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つぶ貝
79
#塩レモン
のりもちさん
7,741
付き合ってないさのじんです。
吉田さんの片想い。
※M!LKの皆はもともと結婚肯定派前提で佐野さんも普通に結婚願望あります。
番組、マネージャー、モブ先輩(架空)、事務所について全て捏造。
事務所の某会議室。
佐野は担当マネージャーと向き合い、手元の企画書を凝視していた。
「……メンバーにドッキリ企画、ですか。」
それはゴールデンタイムに放送されている某人気バラエティ番組からの依頼だった。人気芸人が司会を務め、VTRを見ながらスタジオでトークを繰り広げる大人気番組だ。今大注目のM!LKにぜひ、という熱烈なオファーだという。
ドッキリ自体は嫌いではない。過去にも寝起きドッキリや壁ドンドッキリの仕掛け人をやったことがある。山中、曽野、塩﨑に至っては、吉田と一緒に悪質なイタズラを仕掛けて半ギレされた過去すらある。
(あん時のチームガキ達の反応と言ったら……。)
ふざけんなよ!喚く弟達を振り返り思い出し笑いを浮かべかけた佐野だったが、今回の企画書に目を通すうちに表情が引き攣った。今回のドッキリは、過去のイタズラとは明らかに毛色が違いすぎる。
『ガチ恋人の結婚前提挨拶ドッキリ』
佐野達が所属する事務所には、厳格な「恋愛禁止誓約」が存在するわけではない。プロとしての自覚と自律に任せるスタンスだ。佐野自身もこれまでの人生で恋愛経験がゼロなわけではないし、公にはしないものの、他のメンバーの恋愛事情が耳に入ってくることもある。
だが、アイドルである以上、そういった面は慎重に隠し通すのが鉄則だ。
マネージャーと話し合った結果、番組の視聴率や向こうからの要望を考慮し今後のM!LKの活動にメリットが大きいという判断で承諾をすることとなった。
ただし、全員をターゲットにすると収集がつかなくなるため、ターゲットは「塩レモン」の二人…塩﨑と、リーダーの吉田に絞ることになった。
佐野としては山中や曽野の方が平和に終わりそうだと希望を出したが、番組側が求めているのはバラエティとしての撮れ高。いつもは賑やかで仲良しを売りにしているM!LKだからこそ生まれる緊張感のある空気を狙いたいという意図から、リアクションの面白さに定評のある塩レモンが抜擢されたのだった。
また、生々しいメンバー間の過去の恋愛トークや事務所のリアルすぎる裏話などが飛び出した場合は、すべて番組側でカットしてもらうことも事前交渉で折り込み済みだ。バラエティとして成立させつつ、グループの防衛ラインは絶対に割らない。危ない橋は渡らないのがプロとしての鉄則だった。
さらに、ドッキリ当日の二人の細かいリアクションや、会話が思わぬ方向に転がった場合の予測される事態をいくつかパターン化し、山中と曽野の頭にしっかりと落とし込めるように準備しておく。
◇
『えーっ! ガチ恋人の挨拶ドッキリ!?』
その上で、真相を知った末っ子二人は大喜びで仕掛け人を快諾した。
「よっしーはどう出るだろうねぇ。『え、佐野さん、このドーム前の大事な時期に何考えてるの? 今じゃないってわかるでしょ。自覚あるの?』とか言いそうっしょ。」
「柔〜、声のトーンとその顔つき、仁ちゃんの真似めっちゃそっくりやん!せやけどリーダーやし、現実的な話で詰めてきそうやんなぁ。太ちゃんもリアリストやでさぁ。結婚前提の挨拶ってなったらタイミング的に反対するかもしれへん。」
「いやいや舜太〜、太ちゃんは案外『ん〜まぁ佐野さんの好きにしたらええんちゃう〜?』ってなりそうじゃない?」
あーだこーだと吉田と塩﨑の反応を予測して盛り上がる二人を横目に、当事者である佐野は一人どんよりと落ち込んでいた。
