テラーノベル
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ごめん急いで書いたから中身もないし少ない
誤字脱字多い。
短編集的なのを想像してください。
秋の気配が濃くなったヨコハマの夜は、街の灯りがどこか湿ったアスファルトに溶け込み、冷やりとした空気を運んでくる。ポートマフィアでの長い一日を終え、誰もいなくなった静まり返ったオフィスに戻る気力もなく、中原中者は今、横浜港を一望する赤レンガ倉庫の裏手にいた。足元には海風に揺れる波が黒くうねり、街頭のオレンジ色の光がぽつんと二人を照らし出している。
少し不機嫌そうに眉根を寄せる中原の隣には、普段と変わらない軽薄な笑みを貼り付けた太宰治がいた。しかし、その焦茶色の髪が秋の海風に乱され、柔らかく揺れている様子は、いつもの狡猾な武装探偵社の社員というよりも、ただの隣にいるひとりの人間としての脆さと美しさを纏わせていた。
「おい、いつまでこんなところで突っ立ってんだよ。風邪引くだろうが」
文句を言いながらも、中原は自分の着ていた重厚なコートを脱ぎ、迷うことなく太宰の肩へと無造作に掛けた。太宰の身体がふわりと揺れ、すぐに中原の体温と香りが残る生地に包まれる。太宰は驚いたように目を丸くした後、嬉しさを隠し切れない子供のような笑みを浮かべて、コートの袖をくしゃりと掴んだ。
「冷たいなぁ、中也は相変わらず口うるさい。でも、こうして私の心配をしてくれるのは世界で一番君だけだよ?」
「……勝手に解釈するな。お前が倒れたら…その…面倒なんだよ」
照れ隠しに吐き捨てる声は、夜の波音にかき消されてひどく頼りない。中原はそっぽを向き、赤くなった耳たぶを隠すように首を縮めた。それを見逃すような太宰ではない。太宰は一歩近づくと、細く白い指を伸ばして中原の冷え切った手のひらに自分のそれを滑り込ませ、硬く指を絡め合わせた。
「嘘つき」
耳元で囁かれたその声は、甘ったるく、けれどどこか真剣な熱を帯びていた。驚いて振り返った中原の視線の先で、太宰の瞳が月明かりを反射して揺らめいている。茶化すような余裕は消え失せ、そこにあったのは、ただ目の前の存在を慈しむような深い熱情だけだった。
「離さないからね、中也。例えどんな世界の終わりのような瞬間が訪れようとも、私は絶対に君を手放さない。知っているだろう?」
「……当たり前だ。今更そんなこと口にするな、気恥ずかしい」
吐き出す息が白く染まる中、中原は繋ぎ合わせた手を強く握り返した。互いの手のひらから伝わる体温は、秋の夜の冷たさを完全に忘れさせるほどに温かい。太宰は満足げに目を細めると、そのまま中原の胸元にこつんと額を預け、愛おしそうに目を閉じた。
「ねえ、少しだけ、このままでいよう? 誰も邪魔しない、二人だけの時間だ」
「……仕方ねぇな。今日だけだぞ」
拒絶する言葉とは裏腹に、中原はそっと腕を回し、太宰の肩を抱き寄せた。ふわりと香るシャンプーの匂いと、耳元で聞こえる穏やかな鼓動が、静かな夜の闇に溶けていく。言葉はなくとも、互いが互いのすべてであり、二度と離れることのない強い絆で結ばれていることは、触れ合う皮膚の温度が何よりも雄弁に物語っていた。
秋の深まりゆく夜、武装探偵社の閉め切られた資料室の片隅は、外の喧騒から切り離されたように静まり返っていた。天井の低い部屋の暖色灯が、山積みにされた古い古文書や未整理のファイルの上にぽつんと光を落としている。窓の外では冷たい秋雨がアスファルトを静かに叩き、ガラス戸を細かく濡らしていた。
中也は資料の束に向かって腕を組み、不機嫌そうに低く唸声を漏らしていた。残務処理に付き合わされているわけではないが、なぜか探偵社の面倒に巻き込まれ、手伝わされているうちに夜遅くなってしまったのだ。
「……っ全く、何で俺がこんな埃まみれの古文書の整理を手伝わされなきゃならねぇんだ。お前のせいだぞ、太宰」
「そんなこと言わないでくれ給え、中也。私の人手不足を見かねて自ら残ってくれた優しい君じゃないか。ねえ、見てごらん、この古い文献の挿絵、なんだか中也に似ていて可愛らしいよ」
ひらひらと古い紙きれを揺らしながら、からかうような軽口を叩くのは太宰だ。相変わらずの焦茶色の髪が、微かに開いた窓から流れ込む冷たい夜風に揺れ、彼の白い頬をかすめている。その姿はどこか儚げでありながら、茶目っ気のある瞳だけは爛々と輝いていた。
