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『泣いた怪盗。』
雲雀は同じ裏社会出身だとは思えないほど、明るくて、元気。
そのせいで、とっても心が傷つきやすい。
疲れていても、体調が悪くても、隠して、持ち前の明るさで僕達と過ごす。
『俺はこうでなくちゃいけない。』
『これが俺の役割だから。』
そうやって暗示を自分にかけていた。
でも、暗示をかけるのに疲れて、心が限界になったとき、
1人で涙を流している。
ぽろぽろ、ぽろぽろ
「ひば、大丈夫だよ。泣かないで。」
「っ、う、かぁ、と。ごめ、ん。」
4人で集まるランドリーに、
落ちていく涙。
それを袖口でこすって一生懸命に涙を止めようとしているのは、
僕の相棒だった。
「泣かないで。目、溶けちゃうよ。」
キラキラと輝くトパーズのような瞳から、
止まること無く涙が出る。
雲雀は頼ることが苦手だ。
頼るよりも頼られることの方が多いから。
頼ることができなくて、疲れて限界だって誰にも言えなくなる。
言えなくなって限界になったとき、
こうやって子供みたいに涙を流す。
慰めるのは、相棒である僕の役割だ。
「ひば、疲れちゃったね。もう今日は休もうか。」
幼い子供に言い聞かせるように話しかける。
しかし、帰ってきた答えは、
「やだ。まだ、にんむ、あるもん。」
と、子供のわがままのようなものだった。
「んー、じゃあオーナー命令ね。
今日の任務は、たくさん寝て、たくさん休むこと。
それで、明日までに体調を万全にすること。
ひば、良い?」
「、わかった。」
素直に聞いてくれた雲雀の身体を抱きしめる。
そしたら、さりげなく腕を回してくれた。
うちの相棒、可愛い。
そっとソファに寝かせ、僕の上着をかける。
「ほら、もう寝ちゃいな。起きたらセラもアキラもいるから。」
「かなとは、いる?」
「もちろん。こんな状態のお前のこと、放っておけないし。」
「、良かった。」
そう言うと、安心したのか目を閉じる。
頭を撫でていると、数分後には心地よさそうな寝息が聞こえた。
端正な顔立ちに目元の赤色が目立つ。
すごい泣いてたもんな。
今だけは、
今だけはゆっくり寝ていてほしい。
雲雀の寝顔を見ていると、ふいにドアが開く。
そこには、任務終わりのセラフとアキラがいた。
「奏斗、お疲れ~。」
「奏斗、お疲れ様です。」
「2人ともおかえり。お疲れ。雲雀は今寝たよ。」
僕が寝たことを伝えると、2人は心底驚いた顔をした。
「雲雀が?珍しいですね。」
「うん。オーナー命令で休みにした。」
「わ、奏斗、職権乱用してる。だめだぁ。」
「これはいいの!てか、いつもは乱用してないでしょ!セラ!!」
「2人とも!雲雀が起きるでしょうが!静かにしなさい!」
セラフと騒いでいたら、アキラに怒られてしまった。
というか、注意してるアキラが一番うるさいと思う。
いつの間にか、雲雀にかけられた上着は三色になっていた。
静かなランドリーに、ひそひそと話す声が響いている。
すると、布が擦れる音が聞こえた。
3人でソファを見れば、大きなトパーズの瞳と目が合った。
「あ、雲雀起きた?」
「う、ん。……あ、せらおとアキラも、おかえり。」
「ただいま。雲雀。」
セラフがふわふわとした雲雀の頭を撫でる。
雲雀は嬉しそうにふにゃりとした笑顔を見せた。
「雲雀、うまく休めた?」
「うん。ありがとう。奏斗。」
もう、大丈夫そうだ。