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ある日、穢れし悪魔を天使が迎えに来た
とても美しく、慈悲深い女神の命によって
天使は悪魔を憐れんだ
なんて穢らわしいのだろう、と
天使は悪魔に同情した
そして天使は誓った
全ての悪魔を救ってみせると
天使は地上に舞い降りた
神々しい光を纏いながら
そして悪魔は悟った
これが終末だと
目の前がキラキラと光っている
赤い閃光が目の前で光る
足が引き裂けそうなほど走った
心臓が、肺が、はち切れそうなくらい苦しい
お母さんも、お父さんもどこか分からない
ーあぁ…ここで終わるんだー
忌々しいこの記憶は私の脳に嫌という程くっきりと刻まれた
あれから10数年、私は高校生になった
正直まだトラウマだし、怖いけど
何とかなりそう
私は今16歳。だから「組織」に入れる
私は…お母さん達の代わりに、アイツらを殺さなきゃいけない
私は復讐に生きる以外、選択肢は無いのだ
「由良〜!!おっはよ!!」
朝からうるさい
「由良〜!?酷くない!?」
なんで心の声が聞こえるのよ
「何となく?顔に出やすいじゃん!!由良は!」
なんだコイツ…はぁ〜…
「おはよう、涼花」
私がそう言うと、あいつは自家発電できるくらい笑顔を輝かした
正直こわい
いいな、この子は
トラウマって存在と一生無縁のまま生きていくんだろうな
「由良〜?」
「うるさい、どうせ課題やってないんでしょ」
「ほら、ちょっとは教えてあげる」
この子は大体提出の課題をやってない
だからしょうがなく教えてあげる
「やった!!」
「何が残ってるの?」
「数学、物理、地理、歴史、科学」
「何もやってねぇなおまえ、やれよ」
本当に馬鹿なのかな…この子…
やばいわね…なんで高校入れたの?
「じゃあ始めましょ」
「じゃあ早速ここー」
「ここはこの公式を使ってー」
「あれ?この公式じゃないの?」
「これひっかけでこっちのー」
「え?じゃあー」
キーンコーンカーンコーン
きりーつきをつけーれー
いつもみたいに日直のやる気があるんだかないんだかよく分からない声が聞こえる
今日は組織の試験の日
やっと…復讐ができるよ
「パパ、ママ…待っていて」
「由良は今日は組織の試験でしょ?緊張してない?だいじょぶ?」
「大丈夫よ」
「なんて名前だっけ…エリンギ?」
「エリンジウム!!花の名前と同じよ」
「ほへ〜」
私は今日から、何も出来ない自分じゃなくなるんだ
絶対に
「涼花も試験でしょ?ほら早く行くわよ」
「りょーかい!!」
『これより最終選別を開始する』
『仲間同士の足の引っ張り合い、及びこちらが普及した武器以外のものを使用した場合、即刻退場とする』
『それでは試験を始める、戦闘員は配置に付け』
ついにこの時がきた
復讐の時が
筆記試験
面接を超えて最後に実技
3人チームで武器使用可
とにかく最後まで生き残る
上位3チームが試験合格
「手加減しないから」
「覚悟決めなさい、涼花」
「こっちのセリフだよ?」
「由良」
『始め!!』
まず仲間の位置を確認しましょう
フィールドは10×10の住宅街
団地のような感じね
1人はスロートリング
ハンマー型の武器
って言ってもアホみたいにでかいわね
小回りが効かない感じ
比較的ひらけた場所から少し離れているわね
もう1人はシューティラね
まぁまぁ攻撃範囲の長い武器
銃っぽいけど少し違う
なんて言ったらいいのかしら
この子は激戦区にいるわね
小回りは聞くし、連発できるから正しい判断ではあるのかしら
私は狙撃手
ツァスタバM76
急にリアルに存在しだしたわね
とにかく高いところに行きましょう
よし、ここからだと全部見えるわね
スコープからなら結構見えるわ
だとしても、このツァスタバM76は800メートルでこのフィールドだと少し足りない
撃つ時は少し近づかなきゃ
あ、シューティラの人が1人倒した
『ナイス』
『これくらい朝飯前よ!!』
『左斜め35m、スロートリングの的』
『おけ!!任せといて』
後ろから空気を斬る音がする
…やっぱりね
あなたなら激戦区に行かず、狙撃手を狙うと思ったわ
残念ね、涼花
「相手は私なのよ?」
バリアを張りつつ団地の隙間に隠れてやり過ごす
とにかく見つかっちゃだめ
武器は試験では4つしか選べないから今ちょうど欲しいものがない
「よそ見はダメじゃない?由良」
「バカね、アンタしか見てないわよ」
ギリギリのところでナイフを避けて後方へ行く
危なかった…あの子身体能力だけは高いのよね
「バレちゃったか〜」
「でも、由良には勝てる」
「だって由良、近距離攻撃出来ないもん」
…どうやらあっちも私を見ていたみたいね
仕方ない、激戦区まで逃げてあとの2人にこいつは任せましょう
「逃げちゃやだよ?」
…!!あの子…武器を投げてきた!?
さすがのコントロール力尊敬しちゃうわ
でも、武器を拾うまではこっちが優勢!!
「あたし、負けたくないから」
なんで2本目があるの!?
そうか、倒した子の武器を奪ったんだ!
どうしよう…このままだと涼花に、負けちゃう…
なんちゃって
誰が近距離攻撃を出来ないなんて言ったかしら?
「ねぇ涼花」
「私、運動できる方ではないけど」
「このフィールドの全てを利用することは出来るのよ?」
「…ッッ!!由良には叶わないや」
『活動限界』
『最終選別、終了』
「勝った…?」
「やったぁぁぁ!!勝ったよ!!私たち勝ったんだよ!!由良ちゃん!!」
「ふわふわだね!!キラキラだね!!」
私…勝ったんだ…
涼花は…
『1位、Mチーム』
『2位、Fチーム』
『3位、Bチーム』
『それ以下のチームは即刻退場せよ』
「由良、あたし居るからね?」
「えぇ、分かってるわ。忘れるはずないじゃない」
「次はあたしが勝つから」
「負け犬の遠吠え?」
「「勝つのは私だから」」
『ようこそ、エリンジウムへ』