いくら企画とはいえ、メンバーからポジティブな返答をもらえるイメージが全く湧かない。いつかは結婚したいし、ファンにも「俺にリアコしないで」と公言してはいるが、『今』ではないのだ。お茶の間にも自分たちの活躍が浸透しはじめ、これからドームを控えた大切な時期にこんな報告をしたらどうなるか。
(…特に仁人が怖い…。)
番組側の構成として、今回のドッキリには明確なルールが設けられた。
ターゲットである吉田と塩﨑が「グループの現状(ドーム前)を考えて反対する」という反応を見せることを想定し、全体のバランスを取るため、仕掛け人である山中と曽野はどんな状況でも佐野を肯定し、認める方向で動くという役割が与えられていたのだ。
もちろん、これは炎上を防ぐため視聴者にも事前にナレーションやテロップでネタバレをしておく。
万が一、吉田と塩﨑が最初から「おめでとう!」と手放しで賛成する予想外の展開になれば、山中と曽野は即座に逆のポジション(慎重派・反対派)へと回るよう、事前に何パターンものシミュレーションが叩き込まれていた。
(……いや〜仁人が素直に認めるわけねぇ。絶対にブチ切れるか、冷淡に詰めてくるかの二択しか浮かばねぇ…。)
いくらドッキリ演出とはいえ吉田から嫌われることをしたくない。
あの生真面目でグループ想いなリーダーに、どれほど冷ややかな目で見られるか想像するだけでも気後れしてしまう。
◇
数日後。
カメラが仕込まれた楽屋にM!LKの5人と、神妙な面持ちのマネージャーが集まっていた。
長方形の会議用テーブルを挟み、佐野と吉田が正面に向かい合って腰を下ろす。佐野の両脇にはマネージャーと山中が並び、吉田の左右には塩﨑と曽野がそれぞれ腰掛けた。
「……みんなに、真剣な話がある。」
佐野の重々しい第一声に楽屋の空気が変わり、パイプ椅子に座っていた塩﨑と吉田が、怪訝な表情で佐野を見つめた。
これから伝える内容の重みに緊張を覚えつつも、「これは仕事だ」と役者の顔に切り替えた佐野は、全員の顔を見渡しながら重い口を開いた。
「マネージャーにはすでに伝えてあって了承済みではあるんだけど。実は……真剣に結婚を考えてる人がいます。今じゃないと言うことは…勿論重々分かっている。でも本気だから、皆に認めてもらいたいんだ。」
佐野が普段から「結婚願望がある」と公言していることはメンバーも知っている。だが、まさかこのタイミングで、しかもこんなトーンで切り出されるとは思ってもみなかった塩﨑と吉田の顔色から、一気に血の気が引いていく。
すでにネタバレ済みである山中と曽野は、必死に口元を引き締めて真面目な顔を作っていた。が、ぶっちゃけ笑いそうだよな?お前ら仕掛け人向いてねぇから!と特に鼻の下を伸ばしはじめてる山中を佐野がジロ見する。
本当にこいつ国宝級イケメンランキング 2026年上半期の1位の顔かよ。カメラあることを忘れるなよ王子!
「……マジ?」
最初に声を漏らしたのは、塩﨑だった。
元々M!LK全員は結婚肯定派で、佐野が「結婚したい」と公言しているのも知っている。だが、塩﨑の頭を真っ先によぎったのは、吉田のことだった。
決定的な気持ちを聞いたわけではないが長年一緒に歩んできた同期の勘、というやつなのか少し前から吉田にとって佐野がどれほど特別な存在なのを薄々勘づいてはいた。
吉田自身、ポーカーフェイスを自認しているが、実はグループの誰よりも喜怒哀楽がわかりやすい。案外すぐ顔に出るタイプなのだ。
自分にも他人にも厳しく、人に甘えるのが下手くそな男が、年長の佐野にだけは素直に心を許して甘えている。
心の支えとしての比重が大きすぎるがゆえに、もしそれが崩れ去った時、吉田はどうなってしまうのか。
(え……待って。勇斗が結婚……? え、じゃあ…仁人は…どうする?)
