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感動する手紙(アツクラ)

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「感動する手紙(アツクラ)」のメインビジュアル

感動する手紙(アツクラ)

第8話 - 僕の好きな人第3話

122

2025年11月17日

#創作

#感動系

#ドズル社

#手紙

#アツクラ

天野夜空**@投稿頻度激減中

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天野夜空**@投稿頻度激減中

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交通事故からしばらく経った。

前に比べれば右手は動かしやすくなった。左手は元々動いていたけれど、事故当時よりも動かしやすい。

「みんな、何してるかなぁ…。」

今、SNSを確認できる手段はない。

みんなにメッセージを送った後、全てのアカウントを削除した。これまで一生懸命積み上げてきたものは、こんなにも簡単に崩れてしまうんだと、心底絶望した。

スマホは変えたから電話番号は違う。連絡先も、家族とかしかない。

引越しは手続きが色々と面倒なので、田舎の友達の家に住んでいる。

最近、足が動くようになってきた。お医者さんには「本当は歩けるはずもない怪我なんですけど。」と驚かれた。もしかしたら今まで通り歩けるようになるかも、とリハビリを始めた。長い間、座るか寝るかだけだったから、息切れが激しくて嫌になる。

久々に、テレビをつけてみた。

最近は特に面白げのあるニュースはやってない。今までと何も変わらない、政治のことや天気のことや芸能人のこと。最近有名なスポーツ選手や、たまに事件や事故のこと。面白くなくてテレビを消した。

みんなが恋しくてたまらない。

スマホの通知音が鳴り止まない。

知り合いの実況者さんからのDMが止まらない。

「おらふくん大丈夫？」「おらふくん生きてる？」「返事して。」「ねえ、心配だよ。」「おらふさん、大丈夫なんですか？」

そんなDMがスマホの画面を埋めつくしている。大丈夫なわけない。大丈夫だったら、今もみんなと配信してる。

SNSを開くと、視聴者さんからのコメントがズラリと並んでいる。

SNSの今のトレンドは「#ドズル社」「#失踪」「#神隠し」とか、そんな物騒なことばっか。

今、というかドズル社が投稿をしなくなってから約8ヶ月、SNSはそんな調子。

「もうこの世にいないのではないか。」とか「なにかまずいことでもあった？」とか、そんな適当な考察もされてる。

俺は最近、徹夜でドズルさんになんとか連絡する手段はないかと探してる。

暗い部屋でPCに縋っている。なんとか、なんとか…と願いながら。

でも、どんなSNSを探っても、どれだけドズルさんのお家に行っても、ドズルさんはいない。痕跡もどこにもない。

愛猫にご飯をあげながら、考える。

ドズルさんは今なにをしているのか。どこにいるのか。そもそも生きてるのか。なんで急に居なくなったのか。ドズルさんの声ってどんなだっけ。ドズルさんってどんな人だっけ。どんな顔だっけ。会いたい。また撮影したい。

ドズルさんがいないと、ぼんさんも、おんりーも、MENも、俺もねこおじさんも、まるで生きてないみたいな感覚に包まれてる。

ベッドで目を瞑ると、あの日のメッセージが悪夢のようにまぶたの裏に映る。

おらふくんへ

僕は今日でドズル社のリーダー、そして社長を辞めます。

なぜ、というのはぼんさんに聞いてください。

おらふくんは毎日毎日成長して、今では僕よりマイクラ上手いんじゃないかと思います。

少し嫉妬もします。でも、それより何倍も、何千倍も、嫉妬する余裕ないくらい嬉しいです。

「おらふくん」が全国に届いてること。おらふくんのいい所とか、面白いところとかいっぱい見れること。全て、親でないのに親みたいに嬉しいです。

これから、辛いことがあってもおらふくんなら大丈夫。頑張ってね

ドズルより

寝れない。思い出してしまう。

まぶたの裏に焼き付いて離れない。

辛いよ、ドズルさんがいなくて。大丈夫じゃないよ。頑張れないよ。

ドズルさんは紛れもなく俺の第2の親だよ。

嫉妬していいから、全国になんて届かなくてもいいから。もう成長もできなくていい。

だから、お願い。

戻ってきて。