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学園長「3試合目を行う!一覇衆3番手前へ!」
学園長の言葉に、校庭に出てきたのは鎖が描かれた黒色の半狐面をした大柄な男だった。
?「初めまして。信都(しんと)と言います。食満留三郎殿にお相手願います。」
留三郎「おっ!俺か!」
留三郎は元気よく校庭に出た。
信都「本気でお願いします。」
武器を持たずに構えを取る信都に、
留三郎「当たり前だ!」
留三郎は得意の鉄双節根を振り上げる。
信都はそれを後ろに飛んで避けた。そして足がつくと同時に地面を蹴り、留三郎の腹に拳を叩き込んだ。
留三郎「グッ!」
学園長「そこまで!勝者信都!」
留三郎が腹を抱えてしゃがみ込んだところで勝負は終わった。
信都「ありがとうございました。」
信都は倒れた留三郎に一礼し、一覇の元へ帰っていった。
留三郎「ゴホッゴホッ。‥‥‥あいつ、なんつー力してんだ‥‥。」
伊作「留さん大丈夫!?」
留三郎「大丈夫に見えるか?」
伊作「‥‥見えない。」
学園長「では4試合目をはじめる!一覇衆4番手は前へ!」
来依「僕行ってもいい?」
黒翔「うん。いいよ。」
黒翔に許可をもらった来依は校庭へ出た。
来依「僕がお相手願うのは久々知兵助殿です。」
兵助「俺か!」
来依「久々知殿、僕は汚れるのが嫌いなんです。」
兵助「へ?」
来依は兵助が目の前にたったと同時に兵助を見上げた。
来依「ですから、」
戸惑う兵助をよそに、来依は懐に手を入れた。
来依「これで和解しない?」
そう言いながら来依が取り出したのは豆腐だった。
1〜6年生『えっ?』
来依「どうでしょう?」
来依は首をかしげた。
その場にいる全員が意味がわからないと言う顔で来依を見る中、兵助は目を輝かせた。
兵助「それは!一日50個しか売られないレア物!毎日並んでも手に入らなかった豆腐!」
来依「はい!」
そう、来依が取り出した豆腐は、豆腐大好きな兵助にとってすごいレア物だったのだ。
来依「欲しいですか?」
兵助「欲しい!」
来依「この試合‥‥‥辞退してもらってもいいですか?」
兵助「あぁ!先生、俺辞退します!」
5,6年生『はぁ!?』
兵助「豆腐は俺の全てなんです!」
豆腐をもらった兵助はご機嫌だった。
来依「では僕はこれで。」
兵助「あっ!あの、名前を教えてほしい!」
兵助の言葉に振り返った来依は唯一見えている口先をにっと上げて、
来依「来依(くるい)です。」
兵助「‥‥来依。ありがとう。」
来依「はい。」
目元は見えないのに兵助には、来依が一番下の後輩に見えた。
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