横に座る吉田の震える指と動揺した気配を肌で感じた瞬間、直感的にヤバいと塩﨑の顔から、さらに余裕が消えていく。目に見えて焦り始めた塩﨑に、佐野は「……太智、どした?」と探るような視線を向けた。
塩﨑はちらっと、ずっと黙りこくったままの吉田の方へ視線を向け、か細い声で問いかけた。
「……えーっと、それは本気……やんな?」
「うん、勿論。冗談でこんな話をしないよ。」
「…ほうやな、勇斗はそんなこと冗談で言わへんよな…そうやな…ははは……。」
いつもの弾けた高音とは程遠い、消え入りそうなトーン。
楽屋全体に重苦しい静寂が広がり、気まずい空気が充満する。バラエティが一番得意なはずの塩﨑がこの反応。佐野の脳裏に「やべぇ…これ、バラエティとして終わるかもしれない」という冷や汗が流れた。
その空気を察し、末っ子の双子組やわしゅんがアイコンタクトを交わす。
(……え、何この微妙な空気。)
(俺らが喋る前に、太ちゃんと仁ちゃんが驚いて何かしらアクション起こす想定だったやん。仁ちゃんずっとだんまりやで。)
(あ、俺らの反応待ちってこと……?)
山中と曽野が目線で必死に会話していると、塩﨑の前に座っているマネージャーが顎で「お前らいけ」とクイッと指示を出した。
(あ、俺らが動くのね。)
ダテに長いことこの業界で揉まれてきていない。空気を読む力と察する能力は抜群だ。
ええい、ここは末っ子組が空気を変えてやる!と、まずは俳優業にも力を入れている山中が、真剣な表情を作って静かに問いかけた。
「……勇ちゃん、本気なんだね?」
「うん……。」
「……そう。なら俺は…まず、おめでとうって言いたい。」
「ッ!!」
「だって、こんな大事な時期に言うってことは、勇ちゃんにとってよっぽど相手が大事なんだと思うし、結婚ってことは相当な覚悟だと思うから。俺は、その気持ちを尊重したい、かな。」(まードッキリなんだけどね。)
「柔太朗……。」
真っ直ぐな山中の言葉に感動しつつも、佐野は(まあドッキリだけどな…。)と少し遠い目になった。続いて曽野が、場の雰囲気を明るく引き上げるように声を張る。
「俺も柔と同じ気持ち!勇ちゃんが幸せにしたいって思える人がおるんなら、俺も全力で祝福したい!もちろん、今後のことはファンの皆さんの気持ちも大事やし、慎重にならないかんと思うけど……俺らなら乗り越えていけると思うでさ!」(まー、ドッキリやけどな★)
「舜太……。」
爽やかな100点満点の眩い笑顔とありがたい言葉のはずなのに(『ドッキリやけど★』って顔に書いてあるぞ…。)と心の中でツッコまずにはいられない佐野。
しかし、末っ子二人がどれだけ見事にフォローを入れても肝心の吉田だけは、膝の上で固く拳を握りしめたまま、ずっと下を向いてダンマリを決め込んでいた。
(え、よっしーこれでも喋らんの……!?太ちゃんも固まってるし、なんなん塩レモン!!!)
(仁ちゃん下向いてるけどどしたん!?まさかの喋れへんほどのガチギレ!?)
山中と曽野の心拍数が、ドッキリの仕掛け人とは思えないスピードで跳ね上がっていた。
◇
開始から一切無言を貫く吉田の反応が気になりすぎて、我慢できなくなった佐野がついに痺れを切らして切り出した。
「仁人は……!ど、どう?!」
「ッ…!」
思ったよりも大きな声が出てしまった。その声に反応して、吉田がビクッと肩を震わせる。
ただでさえ撫で肩のせいで他メンバーと並ぶと小さく見える体が、より一層ちんまりと縮こまっていた。いつもなら座る際「お前は社長かよ!」と注意し続けている極限まで広げられた膝も、今は隙間なくピッタリと閉じられている。
(これは……めちゃくちゃ緊張してる時の仁人だ。)
長年隣にいる佐野には一目で分かった。
だが、その緊張の意味が分からない。M!LKの存続を心配しているのか。それとも、何かに怯えているのか。
(……どうしてだ?)
