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獅子頭連 前編
プルプルプルプル
「…」
プルプルプルプル
「…ねぇ」
ビクッ
(うーん…どうしたものかなぁ…)
事は数分前に遡る
「うーめちゃんっうーめちゃんっ」
「ふふ、ちょーじー梅宮に会えるのが嬉しいのは分かるけどちょっと落ち着こうねぇ」
「亀ちゃん早く早くー!!!」
「うーん、聞いてないかぁ」
「まぁまぁしょーがねぇよ十亀。兎耳山が人の話聞かねぇのは今に始まったことじゃねぇだろ?」
「そーそー、有馬の言う通りだよ。兎耳山はいっつも自由」
「まぁそれが丁子の良いところだからねぇ」
「ふっ、条らしいな」
「…」
賑やかに、オレンジのスカジャンを靡かせながら6人の男達が歩いていく。スカジャンには牙を向ける獅子が描かれている。それは、ヤクザ、獅子頭連の証であった。
獅子頭連
それは風鈴の横のシマに位置するヤクザを一纏めにして呼んだ名前である。組長は獅子頭連史上最年少で組長に君臨した兎耳山丁子。その補佐を務めるのが十亀条。獅子頭連のNo.3と呼ばれる鰐島勇吾。そして組員の有馬雪成、鹿沼稔、佐孤浩太。そんな6人は今、風鈴へと向かっている。
獅子頭連は過去、風鈴と険悪な仲であった。だが、1度風鈴と抗争を起こした事により獅子頭連は負け、風鈴と良好な仲へと持ち込むことが出来たのだ。なので今回は風鈴との親睦会にお呼ばれしたのだ。
「亀ちゃん亀ちゃん!インターホン押していい??いいよね!押すね!」
ピーンポーン
「もぉ、また聞かないんだからぁー」
『お?あぁ!来たか!今開けるな〜』
カチャッ
「よぉ!兎耳山!それに十亀に鰐島達もいんのか!」
「うーめちゃーん!久しぶりー!!!って…その子だぁれ?」
獅子頭連を迎え入れた梅宮の腕にはフリフリのワンピースを着た小さい女の子がいた。兎耳山は見たことがない小さな女の子に夢中だ。
「ねねねっ、君だぁれ?名前は?何歳?ウメちゃんの妹?かわいーね!!!」
「こら丁子、そんなに捲し立てたら女の子がビックリするだろう?悪いな梅宮」
「あぁ、いいんだ鰐島。でも、ちょっとびっくりしちまうから少し落ち着いてくれな〜兎耳山」
「うん!で!だぁれ?」
「この子は遥この間新しく風鈴の家族になった奴だ!今日はコイツの紹介と人に慣らそうと思ってなぁ、急に呼んで悪いな」
「あぁ、だから呼ばれたんだねぇ。俺は十亀条だよぉ、よろしくねぇ」
こくりと小さく遥が頷く
「はいはーい!俺!兎耳山丁子!よろしくね!遥ちゃん! 」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら自己紹介をする兎耳山に遥はビックリしているのか目を見開いて兎耳山を見つめている。
「でね!こっちがワニちゃんで、こっちがぬまちゃん!で!こっちが有馬!そしてこの子は佐孤っちゃん!よろしくね!」
「あっ、俺たちの紹介!」
「あだ名の方がわかりやすいし、良いだろう。雪成、落ち着け」
「えーっ可愛いね〜!小さい!何歳? 」
「…ぅぐ…」
「ぁ、う…」
「ははっ、悪いな〜お前ら、遥はまだあんまり喋れないんだよ。でも、よろしくって多分言ってるから仲良くしてやってくれな!」
「そうなんだぁ、じゃあ3歳くらい?にしては大人しくていい子だねぇ」
「いやぁ、6歳なんだ実は。ちょっと訳ありでな…まぁ、それについてもちょっと話さなきゃなんねぇことがあるから とりあえず中入って話そう 」
続く