中也は苛立たしげに鼻を鳴らすと、手元にあった資料を机に放り出し、太宰のほうへと一歩踏み出した。
「ふざけんな、誰が可愛いだ……って、おい」
油断していた隙を突かれるように、太宰はふわりと身を翻すと、資料の棚と中也の身体の間にすっと入り込んだ。逃げ場を塞ぐように棚に両手を突っ張り、屈んで、見上げるような姿勢で中也の顔を覗き込む。至近距離で見つめ返してくる焦茶色の瞳に、中也は言葉を詰まらせた。太宰のその余裕を含んだ微笑みが、妙に胸をざわつかせる。
「……近い、馬鹿野郎。どけよ」
「嫌だと言ったら? 外はあんなに雨が降っているんだし、もう少し私に付き合ってくれてもいいじゃないか、中也」
甘ったるく、どこか熱を帯びた低い声で囁かれ、中也は心臓が跳ねるのを必死に抑え込んだ。相変わらず調子のいい奴だと突き放したいのに、太宰の細い指が中也のコートの裾をそっと掴み、離そうとしない。その指先がわずかに震えていることに気づいた瞬間、中也のなかの苛立ちや強がりは綺麗に霧散していった。
「……本当にお前は、どうしようもねぇ奴だな」
呆れたような、けれどどこか愛おしさを隠しきれない声で呟きながら、中也は大きく息を吐き出した。そして、両腕を伸ばして太宰の華奢な背中をしっかりと抱き寄せ、自分の胸元へと引き寄せる。不意打ちだったのか、太宰の小さく息を呑む気配が伝わってきた。
「っ、中也……?」
「大人しくしてろ。……お前が寂しそうにしてるから、付き合ってやってるんだよ」
言い訳がましくぶっきらぼうに告げながら、中也は太宰の背中に回した手に力を込め、そのゆるふわロングの髪にそっと触れた。指先をすり抜けていく柔らかな髪の感触を確かめながら、自分のコートの匂いと混ざり合う太宰の体温を全身で受け止める。
太宰はしばらく驚いたように固まっていたが、やがてふっと力を抜き、中也の胸元に顔をうずめた。耳元で、嬉しそうな、愛おしそうな小さな笑い声が聞こえる。
「……そうだね。君の言う通り、私は今、世界で一番幸せ者だよ、中也」
外の雨音がどれだけ激しく窓を打とうとも、この狭い資料室のなかに広がる温もりと静寂を揺るがすことはできなかった。相思相愛の証明のように、二人は互いの体温を確かめ合いながら、静かな夜のなかに溶け込んでいった。
見渡す限りを燃えるような赤と黄金色が埋め尽くす、深秋の公園。ここヨコハマも例外ではなく、公園の木々はここぞとばかりに鮮やかな紅葉のトンネルを作り出していた。
「わぁ、見事なものだねぇ。中也もそう思わないかい?」
普段の狡猾な顔を消し去り、どこか子供のような無邪気な好奇心を瞳に宿して、太宰治が散策路をゆっくりと歩いている。彼女の焦茶色のゆるふわの髪は、吹き抜ける冷たい秋の風に遊ばれ、柔らかく揺らめいていた。耳元で微かに揺れる微かな髪の毛が、彼の白い頬を撫でる。
その隣には、不機嫌そうに眉を寄せ、腕を組んだ中原中也が並んで歩いていた。彼らは今日、武装探偵社・ポートマフィアの休日を利用して、少し離れたこの大きな公園へと足を伸ばしていたのだ。しかし、元ポートマフィアの幹部の太宰にとって、こうしてただ景色を眺めて歩くだけの平和すぎる休日は、少々退屈極まりないものだった。
「あーあ、つまんないなぁ。せっかくの休日なのに、美しい景色を前にしても中也の顔は相変わらず怖いし、何も面白いことが起こらないや」
あからさまに肩を落とし、大げさに溜息をついて見せる太宰。その言葉に、中也はピクリと反応した。
「あァ? だったら勝手にひとりで散歩でもしてろ、この包帯無駄遣い野郎が。……元よりお前とこんな所を歩くなんて、俺にとっちゃ苦行でしかねぇんだよ」
吐き捨てるような言葉とは裏腹に、中也の視線は隣を歩く太宰の足元や、彼の手元へと無意識に向かっていた。冷たい秋の風から彼を守るように、自分の黒いジャケットを太宰の肩へと無造作に羽織らせていたからだ。ぶかぶかのジャケットに包まれた太宰の身体は、いつにも増して華奢に見えた。
「ひどいなぁ、中也。私のことを心配してジャケットまで貸してくれたくせに。……素直じゃないんだから」
