テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※ 呪術廻戦 BL 、ネタバレ要素少 、五伏
──────────
ガタンゴトン、ガタンゴトン、
大きく音を立てながら進んでいく満員電車の中で俺は、気持ちの悪いおっさんに
痴漢されている。
「はぁ、は、ぅ」
耳元に熱い吐息が掛かる。気色悪い。
なぜ抵抗しないかって?だって、避けようとしても周りの人間に押されてできやしない。蹴り飛ばしてもいいが、一般人にそれほど迷惑をかける訳には行かない。その上、どこぞの女子高校生みたいに
「この人痴漢です!!」
なんて言っても、信じて貰えないだろうし、俺にそんな勇気はなかった。
つまり、この時間、この最悪な時間を耐え抜くしかないのだ。
屈辱だ。当然気持ちが悪いと思ったが、それよりこんな雑魚に俺の身体を触られていると感じると、悔しかった。
満員電車じゃなければ、、なんて無駄なことを考えていた。
プシューッ
小さく音を立てては、ドアが開いた。俺が降りる駅まであと二駅といったところか。
二駅、この言葉がこれほど重く感じる日はこれから来ないだろう。
ガシッ、
急に、おっさんの手が俺から離れた。おっさんが駅から降りたか。それとも__
「お前、僕の恵になにしてんの。」
やはり、あんただろう。なんでここにいるんだよ。下手したらこのおっさん死ぬかもしれない。そう思った。
「五条先生、大丈夫です。怒らないでください。」
今思えば、おかしい文章だ。脳死してたのかもしれない。
おっさんは慌て、
「なんだお前!!」
と言い放ち五条先生を突き放した。
周りの目線は完全にこちらを向いている。
五「いや、先にこっちの質問に答えろよ。」
「僕の恵に何してんだって聞いてんだろ。」
お「な、何もしてない!!」
なんて分かりやすい嘘なんだろう。そこそこのコミック漫画の中にいるキャラクターのようにつく嘘だった。
「五条先生、帰りましょ。俺は大丈夫ですから。」
五条先生の怒りを抑えようとした。
「恵が大丈夫でも僕は大丈夫じゃねえんだよ。」
だが、それは逆効果だったようだ。
五条先生の美しい空色の瞳には、いつも綺麗な輝きがあった。それは、サングラスをかけていても分かるほどの輝きだったが、今日ばかりはその輝きが見えなかった。
プシュー
いつの間にか次の駅に着いていた。他の乗客が、駅員を呼んできたらしく、おっさんは連行されて行った。
今日は、任務ではなく個人的に出掛けていただけなので、駅員に確認等を取られても問題がない状態であったが、他の乗客のほぼ全員が見ていた為、確認は必要なかったそうだ。おっさんが連れていかれた後も五条先生の機嫌は悪く、 俺は、されるがままに五条先生に引っ張られて行った。暫く何も話さずに五条先生の後をついて行くと、着いたのはなんとラブホだった。
まさか、こんなところに来るとは一切思ってもいなかった。
五条先生は、慣れた手つきでチェックインして、俺を部屋まで連れていった。部屋に入れば、五条先生はやっと口を開いた。
五「恵。なんで抵抗しなかったの。」
恵「いや、周りに乗客いましたし、大事にする訳にも__」
五「自分のことを1番に考えろよ!!もっと自分を大切にしてよ。恵、お前は可愛いんだから、もっと危機感持ってよ。」
俺の言葉に被せてきた。珍しい事ではないが、いつものようなふざけた被せ方ではなかった。
「、ッすいません。」
この一言で五条”さん”の顔の強ばりが消えた。
「大丈夫だよ。怒鳴ってごめんね。」
怒鳴った、と言われて思い当たりはなかった。いつもみたいに俺の事を1番に考えてくれている、優しい声だった。だから怒鳴られたと言われれば違う気がする。だが今はそんなことどうでもよかった。
「ん、ッ..ふ、っぅ、..」
五条さんにベットに連れていかれ、優しい口付けを落とされた。ヌルっとした舌をいれられて、頭が真っ白になる。
「恵、いいよね、」
一々問いかけてくる彼に律儀さを感じた。
「いいですよ、」
当たり前じゃないか。こんな所まで来て否定などする気は無い。
「ありがとう。優しくするよ、」
もうすっかりおっさんの気持ち悪さを忘れていた。五条さんの優しい目の輝きにほっとした。
END
コメント
1件
やはりノベルがお上手で🥹 心の声も、長すぎず短すぎず分かりやすくて痴漢野郎に殺意が湧きました(?) 普段おちゃらけている人が怒るって良いですよね😌 やはり天才です🫵🫵🫵