんのことになるといつでもおかしいけど、、、」
「そうなの?」
「うん、フィンくんなにかしらな、、い、」
やっとのことでフィンの目の前につき、マッシュは顔を上げフィンの表情を初めて見た。
そこにはマッシュを抱き捕まえたあとのランスと同じ笑い方をしたフィンがいた。
「フィンく、ん、?」
「妬けちゃうなぁ、随分ランスくんと楽しいことして遊んでたんだね。 羨ましい。
ねぇマッシュちゃん?
僕とも遊ぼっか?」
「え、、」
なんだかいつもと雰囲気が違うフィンにマッシュは戸惑うことしか出来ない。頬には嫌な汗が滲んでいる。マッシュは、ランスくんとフィンくんは同じじゃないよね、と、信じることしか出来ない。それ故に自身の頬に手を伸ばすフィンの手に反応が遅れてしまった。
スり、
「ふふ、マッシュちゃんどうしたの?逃げないってことは僕を選んでくれたってことでいいの? 」
「え、、あ、ど、どういうこと?」
「ん?あぁ、マッシュちゃんにはこういう言い回しじゃ伝わらないもんね
ねぇ、マッシュちゃん。お願いだからランスくんでも、レモンちゃんでも、ドットくんでも、兄さまでもなく、僕を選んでくれないかな、?僕ね、君のことならなんでもわかるんだよ。今だってマッシュちゃんならここに来るだろうなって思って待ち伏せしてたんだよ?」
フィンの手がマッシュの頬から両手へと移る。その動作はさも当たり前だと言うように、自分が選ばれるんだから、と言っているようなものであった。
「、、、え、あ、フィンくん、?」
「ねぇマッシュちゃん、お願い。僕を選んで、、?」
「ヒュッ」
マッシュは背筋が冷えていくのがわかった。ランスの時同様、フィンが言っている意味は微塵もわからないがここで「うん、いいよ」などと言ったら二度と元の関係には戻れないのではないかと言うことくらいわかる。
ただ、マッシュはフィンから離れることが出来なかった。離れてもフィンには行き場所がバレてしまうのではないかと危惧したため、頭の中でバレない場所を考えているためである。
マッシュが考えている間にもフィンはマッシュを好き勝手した。頬の次は手、手の次は抱擁、そして、頭から煙が出始め恐らく何も頭に入っていないであろうマッシュにキスをー
ぐいっ
「え、」
「あぇ、」
「フィン」
「兄さま、、、」
「あ、レインくん、」
フィンからマッシュへのキスは1本の腕によって静止された。マッシュの後ろに現れたレインがマッシュを自分の方へと寄せたのだ。
「っ、なんで兄さまがここにいるの?魔法局にいたんじゃ?」
「、、、なんとなく、マッシュの危機を感じて 」
「えぇ、」
「どゆこと」
「兄さまはマッシュちゃんセンサーでも付いてるの?でも大丈夫だよ?今マッシュちゃんに危険は迫ってないから」
「フィン、、、マッシュが怖がっていた。コイツを好きなのもわかるが相手が嫌なことをするのはやめろ。」
「嫌なこと、?」
(、、、フィンから嫌な感じがするな、誰かの魔法にかかってるのか?まぁ、今は、、)
「とりあえずマッシュ、逃げるぞ」
「え、?」
「あっ、マッシュちゃ」
レインがマッシュを抱き寄せたかと思えば杖を一振し、それと同時ににレインとマッシュが消えた。所詮、転移魔法だろう。
「、、、あーぁ、逃げられちゃったか、まぁいっか、マッシュちゃんはちゃんと僕の元に戻ってくるし。」
魔法局、レインの執務室にて
「あの、レインくん、ありがとうございました。なんか今日、ランスくんもフィンくんも変で、、」
「あぁ、大丈夫だ。」
(それよりも、フィンから感じたあの感じ、誰かの固有魔法か?ランス・クラウンも掛かっているのか?この件ならあの人に相談するのが早そうだ。)
続く
3話、読んで頂きありがとうございました💕
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