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佐伯は限界だった。
最初は異物感しか感じなかったのに、奥の前立腺を押されてから快感を拾うようになり、あげくはそこを触られていないのに指が動くだけで快感ととってしまい、腰が勝手にガクガク震える。
その腰を彼が優しくさすってくるのも甘美で堪らなくなってしまう。
絶えずそうしているのは多分、俺の体を気遣ってのことだろうにそれすら反応を示してしまうのが恥ずかしくて。
媚薬の効果なのか体が火照って、奥が疼いて辛い。
こんなの知らない。
ほんの数十分で自分の体がこんなふうになってしまうなんて。自分から彼を求めてしまうなんて。
「え……?」
「もう、解れたから…だい丈夫だから」
彼はフリーズした。少し乱れた髪の奥、興奮と困惑で揺れる瞳がやけに愛おしく見えた。
相当我慢しているだろうに自分を気遣う彼が優しくて温かくて、散々好きだと認識してきたのにもっともっと好きだと蕩けそうな脳で想う。
「無理してない?」
「してないよ」
手を伸ばして彼のその目がよく見えるようにと髪をかき上げて緩く頬をなでる。
その手を上から包むようにして彼の手が重なった。
クスりと笑った。行為は性欲の発散のし合いだと思っていたけれども。まさかこんな形で愛情を感じるなんて思わなかった。
直に空気に触れた体。バスローブを脱がされて彼の前に露わになったと思うと分かってはいたけれど恥ずかしい。
格好つかないことに何度恥じらえば気が済むのか分からない。
ばさりとバスローブを放った音。彼も脱いだらしい。
ギシギシベットが揺れた。
「挿れるよ」
彼の鍛え抜かれた体を前に顔を反らして頷く。
「は、あッ」
途端、ゆっくり中に入ってくるモノの熱さが気持ち良くて声が漏れた。
質量があるけれども時間をかけて解されたおかげか、あるのは心地の良い圧迫感。
「っはぁ、テツ平気?」
問われて頷く。
彼の気遣う声に快楽の混ざった息遣いを感じて少し安堵した。
「うあっ!」
ギシ、とベッドの軋む音がして更に奥の方へと入ってくる。
覆いかぶさるようにして彼に抱きしめてられていた。
「あ…待っ…おく、まで」
「まだ動かないから大丈夫」
驚いて静止しようと声を上げると子供にするように頭を撫でられた。素肌が触れ合う、吸い付くような感覚が心地良い。
「痛くない?」
「うん」
髪を撫でつけられながら額にキスされる。
中が疼く感覚。彼のモノを咥える自分の中の感覚が分かる。
「辛かったら言ってね」
彼はそういうとゆっくりと動き始めた。