1.口論の始まり
入野「俺、絶対年上だし!」
入野自由は江口拓也に向かって言い放った。彼はいつも少し反抗的で、時折自分の気持ちを素直に表現できない。今日も例外ではない。江口はいつも通り鈍感に笑いながら返した。
江口「自由くん、どう考えても同い年だよ? 誕生日なんて、ただの日付の違いだよ。」
入野「でも、俺の方が絶対年上だって!」
入野は顔を真っ赤にして言うが、その反抗的な態度にどこか可愛げがあって、江口はその姿を少し微笑ましく感じていた。
江口「だから、年齢は同じだろ? 誕生日が先だってだけで、何も変わらないじゃん。」
江口は肩をすくめて言う。だが、入野は納得がいかないようで、ふくれっ面をしている。
入野「年上だと思ってたのに、なんか悔しいじゃん。」
江口「別に、悔しがらなくてもいいじゃん。どうせ、俺たち同い年だし。」
江口は再び無邪気な笑顔を浮かべて言うが、それが入野にはさらにムカついた。
入野「いいや! 年上だ!」
入野はそう言いながら、無理に江口から背を向けた。その背中には少し恥ずかしさも感じているが、口では強がりを言うしかない。江口は少し驚いた顔をした後、つい笑みがこぼれた。
江口「お前、ホントに反抗的だな。まあ、どうでもいいけど。」
江口はその言葉に軽く肩をすくめると、少し歩み寄りながら続けた。
江口「でも、何か俺と一緒にいると楽しいだろ?」
その言葉に、入野は思わず振り返る。
入野「楽しくなんかない!」
反抗的に言いながらも、心の中ではその言葉に少しドキドキしている自分がいた。
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