❤️→←💛で、💙→←💛で、どちらかを選ばないといけない話。もっきーが腹黒い。
「ごめん……、俺には選べない。元貴も若井も同じくらい大切だし、同じくらい愛してる。愛しいって思うし、恋しいって思う。それに、二人に喧嘩して欲しくない。こんなことで壊れちゃだめでしょ、壊しちゃだめだよ。俺、ずっとMrs.でいたいよ。ずっと三人でいたい」
目を真っ赤にしてぼろぼろ涙を零しながら、涼ちゃんはそれでも笑って言った。
「どっちかしか選べないならどっちも選ばない。ごめん、ごめんね、わがままでごめんなさい。大好き、大好きなんだよ……、だから、……ごめん、なさい……ッ」
ガバッと頭を下げて泣きながら告白と謝罪を繰り返す涼ちゃんに、胸が痛む。
涼ちゃんがやさしくて、俺たち同様心からMrs.を愛していて、俺たちのことを家族以上に思ってくれていることを痛いほど知っている。
こうしなければならなかったとは思うけれど、やり方はあったのかもしれない。
俺か若井か、どっちかしか選べない、選んだらMrs.は今のままではいられない――そんな風に追い詰めて決断を迫ったのは俺たちだ。
もちろん本当にそうするつもりなんて毛頭なくて、涼ちゃんがどっちを選んだとしても活動は今まで通り続けるし、恨みっこなし、涼ちゃんの気持ちを最優先に、と取り決めていた。
ただ、俺たちの中ではひとつの確信があった。
きっと涼ちゃんは選べない。どちらかを選ぶくらいなら、選ばないだろうって。
だから、恨みっこなし、選んで、とか言いながら、二人して“選ばれる”つもりしかなかった。
俺たちの中では予定調和、計画通り。涼ちゃんからしたら、死ぬほどつらい選択だっただろうけれど、最初から答えはひとつしか用意されてなかった。それ以外の答えなんて必要なかった。
ごめんね、つらい思いをさせて。
ぎゅっと眉間にしわを寄せる。そうしないと笑い出してしまいそうだったから。
そう、俺たちは分かっていた。涼ちゃんならこうするって。
同じくらい、それこそ差がつけられないほど俺たちを愛してくれて、Mrs.を大切にしてくれる涼ちゃんは、きっと最良の選択として“選ばない”を選択するって。
それならあとは、囲い込むだけ。
やり方はあったかもしれない。でも、そのやり方は無意味だ。
俺たちが俺たちでいられる唯一の方法は、これしかなかったんだから。
俺にとってもMrs.は宝で若井は親友で、涼ちゃんのことをいかに愛していたってなくす選択なんてできない。ちょっと考えればわかるはずなのにね。
涼ちゃんを見つめる若井に視線をやれば、俺と同じように難しい顔を作っていた。そうしないと笑いそうなんだろ? わかるよ。
ねぇ涼ちゃん。
窒息しそうなくらい愛してあげるから、蕩けそうになるくらい愛してよ。
「涼ちゃん」
「泣かないで、涼ちゃん」
ごめんね、君に選ばれなかったことをよろこんでしまう、最低な男たちで。
選ばれなかったことで選ばれた未来が、俺たちにとって最善であることを約束するから、安心して何も考えずに俺たちの手を取ってよ。
ずっと一緒にいられる選択を選んでくれてありがとね。
いつのまにかフォロワー様が100人を超えていました。♡もうれしいです、ありがとうございます。
書き溜めるのが苦手なので投稿頻度に差があると思いますが、これからもよろしくお願いします。
コメント
4件
私やっぱり作者様のお話、好きです🥹♥️💙💛 2人に翻弄される💛ちゃんが🫣
腹黒元貴さんも最高ですね😆😆 流石涼架さん。優しすぎるよ...!!