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第四十七話 負の感情
真っ暗でただただ闇だけが果てしなく広がるこの空間。
確か5年前にも俺はここにきた。
でも…なぜここに来たことがあるのかその経緯は思い出せない。
ただ一度来たことがある、それだけは確かだ。
tt「…一旦周りを見てみるか?」
恐る恐る俺は歩き出す。
しかしどれだけ歩いても見える景色は変わらず、ずっと真っ暗なまま。
自分がどこからどれくらい歩いたのかもわからなくなってしまう。
その時だった。
???「…面倒くさい」
tt「え」
ふいに背後から声がした。
この声は…
tt「yaくん?」
振り返るとそこにはyaくんが立っていた。
tt「yaくんっ!なんか俺気づいたらここにいたんやけど…ここがどこかわかるか?」
俺はyaくんに尋ねる。
しかし、yaくんは俯いて黙ったまま。
tt「…yaくん?」
ya「うるさいうるさいっ!!どいつもこいつも俺に頼ってばっか!!なのに俺をただの便利な道具程度にしか思ってないっ!!全部全部うんざりだ!!面倒くさい面倒くさい面倒くさいっ!!」
tt「っ!?」
ゆ、yaくん…?
一体どうしたのだというのだろう?
この様子はまるで…怠惰の罪を犯していた時のyaくんのようだ。
tt「yaくっ…」
yaくんに向かって手を伸ばしたその瞬間、yaくんの姿は跡形もなく消えた。
tt「は…?」
どういうことだ?
困惑を隠しきれない。
???「…イライラする」
tt「っ!?」
また、背後から声がし、振り返ると今度はurの姿があった。
tt「ur…?」
ur「どいつもこいつも俺の音楽を馬鹿にしやがって…!なんにも知らないくせに!!なんにもわからないくせに!!ムカつく…!ムカつくムカつくムカつくっ!!」
tt「urっ!?」
urに歩み寄ろうとする。
しかしその体に触れる前にurの姿は消えてしまう。
tt「っ…?」
さっきからなんなんだ?
今のurは憤怒の罪を犯していた時のurのようだった…。
俺が見ているものは一体何なんだ…?
???「…愛されたい」
tt「っ!!」
また声がし、振り返るとhr先輩が立っていた。
hr「自分を偽れば愛してもらえる。でももうそれは疲れた。本当の俺を愛してほしい。…でもそれは許されないんでしょ?…ねえ、誰か…俺を愛してよ」
tt「hr…先輩?」
これは…色欲の罪を犯していた時のhr先輩…?
しかし、hr先輩の姿も同じようにすぐ消えてしまう。
tt「…っ」
…なんとなく、わかってきた気がする。
???「…もっと食べたい」
また声がし、振り返る。
今度はnaさんの姿があった。
tt「naさん…」
na「何か食べたくて食べたくて仕方ないんです。何か食べていないと…怖いんです。空腹になるのが怖いんです。もうあの時の苦しみを味わいたくないんです」
これは暴食の罪を犯していた時のnaさんだ。
やがてnaさんの姿もスッと消え去る。
俺の想像が正しければ、おそらくこれは…。
???「…天才でいないといけない」
再び振り返る。
すると、次はrnの姿があった。
rn「rnだけが…天才なんです。天才でなくなれば、rnには何の価値も残りません。天才でいないと…天才でいないといけないのにっ!!」
tt「rn…」
しかし、やはりその姿はすぐに消えてしまった。
…なんとなく、確信する。
これはおそらく幻影。
俺が今まで罪から救ってきた人たちの…罪の幻影。
???「…もっと頼って欲しい」
tt「…」
後ろを振り返る。
そこにはdn先輩の姿があった。
dn「mfくんが心配。無理してないかすごく不安。だからもっと俺を頼って欲しいのに…。手助けしたいのに…。それを望むのは…欲張りなのかな…?」
tt「dn先輩…」
dn先輩の姿もしばらくすれば消えてしまった。
ということは、次は…。
???「…なんで俺から離れていくの」
tt「ッッ…」
後ろを振り返ると予想通りというか、やはりというか…jpの姿があった。
jp「ttの周りに人が集まれば集まるほど、いつか俺のそばからttがいなくなっちゃうんじゃないかって不安になる。…お願いだから誰とも関わらないで。俺だけ見ててよっ!!」
tt「jpっ…!」
思わずjpに向かって手を伸ばすが、jpの姿は消え去り、俺の手は空を切った。
tt「っ…」
…落ち着け、俺。
今見たものはやはり幻影だ。
だって今はみんな罪から解放されているのだから。
あれは全部過去の幻影。
tt「そうやっ…大丈夫…きっとだいじょ…」
???「何が大丈夫なんですか?」
tt「…ぇ」
どこからともなく聞こえてきた声に思わず体が強張る。
この…声は…?