「誰が心配なんかしたか! ……ただの気まぐれだ、気まぐれ。お前が風邪でも引いて書類仕事が滞ったら、面倒なのは俺だからな。昨日みたいに付き合うなんてやってらんねぇ」
照れ隠しに怒鳴る中也の耳は、紅葉にも負けないほど真っ赤に染まっていた。それを見逃すような太宰ではない。太宰はニヤリと悪戯っぽく笑うと、ふいに足を止めた。
ちょうど彼らの足元は、降り積もった無数の真っ赤な落ち葉で埋め尽くされている。その下には、先ほどの夜の雨で湿り気を帯びた地面が隠れていた。
「そうだ。いいことを思いついたよ」
「あァ? 何を企んでやがる」
中也が怪訝そうに振り返った瞬間だった。
太宰がわざとらしく大きく体勢を崩した。まるで、何かに足を引っ掛けられたかのような、これ以上ないほど見事な転び方だった。靴の裏が湿った地面の上の落ち葉を捉え、ズルリと音を立てて滑る。
「きゃっ!」
普段からは想像もつかないような甲高い可愛らしい悲鳴を上げながら、太宰の華奢な身体が秋色のアスファルトへと崩れ落ちていった。
「……ッおい、お前、何やってんだ!」
中也が驚愕して駆け寄る時には、すでに遅かった。太宰は落ち葉の山の中に仰向けに転がり込み、その上からハラハラと真っ赤なもみじの雨が降り注いでいた。大量の落ち葉が彼を包み込むように覆い、焦茶色の髪にも、真っ白なシャツの上にも、赤、黄、橙色の色鮮やかな葉が散りばめられている。
「あいたたた……。いやだ、中也、地面が濡れていたなんて知らなかったよ。思いっきり滑っちゃった」
起き上がろうとしながら、わざとらしく肩をすくめ、困ったように眉根を寄せる太宰。しかし、その焦茶色の瞳は、中也の反応を面白がるように爛々と輝いていた。
中也は呆れ返ったように息を吐き捨てた後、しゃがみこむと、地面に落ちた太宰の様子を伺った。どこか怪我でもしていないかと心配する瞳だったが、それが茶番だと気づくと、すぐに苛立ちへと変わる。
「おい、てめェ……まさか、わざと転んだんじゃねェだろうな?」
「さあ、どうだろうね。ただ、こうして転んでみたら、中也が慌てて駆け寄ってきてくれたから、私はとっても幸せだよ」
真っ赤なもみじに埋もれたまま、太宰はふわりと悪戯っぽく微笑み、空を仰いだ。真っ赤な落ち葉の絨毯に横たわるその姿は、絵画のように美しく、同時にどうしようもなく小悪魔的で可愛らしい。
中也の頬も、怒りと恥ずかしさで熱を帯びて真っ赤になった。
「バカかお前は! 心配して損した……ッ!」
ぶっきらぼうに吐き捨てながらも、中也は太宰の腰元にそっと手を回すと、彼を落ち葉の中から軽々と抱き起こした。乱暴に抱き上げられた衝撃で、太宰の髪や服に絡みついていた鮮やかなもみじが、パラパラと音を立てて地面に還っていく。
「あはは、中也ったら、乱暴だなぁ。でも、ありがとう」
太宰は嬉しそうに目を細めると、抵抗する隙も与えず、そのまま中也の首に細い両腕を回して抱きついた。二人の身体がぴったりと密着し、鼻先が触れそうな距離まで近づく。中也の男らしい体温と、そこに漂う革とタバコの香りが、太宰の周りを支配する。
「……おい、離れろ、いい加減にしろよ」
顔を真っ赤にしながらも、中也は抱きついた太宰を振りほどくことはしなかった。逆に、その華奢な腰を抱き寄せる腕には、少しだけ力が込められていた。
秋の柔らかな日差しが、公園の木々の間から降り注ぎ、二人の髪や服、そして足元に広がる鮮やかなもみじをキラキラと輝かせている。静かな紅葉の公園は、こうして今日も相変わらず騒がしく、けれど温かな平和な時間を刻んでいた。
誤字脱字すまんです。
最近AIみたいな誤字するようになっちまった。
私いつも手書き入力だから・・・汗笑
#太中
夏の穂|フォロバ100%
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コメント
5件
お茶目な太宰さん♀がエモすぎる
読ませていただきました!秋のヨコハマを舞台にした3本だて、どれも空気感が違って素敵でしたね。特に一本目の赤レンガ倉庫裏手のシーン、太宰が「嘘つき」と囁くところの甘さと真剣さのバランスが絶妙で、思わずドキッとしました。中也がコートを掛けてあげる不器用な優しさも、ちゃんと伝わってきて、手書き入力ならではの温かみのある文章も味わい深かったです。誤字なんて気にならないくらい、心に沁みるお話でした🌷