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虚ろな思考のままぼんやりと街中を歩いていると、気がついた頃には夜になっていた。
自宅に戻ってみると、夜も遅いというのに部屋の明かりは点いていない。
〇〇「・・・お姉ちゃん、帰ってるの?」
呼びかけても返事のない部屋の明かりを点け、驚愕する。
私の目に飛び込んできたのは、荒れた部屋、ぼろぼろに乱れて座り込む姉の姿。
〇〇「・・・お姉、ちゃん・・・・・・?」
姉「・・・・・・・・・」
私の呼びかけにも、やはり返事はない。
その目が私を捉える事もなく、ぼうっと虚ろに空を見つめるだけだ。
―――私の選択は、何よりも大切な人をただの抜け殻へと変えてしまった。
それから何日も、私はお姉ちゃんの側に寄り添った。
でもお姉ちゃんは動きもしない。
返事も、目を合わせることすらない。
書いて字のごとく、”廃人” のようだった。
その痛ましい様子が、私の罪悪感を日に日に大きくしていく。
それに耐えられそうになくて、私は逃げ出すように家を飛び出した。
街中のテレビから流れるニュースは、あの一件で持ちきりだ。
彼の死を嘆く大衆の声は、あちこちで響いている。
〇〇(私のせい・・・・・・?)
〇〇(みんな、私を責めているの・・・?)
全ての視線が体中に刺さる。
周囲の人全てが、私を指さしているような気がする。
“お前のせいだ” と―――そう口を揃える。
私を見る民衆のその目は、恨みを込めて睨みつけているようにも感じて。
〇〇「はぁ・・・はぁ・・・ッ」
息が上がる。
見えない圧力に全身が締め付けられ、視界がぐにゃりと歪む。
いても立ってもいられず、震える脚に鞭を打ってがむしゃらに走り出した。
〇〇(違う・・・私は守りたかった)
〇〇(お姉ちゃんを。私の、たったひとつの夢を・・・・・・)
最後に見た、ぼろぼろのお姉ちゃんの姿が頭をよぎる。
守れなかった。私の描き続けた夢はもう・・・二度と、叶わない。
―――私が、この手で壊したんだ。
混乱、後悔、罪悪感、焦燥。
自分を渦巻くその全てから逃げ出すことしか考えられなくなった私は
何を思うよりも先に、廃ビルの屋上からその身を空へと投げ出した。――――