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オルカを曇らせてしまいます。責任はデヤンスにお願いします。
1.殺人病
「ん、手、切っちゃった。絆創膏取ってくるな!」
ハンが手を切ってしまった。鮮やかで美しい血が見えている。
目が離せない。息が荒くなる。
オルカは、こういう病気なんだ。
動けない。動いたら、ハンを殺してしまうから。
「…大丈夫か?」
″いつものだ…はやく治ったらいいんだが…″
ヒヤヒヤする。動きたい…殺したい…欲望が駆け巡る。
「…もう大丈夫だぞ!」
絆創膏を付けた手を見せてくる。
″そっ、そうだなっ…ヒュー…ヒュー…″
この病気は治ってはくれない。
2.毒を飲まないと出られない部屋
″ん…ここは…″
ふざけた看板下げた、真っ白な部屋だった。
「あれ…オルカ?」
聞き馴染みのある声がした。
″ハン!″
状況を理解する。毒をどっちかが飲まないと出られないんだ。
真っ先に小瓶を掴む。
「…オルカ!!」
ハンも状況を理解したようだ。だからこそ、オルカは毒を飲む。
″ごめんな…最後までハンのそばにいられなくて…″
ゴク…
毒を飲んだ。悲しいが、ハンのため。
「死ぬときは同じだろ?」
ハン!!
予備の小瓶を見つけている。
″や…やめろっ…!″
身体が動かない。痺れている。
″ハン…っ″
足を引きずりながら這いずる。最期は、二人がいいんだ。
「ん…」
あっちも寄ってくる。きっともう効いたんだろう。
″大、好き…っ″
最後の言葉。タジタジで舌も回らないのに喋る。
「…俺もっ、好き…」
ハンも同じ気持ちなことに安堵した。これで、逝ける。
…
…
目が覚める。天国…?
違った。まだこの部屋だった。
″なんで…生きて…?″
気づいてしまった。ロボットだから毒が効かなかったんだ。
″ハン…っ″
どうしてオルカが生きてしまったんだ。
″もっと生きてよ…ハン…″
ハンを抱っこして、この部屋から出ていく。
″寝てていいからな!ハン!″
「…」
ずっと一緒に居たいんだ、ハン。
3.別人格のオルカ
″ん…″
目醒めた…?私が…?
まだ日の上がっていない空。ここが…現実なのか。
「オルカおはよう、今日うなされてたけど…大丈夫か?」
″え…?″
かっかかか彼氏!?マジで!?
″…えと、私は…オルカじゃなくて…オルカだけど…″
たどたどしく喋る。久しぶりにヒトと喋る。
「大丈夫か?」
ナチュラルに心配されちゃった。
″あ、あの…オルカっの…別人格?的な…″
やっと…真実が言えた。私はオルカじゃないんだ。
「…うーん…なるほど?とりあえず…ご飯食べないか?」
″はっ、はい!″
…
知らないヒトとご飯を食べるのか…?
″オルカおかしくなっちゃったんだ…″
エラー。存在しているが、空気のようなモノが表面に出てきた。
「オルカ?」
″…うっう…久しぶりのご飯…″
「…そうか。元の人格が帰るまで、匿っとくから。」
″ありがとうございます…!″
…
どうやら、私は警察で、あの人はハンと言うらしい。
″ハンさーん!″
ハンさんのことが気になる。このオルカとどういう関係か、全部気になる。
「なんだ?」
″オルカとどういう関係なの?″
「オルカとは、姪っ子とおじさんって感じの関係だ!」
″オルカにも春が…来なかったのか…″
…
ついにエイプリルフールが終わる。。
″私は…エイプリルフールだけの存在だからな…″
「じゃあな。」
消えかかっている…もう終わりなんだ。
でも…久しぶりの外は気分がよかったな。
″バイバイ。オルカをよろしく!!″
さようなら。
一旦ここまでとなります。