この作品はいかがでしたか?
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※明けましておめでとうございます
※リクエストです
※ご期待に添えているか不安ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです
※正直オチがこれでいいのか不安です
「ま、待って……なに
__辞めるって、どういうこと……?」
思わず立ち上がり、モニターを挟んだ向かいのらんらんに手を伸ばした。
こちらを見据える桜色の瞳。
シャワシャワと忙しなく鳴く蝉の声。
冷房が効きすぎたみたいに、体の内側が冷えていく。
かしこまった様子で話があると言ったらんらん。
珍しいなと思いながらも、こちらも真剣に話を聞こうと耳を傾けると、『僕らは、ボイシングを辞めます。』そう一言、らんらんは言った。
『詳しいことはまた今度、メンバー全員で話します。』
では、と一礼して退出しようするから思わず立ち上がり、その手を掴んだ。
辞める?辞めるってなに……?
ていうかなんでそんな平然としてるの?悲し気にするとか申し訳なさそうにするとか、ないの。
俺はらんらんのことも、シクフォニのこともだいすきなのに。どこが嫌だったんだろう……。
嫌だ、嫌だよ。らんらんと離れたくない……。
「……え゛、ちょっ、ないこさん……!?」
「……っ」
鼻の奥がツンとして、微かに視界が歪む。
グループも増えて、まだまだ盛り上がっていこうって言って。
ずっと一緒にやっていけると思ってた。
「ないこさん泣いて……ないて、る……?」
「……ごめん、おれ、あんま涙、でないタイプで……」
「あ、あぁ……なるほど」
沈黙。
本当にこの体質どうにかしたい。薄情な奴だと思われがちだから。
「ほんとに、辞めるの?……社長として、タレントの意思は尊重したい、って言いたいとこだけど、俺は辞めてほしくないよ」
「これからも、一緒にやっていきたい」
俺の言葉に、らんらんは一度息を呑んで、それから口を開いた。
「一緒じゃ、駄目なんです。……ないこさんに、いれいすに追いつきたいから。いつだって先を歩く貴方に追いつくためには、一緒じゃ駄目なんです。」
貴方に追いつくためには、この手を離さないといけない。
覚悟は決めたはずなのに、それがまだ怖い。
引き止めてくれたことが、どうしようもなく嬉しかったし、
「……そんなこと言われちゃ、止めらんないなあ」
そう言って笑う、貴方の笑顔をもっと見たいと思ってしまう。覚悟が揺らぐ。
貴方のことが、好きで、好きで、堪らない。
「でも、寂しいからたまには連絡ちょうだい」
「……もちろんです。」
貴方に追いついて、貴方の隣に胸張って立てるようになるには。
俺のためにも、グループのためにも、今ここで俺が決心しなくちゃいけない。
「ないこさん。お願いひとつ聞いてくれますか。」
「……なあに」
「いつか絶対、貴方に追いつきます。だから、そのときは
コメント
3件
題名と繋がってる … ってことですかね 、? 桜桃個人的に大好きなんです … !! 最高です !! きっと本人たちも 、少し内容は違うかもだけど 、寂しさとか葛藤があったんじゃないかなぁ 、と思いました !! サーモンさんの次のお話も 、めちゃ楽しみに待ってます !!