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カランカラン
桃「いらっしゃい」
夜の9時。バーの客は徐々に増え始めていた。
桃「…って、子供?どうしたの?」
ないこはカクテルを作っている手を止めて子供の前まで駆け寄る。
桃「迷子?親は?」
赤「………あ、の…」
桃「うん、ゆっくりでいいよ。」
上手く喋れないりうらに、ないこは優しく喋りかける。
赤「まいご、になっちゃって。親と、はぐれちゃったんです」
桃「そっか。親はこういう所によく来るの?」
赤「…はい」
桃「ん、そっかそっか。じゃあお母さんたち来るまでお兄さんと待ってようか、ね」
赤「………は、い」
どこかオーラを纏っていて、喋る一言一言に妖艶さを感じるないこにりうらは魅了されていた。
「りうらッ!」
赤「!おかあさん!」
「良かった、お母さん達心配していたのよ…!」
赤「…ごめんなさい、お母さん」
「いいのよ。りうらが無事だもの。」
「さあ、帰りましょう。」
赤「うん」
「ああ、一緒に待っていただいてありがとうございます。」
桃「いえいえ。お気になさらず。」
「ほら、りうらもお礼」
赤「…おにーさん、ありがとうございます」
桃「いいんだよ。」
「それじゃあ…」
赤「…っおにいさん」
桃「ん?」
赤「お名前、なんて言うんですか…?」
桃「名前?…ああ」
「ないこ。」
「内藤ないこって言います」
赤「ないこ、さん」
桃「うん、またいつでも来てよ。次はお客さんとして。あ、お昼にね笑」
赤「…はい、またきます。ないこさん」
桃「うん」
「またのお越しを、お待ちしております。」