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道中特に問題も起きずに百里(ツクモイチアマルサト)海岸に到着。
さて、○×四天王(アルバイター)の成果はっと……
車両のドアを開けると、青い顔をした十文字君と神橋君が飛び出して来て、近くの排水口に汚染物質の放射を始めた。
後を追って出てきた露理葉さんが二人にミネラルウォーターを渡している。
「お忙しい所に済まないけど、首尾はどうかな?」
「二人は成し遂げたわ。イザナミ様は酔い潰れて寝こけているけど、どうするつもりなの?」
さすが日本神。酒に弱いのは全神共通なのかな?
ダメだったら全員で囲んでボーで叩くしかないかと思っていたけど……
「何にせよ、今の内だね」
「何をするの?」
「日本には古来より神仏に祈願をする時にお供え(イケニエ)が必要だからね……」
そう言うと、捕獲用の投網で酔っぱらい(イザナミ)を簀巻きにして、ドワーフに作らせた小舟に乗せて海に流す。
「ちょっと!?何やってるの!?」
「ん?海難防止の祈願だけど?」
そういうと手許に取り出したスイッチを頃合いを見計らってポチッとな。
小舟の両脇に取り付けられた装置から半円形に曲がった金属板がスルスルと伸びていき、丁度真ん中で噛み合って止まる。
頭部・胴部・足部の動きを制限する拘束具兼重しのそれの動きが止まると、船底の一部がパカッと開き、小舟は急速に水底に向かい潜航していく。
「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!?????何じゃこれはあああああああああああああ!!!!!?????」
そんな叫びもすぐに聞こえなくなる。
うむ。本日は晴天にして波穏やかなり。カモメの声が賑やかだなぁ……
「大丈夫なの?アレ」
不安気に尋ねる露理葉さんに、
「大丈夫、大丈夫。イザナミ様だよ?」
「だからヤバイんじゃない!祟られたらどうすんのよ!!??」
「それ所じゃなくなるから大丈夫だって」
「何を根拠に!?」
「アレ」
そう言って贄を捧げた辺りを指さす。
「アレって……ええっ!?」
「アレ……何?」
何言う事でしょう。
俺が指さした方向には海が割れ、露わになった水底で、引き千切られた投網と砕け散った小舟の残骸の真ん中で泣きじゃくる髭面のオッサンに抱き付かれるイザナミ様の姿が!!!
「母上~~~~~~!!!母上、母上、母上、母上、母上、ハハウエ~~~~~~~~~~~!!!」
「え?何アレ」
「母と子の感動の対面の場面だ。泣けるだろう?」
「ええいっ!引っ付くな!暑苦しい!!!」
「そんな!せっかく会えたのに!母上~~~!」
「そも、吾(アレ)を母と呼ぶなあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
アッパーカットで海面まで殴り上げた後、自身も飛び上がり40HIT位のエアリアルコンボを叩き込み、フィニッシュに回し蹴りを叩き込み、水平線の彼方迄蹴り飛ばす伊邪那美神(ネグレクター)
「吾(アレ)の子は己が腹を痛めて産み出した娘二人のみぞ。あの伊邪那岐(ロクデナシ)が何処ぞで仕込んだ馬の骨など吾(アレ)の子ではないわ!!!」
海面に仁王立ちして堂々たる宣言をするのは良いんだが、それは余裕ではなく慢心……
ほら、水中潜航してきたオッサン……もとい、須佐之男命(マザコン)に足掴まれて水中に引き込まれたし。
しばし、海が割れたり巨大化した二人が怪獣大決戦を繰り広げたりするのを眺めた後。
「畏み、畏みながら卑小なる葦人の身にて偉大なる須佐之男命に願い奉らんと「いや、俺そういう畏まったの苦手なんで普通に話してくれていーぞ」……ではぶっちゃけ。伊邪那美神(ネグレクター)捧げたんで今日一日日本人の海難事故勘弁して貰えませんかね?」
「ん。そんな事でいいのか?」
「ええ、十分です。折角の行楽なのに人死にが出たとかケチが付いたってレベルじゃないんで」
「ん~そん位じゃあやっぱ釣り合わねーな。俺の使い古しでスマネーが、この剣とかどうだ?」
そう言って腰の剣を無造作に放り投げてきた。
思わず受け取ったが、
コレ、十束剣(とつかのつるぎ)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
現代民主政の時代に王権神授の象徴とかどうしろと。
白須等町の片隅に小野麗尾王朝を打ち立てて神聖モテモテ王国でも築けと……!?