ふとその横を見ると、塩﨑はずっと心配そうな目を吉田に向けていた。何だか二人だけにしか分からない空気感が漂っていて、佐野の胸の奥に、説明のつかないモヤッとした感情が湧き上がった。
(なんで太智がそんな顔して仁人を見てるんだよ。)
ドッキリの最中だというのに、無意識に沸き起こる謎のイライラ。そんな佐野の些細な変化には気づかず、マネージャーは正面に座る吉田と塩﨑二人の反応が想像以上に薄いことを感じ取り、佐野へ目配せで合図を送った。
(次のステップに移行しろ、か。)
そう、このドッキリにはもう一人、強力な仕掛け人が控えている。
佐野の『結婚を考えている架空のお相手』役の人物だ。
「……実はさ。今日、その方を連れてきてるんだ。すぐ外にいるから、みんなに挨拶させてもいい?」
佐野が意を決してそう告げた瞬間ようやく吉田が勢いよく口を開く。
「お、俺も反対とかしないんで。勇斗がそこまで覚悟決めてるならいいんじゃないですか?ファンの皆さんに公言するタイミングとか順序さえ慎重に考えてもらえれば、リーダーとしても文句はないですよ。とりあえず俺は次の仕事の準備もあるんで、一旦これで失礼します!」
ガタン! と勢いよく席を立ち上がり、息もつかせぬ早口で捲し立てる吉田にその場の誰よりもテンパっているのが丸わかりだった。
「へっ、あ、待って仁人!!まだ挨拶もあるんだって!」
吉田と向かい合わせに座っていた佐野は、慌てて立ち上がり、身を乗り出して逃げようとする吉田の腕を掴もうとした。
その瞬間——。
コンコン!
「勇斗くん……?呼ばれて来たんだけど、今大丈夫なのかな?あ、皆さんこんにちは!お忙しいところ、お邪魔します。」
ドアを開けて入ってきたのは、仕掛け人役を引き受けてくれたベテラン女優、神崎花。同じ事務所の五歳年上の先輩で、佐野とは過去にドラマなどで何度か共演経験がある。実際の共演者の方が信憑性が高いということで、打ち合わせの時も「いいですよ〜!でも勇斗くんのファンに殺されないかなぁ?笑」とノリノリで了承してくれた頼もしい先輩だ。
「あ、花さん……。」
佐野が普段通りの呼び名で応えると、神崎は深々と頭を下げた。
「この度は急なご挨拶になり本当に申し訳ありません。改めて勇斗くん、…佐野勇斗さんとお付き合いをさせてもらってます、神崎花と申します。」
「あ、勇ちゃんのお相手、神崎さんだったんだ!!」
曽野が頑張って声を張り、山中がすかさずそれに続く。
「ほら舜太、まずは挨拶でしょう。勇ちゃん、紹介して。」
吉田の様子が気になりすぎてそれどころではない佐野だったが、そこは場数を踏んできた俳優業の意地でどうにか持ち直した。
「……うん。皆もご存知の通り、事務所の先輩の神崎花さんです。…改めて俺たち、結婚を考えて真剣にお付き合いをしています。」
「皆さん急なお話で驚かれましたよね。本当にごめんなさい。交際を決めた時、勇斗くんと話し合って、大切なメンバーの皆さんには真っ先に伝えておきたいってことになって……。私達は結婚を見据えた真剣なお付き合いなので、どうか温かく見守っていただけると嬉しいです。」
神崎の完璧すぎる演技。だが佐野の心の中はそれどころではなかった。
(仁人……待て待て、ずっと顔が下向いててお前の反応が見えない!誰か早くドッキリだってネタバラシしてくれぇぇぇ!!)
あまりの気まずさと恐怖に佐野が叫びかけた、その時だった。
ガタン……!!
