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毎日会っているはずなのに 君の笑った顔も少し抜けているところも 頑張っている姿も 全部どこを切り取っても 大好きだ .
もし俺が幼馴染じゃ無かったなら , 今すぐにでもこの想いを伝えていたかもしれない .
この想いが伝えられなくても君が違う誰かと恋をして笑い合っていても , 俺は君の幸せを願うし応援する .
側に居れることが俺の幸せなのだから .
『 李玖おはよ! 』
明るい声で俺に声をかけてくる
「 おはよ胡桃 」
俺もそう返す
『 へへっ , 今日は遅刻回避ー!! 』
嬉しそうにはしゃぐ彼女を見て俺はつい笑ってしまう
彼女とは小学校からの幼馴染で親同士も仲が良い . 毎年必ず家族ぐるみでバーベキューをしたりキャンプに行ったりしていた
そんな彼女のことを俺はずっと好きだった
でも気持ちを伝えるつもりはない . もしそれで振られたら “ 幼馴染 ” という関係まで壊してしまうからだ .
『 あ ,そーだ李玖 今日一緒に勉強しようよ! 李玖の家でさ! 』
「 別にいいけど … 胡桃から勉強誘うなんて珍しくない? なんかあったの? 」
『 いやぁ , 明日の小テスト赤点取ったら補習なの! ぜっったい回避しないと!! 』
「 そーえばそうたったね , いいよじゃあ帰ったら俺の家ね 」
『 うん! 』
なんて言いながら胡桃が赤点回避した時なんてなかったんだけどな , なんて考えていた
放課後
「 ………… 胡桃来るの遅くないか? 」
下校時刻から1時間半は過ぎている 目の前の家なのにそんなに時間がかかるはずが無い
「 なんかあったのかな 」
そんな事を考えていたらリビングにいる母親から呼ばれた
「 李玖!早く降りてきて!!大変! 」
普段温厚で声を荒げない母親があんなにも声を荒げて俺を呼んでいる 何かあったに違いない
俺はすぐさま階段を降りリビングに向かった
「 胡桃ちゃんが … 胡桃ちゃんが事故に遭ったって! 」
「 は …? 」
俺は母親から聞いた病院の住所を頼りに一目散に家を飛び出し病院に向かった . 頭の中は胡桃でいっぱいいっぱいだった
怪我をしてるのか , 意識はあるのか , 何があったのか 聞きたいことなんて溢れていた . でも今はただ胡桃に会いたかった
病院
「 おばさん! 」
受付で案内された胡桃の病室に入るとベットで眠っている胡桃とその横におばさんの姿があった
おばさんの目は腫れていて , 多分相当泣いていたのだろう 当たり前だ . 一人娘が事故に遭ったのだから .
「 その … 胡桃の容態は? 」
「 1命は取り留めたんだけどね … 頭を強く打ったみたいで , 記憶障害かもしれないって 」
「 嘘だ … , 嘘だ , 胡桃 …… 」
涙が溢れる俺の背中をおばさんは擦ってくれた