テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
Jinto side
窓辺に置いたヒヤシンスの世話をしていると
「吉田せんせー!今日も可愛い!好き!」
…今日も来たか
飽きることなく毎日やってくる
やってくるだけならまだいい、
一応5歳も年上の
成人男性
社会人
しかも、教師に向かって
可愛い
更に好きだと
寸分狂いなく発する
はじめは罰ゲームか何かと思ったが
罰ゲームにしては期間が長すぎる
嫌がらせにしては悪意が無さすぎる
…なんなんだ
「佐野くん、どういうつもりかしらないけど、毎日毎日…保健室に皆勤賞だ」
「え、やったー」
「誉めてないんだよ」
ため息をつきながら続ける
「用件はなんですか」
「用事がないと来ちゃいけないの」
「本来ならばそうでしょうよ」
「…俺、病気なんです」
「…初耳だな、ちなみになんの病気だ」
「…恋の病」
ガクリと肩を落として会話を続けるのを諦めた
話が通じない人間に話しても無駄だ
「先生、好きな食べ物なに」
彼は唐突に、毎回何かしら1つ質問する
家とか家族構成、卒業校、恋人の有無とかひとしきり聞かれたがノーコメントだ
「…チキン南蛮」
はじめて質問に答えたかもしれない
正確には、はじめて答えてもいい質問をされた
「え、ありがと先生!」
嬉しそうな顔をして礼を言うと
「うまいよね、チキン南蛮。俺も好き」
にっこりと笑って
「また来るね」
と立ち去って行った
なんなんだ、本当に…