席を立ち上がったまま固まっていた吉田の足元がふらつき、パイプ椅子が倒れて派手な音を立てた。さらにその衝撃で机の上に置いてあったコーヒーが床へバシャッとこぼれ落ちる。
「あ、ご、ごめ……っ!」
「ちょっと仁人!?なにしてるんや!大丈夫!?」
隣に座る塩﨑が焦って声を上げる中、吉田はパニックのまま「ティッシュ、ティッシュ……!」と床を拭こうと勢いよくしゃがみ込んだ。そのまま机の下へ潜り込もうとした瞬間——。
ガンッ!!!
「いっだぁぁぁ……っ!!!」
激しい金属音が響き渡り、机のフチに勢いよく頭をぶつけた吉田が、頭を抱えて床に蹲る。
早口での捲し立て、椅子の転倒、コーヒーの撒き散らし、そして頭部激突。
あまりにも綺麗すぎる吉田のドジっ子連打に、楽屋にいた全員がポカンと口を開けてフリーズした。痛みに耐えながら、居たたまれなさで胸が潰れそうになっていた吉田は、顔を真っ赤にして叫んだ。
(は、恥ずかしすぎて死ぬ……!!)
「あ、新しいコーヒー、買ってきます!!!」
頭の激痛を半泣きで耐え、床を適当に拭き上げると、吉田は財布が入った鞄も、机の上のスマホも放置したまま、勢いよく楽屋のドアを開け放った。
——ガチャッ!!
その瞬間。廊下に控えていた番組スタッフ達と鉢合わせる。
スタッフの手にある大きなパネルには、デカデカと『ドッキリ!!』の文字が躍っていた。
「へぁっ…ど、ドッキリ…!?」
固まる吉田を見て、佐野は「あ、もうネタバレするなら今だわ。」とヤケクソで叫んだ。
「じゃーん!!実はドッキリで〜す!!!もー!!仁ちゃん!嘘に決まってるでしょ!!」
「嘘……。」
「俺は今のところ、M!LK一筋なんだって!!まだまだお前たちのものよ♡なんてな!でも、お前にはもっと反対されると思ってたわ〜。」
「一筋……。」
「そりゃいつかは結婚したいなーとは思ってたから、お前たちの反応は予行練習みたいな感じで……って、これはアウトか?ここはカットでお願いしますね!」
ヤケクソの勢いのままペラペラと喋り続ける佐野だったが、隣にいた山中がガシッとその肩を強く掴み、揺さぶった。
「は、はやちゃん…勇ちゃん……。」
「えっなになに、柔太朗?」
山中の必死な顔に首をかしげ、佐野はゆっくりと吉田へ視線を戻した。
その真っ白な肌は耳元まで真っ赤に染まり、全身が不自然に震えている。そして何より——大きな目には溢れんばかりの涙が溜まり、今にもこぼれ落ちそうだった。
「じ、仁人……?」
佐野の声が引きつる。
「……上手いこと返せなくて、ごめん。」
ぽつりと掠れた声で呟くと、飲み物買ってくると吉田は佐野に背を向け、廊下へと弾かれたように走り去ってしまった。
静まり返る楽屋、カメラとドッキリの看板を持った番組スタッフ達、呆然とするマネージャー、神崎、そしてメンバーたち。
(え…何この状況……?)
佐野が一人パニックになっていると——。
「佐野さん!!」
「「勇ちゃん!」」
「勇斗くん!!」
塩﨑、山中、曽野、そして神崎から一斉に怒号のような声が上がった。
「へぁ!?」
変な声を上げる佐野に向かって、その場の全員の叫びが重なった。
「「「「追いかけろ!!!!」」」」
後編に続く
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つぶ貝さん、第1話拝読しました! いやもう冒頭から塩レモン二人の空気が違ってて、特に仁人のだんまりと急に動き出す慌てっぷりが切なくて……あの机に頭ぶつけるシーン、思わず笑ってしまったけど目に涙が溜まってる描写で一気に胸がぎゅっとなりました。ドッキリだって分かってても、仁人の“本気”だと思った時の心情が痛いほど伝わってきます。続きが気になりすぎます!