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あれから数日後
俺は論文を仕上げるために深夜コーヒーを片手に自分の部屋へと向かっていた
大学で経営学を学び、自分の店を経営しながら親父の下で家業の仕事も学んでいる
大変じゃ無いと言ったら嘘になる
でも苦ではない
店を運営する事は楽しいし、その為に大学で更に経営を深く知るのはもっと楽しかった
それに親父についてファミリーと過ごすのも嫌では無い
ただその中身を知ると俺に向いているかは不安だったが
廊下を進みながら窓の外を見る
今日は満月なのか外がやけに明るい
月明かりの中、誰か外を歩いている
あれは‥‥ロウ?
こんな時間に何してる‥‥ってかどこに行ってたんだ?
ロウは俺達とは別の棟に住んでいる
使用人達が仕事前に集まったり、泊まり込みの家政婦達が住む棟が二つある
手前が男性
奥が女性の棟だ
ロウは夜に出歩く事は無い
それはセキュリティーを確かめれば一発で分かる
俺は居ても立っても居られず、玄関に向かった
外に出てロウがいる棟へ向かう
棟の前に着くとカードキーを刺す
そのまま廊下を進み、ロウの部屋の前まで進む
扉の前
俺は乱暴にノックをした
「はい」
ロウの声の後扉が開かれる
「奏斗さん?」
「ロウ、お前‥‥」
言いかけて時が止まる
帰ってきたばかりのロウから香るこの匂い
間違いなく叔父が嗜んでいる甘い葉巻の香りだ
「‥‥奏斗さん?こんな夜中にどうした‥‥」
「黙れよ」
俺はロウの体を部屋の中に突き飛ばし、部屋の中に入り鍵を閉めた
「痛ったぁ‥‥何すんだよ」
「こっちのセリフだけど?」
尻をついて痛がるロウのシャツの襟元を捻り上げた
「誰と居たんだ?」
「え‥‥誰も‥‥」
「お前今帰って来たばっかだろ」
「コンビニ‥‥」
「なんも持ってなかったよな。何買って来たんだよ」
「食べながら帰って来たんだよ」
「そう?じゃあ確かめないとな」
「どうやって‥‥」
「こうやってだよ」
シャツから手を離し、ロウの顔を手のひらで掴んだ
そしてポカンと開けられた赤い唇に俺は強引にキスをした
「っ!‥‥んんっ!んんんっ!!」
びっくりしたロウが俺の手を掴み顔を横に振る
俺は頭に血が登り、余計に深く口付けをした
「んっ‥‥‥‥ぁ‥‥っ‥‥」
「‥‥‥‥っ、なんも味しないけど」
「かなっ‥‥何して‥‥‥‥」
ロウが口元を手の甲で拭う
その顔は真っ赤に染まっていた
「ロウ‥‥お前叔父貴と会ってたろ」
「‥‥‥‥ボスに用事を預かったから」
「それなら最初からそう言えよ」
「だってあの人と会うの嫌がると思って」
「余計な事考えるだろーが」
言い合いながらロウが乱れたシャツを直している
襟元のボタンが外れていた
それにロウの指が伸びた時
俺はロウの手を掴んだ
「な‥‥に‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
「なんだよ‥‥離せ」
「動揺してんな‥‥これのせいか?」
俺はロウのシャツをまた乱暴に‥‥
今度はボタンごと引きちぎった
小さな音を立ててあちこちにボタンが飛んでいく
ロウの喉元
そこには彼の名を刻んだ刺青がある
その名前の中
赤い痕‥‥
「これ‥‥何?」
「‥‥‥‥‥‥」
「ロウ‥‥嘘だよな」
「‥‥なんでも無い」
そんな訳あるはずが無い
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コメント
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おぉっとカマをかけますねぇ笑勘違いでもしないと恋は始まらないといいますが勘違いじゃない可能性も出てきた、 次回も楽しみにしています!