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最近なんだか涼ちゃんの様子が少しヘンだ。


なにか気にしている様子で外に出る時は周りを確認したり、夜は俺にくっついてよく泊まりたがるし、若井と2人きりのときもどうやら側にいたがりそんな様子らしい。




「涼ちゃんなんかいつも違わない?なんかあった?」


若井も気にして俺にそう相談してくれて2人ともが違和感を覚えていたことに気がついた。


「そう、だよね···けど聞いてもなんでもないよって言うだけだし」


「浮気でもしてるとか?」


「若井最低っ、涼ちゃんは俺にベッタリで一筋です。 と、いうかほんとにすごく一緒にいたがるんだよね」



そこにガチャリとドアが開き涼ちゃんがトイレから帰ってきた。


「今日は元貴も若井もこの後まだ仕事あったよね?」


少し表情が暗い涼ちゃんが俺達にそう聞いてきた。


「そうだね···どうしたの?良かったらうちに先に帰ってていいよ」


何かあった時の為に合鍵は交換している。俺の言葉を聞いて少しほっとしたように笑って、すぐに困ったような顔をする。



「けど、昨日も元貴の家に泊まらせてもらったから···僕、邪魔してない?」


「涼ちゃんが邪魔なわけないでしょ!帰って涼ちゃんがいてくれるなんて俺めちゃくちゃ幸せなんだから」


「ありがとう···じゃあ、先に帰ってる、ね」



今度こそちゃんとした笑顔になって、涼ちゃんはお先に、と帰って行った。



「なぁ、元貴。俺の勘違いかもしれないけど···」


「うん。涼ちゃんやっぱりヘンだ」



俺達は次の仕事を1時間だけ遅らせてくれないかと連絡を入れた。

いろんな人に迷惑をかけてしまうし、もしかしたら何もないかもしれないけど。


俺達は涼ちゃんの後を追いかけた。



追いかけていると駅の方へ歩いていく涼ちゃんを見つけた。バレないように少し後ろからあとを付けていく。



その時だった。

黒い車がゆっくりと近づいたかと思うと涼ちゃんが一気に引っ張り込まれてその姿は車内へと消えていった。



「「えっ!?」」



ほんの数秒の出来事、けどその車は涼ちゃんを攫って逃げようとしようとしている。

若井が車を咄嗟に追いかける。

俺は辺りを見渡しタクシーを捕まえると若井に声を掛けて黒い車を追ってください!とお願いした。



若井がマネージャーに電話すると警察にも連絡するからとりあえず場所がわかったら待機、と伝えられる。


「元貴、ってことだから···」


「そんなこと言ってる間に涼ちゃんになにかあったらどうするんだよ。俺は待たないから」


「わかった···けど、無茶はしないで」



若井も同じ気持ちだったんだろう。それ以上はなにも言わず、俺達は車を追った。


車は古いビルのようなところについて、俺達はタクシーから降りそっと様子を伺う。



車が大きく何回も揺れる。

今も涼ちゃんが怖い目に遭っていると思うとすぐに駆けつけたいが状況次第では俺も若井も返り討ちにあってしまいかねない。



「元貴、マネージャーに場所連絡した、もうすぐ来てくれる 」


小声でそう告げてそこらへんに落ちてたいい感じの武器になりそうな棒を渡してくれた。 と、その時車から手足を縛られた涼ちゃんを真ん中に抱えて男2人が出てくる。

そんなに体格は良くない、不意を付けばたぶんいける···俺と若井は目配せして、ビルに向かっていたその後ろから思いっきり手に持った武器で殴りかかった。



相手が弱かったのか、俺たちが強かったのかわからないがあっさりと誘拐犯たちをやっつけて、投げ出されるように倒れた涼ちゃんに駆け寄る。




「涼ちゃん大丈夫?怪我してない?」


「も、もときぃ〜···」


殴られたりはしてないようだ、けど恐怖のせいか少し震えながら泣いている。


たくさん言いたいことも聞きたいこともあるけど、今はもう大丈夫、と優しく声を掛けて震えが止まるまでひたすら涼ちゃんを抱きしめ続けた。


警察とマネージャーも到着し、犯人を引き渡し詳しくは後日、ということで俺は涼ちゃんを連れて家に帰った。


泣き止んだ涼ちゃんがポツリポツリ、と今回のことを話し始めた。

どうやらここ最近変なDMが頻繁に届いていたらしい。良く言えば熱烈なファン。悪く言えばストーカーまがいの。


「だんだん、最近着てた服とか···行動とか、プライベートなことを指摘するようなメッセージが増えてて···けど、たまたまかもって···」


それで俺や若井にくっついてたのか。

もっと早く気づいていれば、と申し訳なくなる。


「けど、男の人だったし···僕のこと可愛くて好きなんて、冗談かなぁって···。そしたら今日あんなことになって車の中で縛られて···」



あぁ、もう、なんでこの子はこんなにも自己評価が低いのか。こんなにそばに涼ちゃんのことを可愛くて大好きっていう男がいるっていうのに!と、叱ってしまいそうになるのをぐっと堪える。 一番怖かったのはきっと涼ちゃんだから。



「これからもしちょっとでも変なメッセージが届いたら俺に言ってよ···俺も若井もすごく心配したんだから。本当に無事でよかった···」


「うん、そうする···。けど、あの人たち僕のこと本当に大好きだって言ってくれて、酷いことをはされなかったよ、サイン欲しいって言われたけど···」



いやいや、もう誘拐の時点でアウトだから。



「やっぱり涼ちゃんには俺が一生側にいないと···心配で仕方ない···」


「えぇ、嬉しい···僕も元貴が一緒にいてくれると安心する···ずっと一緒にいてね」



そういう意味じゃない、と思いながらも少し笑ってくれるくらいになったからいいかって頭を撫でた。



次の日、若井に今後はなにかあったらちゃんと俺達に相談すること!と叱られていた。


「俺、涼ちゃんのこと心配だよ···本当に気をつけてよ、お菓子あげるからって言われても車とかに乗っちゃだめだからね」



まるで子供に言い聞かせる母親のようだ。涼ちゃんはさすがにそんなことしないよって笑っているけど、怪しいもんだ。



「それに、元貴が一生側にいてくれるっていってくれたから大丈夫!」



えっへん、と自信満々に若井に言う。

ちょっと待って、それってそこだけ聞くとー···。



「なに、ついにプロポーズしたの?」


「えっ!これってプロポーズだったの?!」


キラキラした目で2人が俺を見る。

違う···いや違わないか?



「もう好きにして···」



そういうと若井と涼ちゃんはあれこれと2人で盛り上がっている。



まぁ、いいか。

涼ちゃんを守る為にも怖い目に遭わないようにする為にも、俺はずっと側に、一生一緒にいよう。



「涼ちゃんのことは一生、俺が守るからね」


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