ゆっくりと俺は振り返る。
そこには…
tt「noさん…?」
no「…」
俺を冷たい眼差しで見つめるnoさんがいた。
no「僕が堕天したのはあなたのせいだ。僕が助けてあげたから今のあなたがあるというのに…。それなのに…あなたは自身を守るためその記憶を消し、僕が大罪を犯したために堕天したというふうに勝手に思い込んだ」
tt「…え?」
no「あなたは忘れている。自分のせいで僕が堕天することになったという、もうどうしようもない事実を。自分が傷つきたくないというそんな身勝手な理由から」
tt「…嘘だ」
noさんが堕天したのは大罪じゃない…?
しかも…俺のせい?
そんなの急に言われても信じられるわけっ…。
no「この場所に一度来たことがあるでしょう?5年前…ここに来たでしょう?…思い出してください。あなたはなぜここに来た?そしてその前後に何があった?」
tt「っ…」
頭が痛む。
記憶の奥底に眠っていたはずの思い出したくない、辛い記憶が今思い出されようとしている。
tt「っ〜…」
記憶が徐々に鮮明に思い出されていく。
…ああ、そうか。
思い出した。
5年前にも俺は…同じように倒れてこの場所に来た。
そしてここは…俺が取り込んだ負の感情が溢れている空間。
多分一種の精神世界的なものだろう。
そして…5年前、この世界を彷徨っている時手を差し伸べてくれたのがnoさんだった。
けれど目を覚ました時、noさんが俺に代わって負の感情を取り込んだために堕天してしまった。
…そう、noさんは俺のせいで堕天したんだ。
tt「…」
心にぽっかりと穴が空いたかのような感覚がし、俺は呆然とその場に立ち尽くす。
no「思い出したみたいですね」
目の前に立つnoさんの瞳は相変わらず冷たい。
no「そう、あなたのせい。全部全部あなたが悪い。そして今…あなたは同じことを繰り返そうとしている」
tt「え?」
どういうことか尋ねようとした時だった。
???「ttっ!!」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
tt「っ!?」
この声は…?
jp「ttっ!!お願いっ!目を覚ましてよっ!!」
tt「jp…!?」
jpが俺のことを呼んでいるようだ。
no「…ほら。今度は彼があなたのために犠牲になろうとしているみたいですよ。あなたのせいでまた、犠牲が出るんです」
tt「俺の…せい…?」
そんな…嘘だ。
no「あなたが彼の手を取れば彼は僕と同じように堕天することになるんです。…もう犠牲者を出すのは嫌でしょう?」
tt「…」
no「あなたは誰にも…助けなんて求めてはいけないんですよ」
noさんの手が俺の方へと伸びてくる。
俺はその手を…
パシリと払い除けた。
no「っ!?」
tt「…ーーや?」
no「…は?」
tt「お前は誰や?」
no?「…え?w」
noさん…いや、noさんの姿をした別の何かは少し動揺した様子で薄く笑みを浮かべながら声を放つ。
no?「何言ってるんですか?僕はnoですよ?」
tt「いいや、お前はnoさんじゃない。だって…noさんは他人を責めるような人じゃないから」
no?「…そんなの」
tt「…?」
no?「そんなのっ!!」
次の瞬間、noさんは大声で怒鳴った。
no?「そんなの俺が一番知ってるっ!!そうだ!!noさんは誰も責めない。実際他人に非があったとしても、自分にも非があったと考える、心優しい人だからっ!!5年前だって…!noさんは自分が堕天する直前だって俺を責めなかった!!だから俺はずっとこの5年、ずっと苦しくて…!…ぁっ」
…今の発言と気の動転の様から俺は確信する。
tt「お前は…」
no?「っ…」
tt「…5年前の俺、なんやな?」
no?「っ〜…」
次の瞬間、noさんの姿が歪んでいき、代わりに小柄な少年の姿が浮かび上がった。
その少年はやはり…
5年前の俺だった。
続く
きらくる
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コメント
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激 ア ツ 展 開 !!👊🏻