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🍓「ゆめゆめ様!」
👑「ありがとうございます!!」
シチュ:瑠姫が拓実に意地悪して拓実が怒る。瑠姫は「怒らないで、、」と泣いてしまう
🍓・👑「それではどうぞ!」
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喧嘩した翌日の教室。拓実はいつものように明るく「おはよ〜」と声をかけた。
でも瑠姫は、ちらっと横目で見るだけ。
瑠「……おはよ。」
声も薄くて、冷たい。拓実は一瞬だけ表情を曇らせたけど、すぐに笑顔に戻した。
拓「昨日あんだけ泣いといて、急に距離あるなぁ。」
冗談っぽく言ったのに、瑠姫は教科書を取り出しながら言った。
瑠「……別に。普通だよ。」
(ほんとは全然普通じゃない。昨日の嫉妬を思い出して胸がまだひりひりする。好きすぎて、怖い。)
それをごまかすように、瑠姫は わざと拓実の前を素通り して、
他の男子に話しかける。
瑠「おはよ。昨日の課題、見せてくれるって言ってたやつ。」
男子が笑って言う。
男「あー、いいよいいよ。ほら。」
瑠姫は微笑む。作った、綺麗な微笑み。その瞬間、拓実の表情が すっと無音で固まった。
ー放課後ー
帰り支度をしているとき、拓実が瑠姫の腕を掴んだ。
拓「なぁ。」
低い声。普段の柔らかさが全部消えてる。
拓「なんで、他の男とあんな顔で話してんの。」
瑠姫はそっぽを向いたまま答える。
瑠「別にただ課題見せてもらってただけ。」
拓「笑ってたやん。」
瑠「笑ったくらいで何?笑っちゃダメなの?」
拓実の眉が、はっきりと寄った。
拓「……るっくん、昨日あんなに言ったのに、なんでそうなんの。」
瑠姫の胸に、小さくヒビが入る音がした。でも止まれない。止まらなかった。
瑠「拓実だけじゃないんだから。友達くらい、普通でしょ。」
カツン。
拓実が机に手を置く。力が入っていた。
拓「”普通”の中に俺は入ってへんの?」
瑠姫は息を呑んだ。言葉を間違えた。でも、もう戻らない。
瑠「……拓実は、特別だけど。」
拓「けど、なん。」
一瞬、空気が張りつく。瑠姫は、とうとう目を合わせられなくなった。
瑠「……わかんない。」
その言葉を聞いた瞬間、拓実は 一歩だけ、距離を置いた。笑わなかった。
怒鳴らなかった。その方が、余計に怖かった。
拓「……俺、今めっちゃ怒ってる。」
淡々とした声。
拓「るっくんが他の男に向けた笑顔とか声とか、全部俺以外のもんになるん怖いねん。」
瑠姫の心臓が痛いほど跳ねる。
拓「でもな。」
拓実の目が、真っ直ぐ刺さる。
拓「それを”わかんない”で逃げられるのは、ほんまに無理。」
耐えきれなかった。瑠姫は、
拓実のシャツをぎゅっと掴んで顔を伏せた。
瑠「……そんな、怒んないで……」
声が震える。
瑠「やだ……拓実に怒られるの……やだ……」
ぽたり、ぽたり。制服の布に小さな涙のしみが広がる。
拓実は、息を止めたように動きを止めた。そして、静かに、瑠姫の頭に手を置いた。
拓「……泣かんといてや。」
その声はさっきよりずっと柔らかかった。
拓「泣かれたら俺、弱いん知ってるやろ。」
瑠姫は震える声のまま胸元に縋る。
瑠「ごめんっ拓実に、嫌われたくなくて……好きすぎて、怖くて意地悪しちゃった」
拓実は目を閉じて、小さく息を吐いた。そして、瑠姫を そのまま強く抱きしめた。
拓「……俺もや。好きすぎて怖い。」
瑠姫の肩がびくっと震える。拓実はその耳元に、ゆっくり囁いた。
拓「もう意地悪せんでええ。俺、離れへんから。」
瑠姫は苦しいくらいに抱き返した。
瑠「離れないで。」
拓「離れへん。」
何度も、何度も。
END