コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は耳が聞こえない。
僕は目が見えない。
俺は声が出ない。
自分は下半身が動かない。
私は人から愛を謳われたことがない。
僕は人の笑顔を見たことがない。
俺は人と共に唄ったことがない。
自分は人と共に風を疾ったことがない。
人に、愛されたことがない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1話 / 主な登場人物
雨宮 詩 / あまみや うた
白瀬 暁人 / しらせ あきと
佐藤 頼 / さとう るい
鈴谷 薫 / すずたに かおる
山田 ルア / やまだ るあ
九井 湊 / ここのい みなと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 / 4月1日・入学式
散々と散る桜空、新しい制服を着て
新しい学校へ行く。ふわりと舞う穏やかな
雰囲気によく似合う入学式。
母に笑顔で『行ってきます』と言い、
母よりも背丈の伸びた娘の美しい笑顔に母は
一言、『いってらっしゃい』そう言って
すくすく良い子に育ったことを嬉しく
思い嬉し涙を零す母に、
娘も母が喜んでくれて嬉しそうに涙を零すーー
ーーなんて話ある訳もなく淡い期待を持ち
新しい高校に着いた時、
見事に打ち砕かれました。
母は入院中。父はお仕事。
着いてきたのはうちで取ってくるのを忘れた
服のタグ!!
まぁ、ソンな事はどうでもよくて、!!
折角の高校生活!楽しまなきゃ!!
教室は何処だろう〜、そんなことを思いながら
も広すぎるほどの廊下を一人で歩く
三階広場にはもう既に多くの人々が集まっている。
まずは教室を確認しなきゃ、
大きな張り紙に書かれている名前と番号を目で追っていく。
見つけた。一年三組二番 雨宮 詩 。
さ、早く移動しなきゃ邪魔になってしまう。
「 、、、、んん、、、、ん〜、、、、 」
張り紙と見つめあう一人の女の子が目に入った。
どうやら車椅子に乗っているから足か何かに
障害があるみたい。
包帯はないから怪我ではないみたいね。
背が小さいから上の方まで見えないのかな、?
『 あの、!大丈夫ですか? 』
「 あっ、、、、えぇっと、、、、 」
あまり人と話すのに慣れていないみたい。
少し頬を赤らめて顔を逸らし、またこちらをチラッと見て話す。
「 その、、、、う、上の方、、、、が、、、、見えなくっ、、、、て、、、、 」
小さな声だけどギリギリ聞こえた。
『 お名前、聞いてもいい? 』
こく、と頷き
「 えっと、、、、山田ルア、 」
『 ルアちゃんか!えぇっと、、、、 』
暫く張り紙と見つめ合い、番号を目で追う。
めちゃくちゃ目が疲れる、、、、!!
『 見つけた!一年三組二十八番だよ! 』
なんとか見つけられた!!
「 あ、ありがとう、! 」
嬉しそうに見つめてくれた。
すっごく可愛い!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よしっ!教室に着いた!!
って教室に誰もいない、?!
んん、ま、まあいい!すぐに来るだろうし!!
そう思い雨宮詩、というシールが貼られている
机に鞄を欠け、椅子に腰を掛けた。
にしても暇だなぁ・・・折角の高校生活!
JKだというのに。
お友達できるかなぁ・・・
そういえばルアちゃんは同じクラスだったよね
すっごく可愛い子だったなぁ・・・!!
「出席番号2番 雨宮 詩!!聞いているか!!」
『 は、はい!!元気です!! 』
いつの間にみんないたの、?!?!
というか驚いて勢いで立ってしまった、、、、
やば・・考え事しすぎて聞いてなかった、
皆んな私の方見てる・・・恥ず・・!!!
だ、大丈夫よ!!私・・!!
「次、出席番号三番 綾瀬 萌」
心を落ち着かせ席に着く。
んん〜!!どうしよう!!
安泰な高校生活送れなさそうだよ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー