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緑茶は飲めないが紅茶は飲める
21
花梨
「江戸川くん!」「あぁ!任せた!」ガクガクしている蘭と園子。しがみつく歩実を灰原に任せ、コナンは陸橋を走り降りる。
「風見!かざ、あぁあ!」がりがりとトラックにしがみつくスミスを降谷は引き剥がす。
「救急車を早く!早く!!」
「いやよ!いや、だめーー」
「名前!」やめてくれ!降谷は暴れるスミスを離さない。
「いぃいいやぁぁあーーーーっ!!」どさっ、と彼女が尻餅をつくのと一緒に、降谷も倒れる。
「っ!安室さん!トラックまだ動くよ!」
「あぁ、待っていられるかーー!」
あぁ、真っ暗でなにも見えないのに…物凄い速さで自分が動いているのが…わかる。
色んな声がするが、何も聞こえない。
手術室から出てきた医師は汗だくだった。
「ひどく脳震盪を起こしています」
「それで!?」降谷は詰め寄る。
「目が覚めても、記憶障害、あるいは何かしらの障害が残る可能性が非常に…」
「覚めても、って…」
スミスはふらり、と立ち上がる。流れていた風見の血で、向日葵は赤くなっていた。
「残念ですが目が覚めるかは……」
医師は頭を下げ、看護士と共に行く。大量の管と共にベッドを押され、彼はそのまま振動と共に動きながらだった。
どっ、と膝をつくスミスを皆が見る。
「名前さーー」
「あ……」がっ、と頭を抱えるスミス。
「あいして、る……」ぶわ、と彼女の瞳から涙は溢れて止まらない。やがてわかるほど震えだした。
「お、落ちるとき……そう言っーー…」
「名前!」コナンくん!と叫ばれ、コナンは理解した。「皆はもう行こう」「でも…」「大丈夫だから!」
コナンたちは廊下を早足で行く。「いやぁぁぁあああぁあぁーーっ…!」悲鳴にしがみつかまれまま。
「ほら」と自慢気な風見に、はははと現場が笑う。スミスと降谷も笑う。
「ほらね!?」あはははっ、と2人も笑った。「好きじゃないですか!絶対的にそうだと思いましたよーー」風見は少し椅子から乗り出して言う。
そうですね。と筆者。死んでも守ると言ったとおりになりました。
「でもちょっと待ってよ」降谷も乗り出す。「スミスさ」「はい」彼女も頷く。「彼女もかなり動揺してましたよね?」
「そういう台本なので…」す、と困ったように笑いながら胸に手をやるスミス。
「え、待って」はははは「これ僕踏み台にしてさ、風見にもしかして最後?」「お!?」という風見に皆笑う。「でもあの演技2人ともすごかったよ」ぱちぱちとする降谷。
「あれはかなり」とスミス。「飛びながらボールを投げたら、当てる対象が見えないんですよ」「うん」「だから違うところに当たって何度もNGで…」
「え?あれまじで打ったやつを当ててたの?」「すごい」
筆者が見えてる角度ではそうなので。と筆者。
あと、とスミス。「あれは彼女がヒールをはいていたから着地できなかったんですよね?」そう。と筆者。
「だったら余計自分を責めるじゃないですか?」「そうだよね」「じゃあ風見刑事をもしですよ?もしです!」とスミスは降谷に前置く。笑いながら頷く2人。
「もし風見刑事が好きだったら…」
「え、なに」ははははという現場。「僕さぁ!このあともね!?」ははは…
「僕スミスとそういう現場あるんだよ!どういう…」降谷は抱き抱えるしぐさをして、皆爆笑した。「どういう立ち位置なの!?」「そういう立ち位置です」とスミス。
ちなみに、と筆者。スミスが好きなのは降谷さんです。
「いやっーー」と立ち上がる降谷に、はははと皆爆笑する。「た…」
でも、と筆者に皆こちらを向く。
風見刑事にあいしてる、と言われて揺れたのはたしかです。
「おぉおい!」降谷はスミスを指差し、彼女は笑いながら首を振った。「あれは反則です」と風見に手をやる。
「まあね、たぶん死ぬと思ったんだよね風見刑事。まあわたしなんですけど…」ははは…
普通は歩道橋から落ちれば死にますが、よかったですね風見刑事。と筆者。
「なにが!?」という風見に、皆また笑う。「死にかけてるでしょ、めっちゃ昏睡状態です!なにが!?」はははは…
あります。まだスミスちゃんに。
「えっ!」というスミスは辺りを見回す。ははは…
「やったぁ…」ぶははははと現場。
コメント
1件
あらためて読ませてもらいました…! 重い昏睡シーンの直後に、撮影現場がポップに切り替わる構成、めっちゃ好きです。 特に、風見さんがあの場面できちんと“好き”って伝えたのが、台本とはいえスミスさんを揺らしたっていう裏話、胸にきました。 あと、降谷さんが「どういう立ち位置!?」ってツッコむ空気感、現場の賑やかさが伝わってきて、泣いたあとに笑わせてもらいました。 ふたりの関係性の見え方が変わる、すごくおもしろいメタ話でした🥀