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話を聞けば聞く程どんどん高間さんの印象は崩れていき、私は彼を信じられなくなった。
そして、
(告白してきたことも、嘘だったってことだよね……)
嫌がらせをしていた犯人とも知らずに彼を頼り、彼に惹かれつつあったことを心底後悔した。
「――おい、大丈夫か?」
「え!?」
「顔が青い」
「……すみません……大丈夫です」
真実が明るみになっていけばいく程、私は自分の人を見る目の無さに絶望し、私が高間さんと仲良くなったせいで父や母は勿論、お店にまで迷惑を掛けてしまっているのだと思ったら悔しくて悲しくて堪らなくなる。
「とにかく、落ち込んでる暇はねぇんだ。悔しい気持ちがあるなら当日、それを本人に直接ぶつけることだな。それじゃあ、俺は帰る」
「失礼致します」
打ち合わせを終えた巴さんと如月さんはカメラを回収すると、早々に引き上げていく。
見送る為に外へ出た私は、一言お礼を言おうと巴さんに声を掛けた。
「あの、巴様!」
「何だ?」
「あの、ありがとうございました」
「まだ片付いた訳じゃねぇんだから礼は早いと思うがな。まあ、その気持ちは受け取っておく」
「はい! 気を付けてお帰りください」
「ああ」
「それでは、当日もよろしくお願い致します」
巴さんは相変わらずぶっきらぼうな物言いだけど、優しさは十分に伝わってきてそれが嬉しくなり、落ち込んでいた心に少しだけ光が灯った気がした。
当日、約束の時間になる少し前に、高間さんがお店へ顔を出した。
今回は高間さんが居る前で新作ケーキの記事を投稿をして、前回のような騒動になった瞬間、彼がどのような反応を見せるのかを確認することに。
その為、巴さんが事前に用意してくれた偽のSNSサイトを開いて見せながら投稿記事を作成して時間になった瞬間に彼の目の前で投稿ボタンを押した。
「どんな反応がくるだろう」
「きっと今回は上手くいくよ」
一旦スマートフォンを彼の視線から遠ざけ、私の手元に持って来てすぐに通知音が鳴り、急いで画面を見ると、【また盗作ですか!?】という内容の返信が。
それを見て戸惑うフリをする。
「何、これ」
「どうしたの?」
「これ……」
勿論この返信は巴さんが操作しているもので、実際のSNSでこのような会話が繰り広げられている訳では無い。
「また、うちと同じタイミングで同じようなケーキが販売されているみたいなんです!」
「え!?」
私の言葉に物凄く驚くような素振りを見せた高間さん。
「これです! この記事にうちの新作と同じ物が!」
そして、高間さんに同じ投稿をしているという記事を見せると、
「本当だ……。しかもこのアカウントのcosmosって洋菓子店は確かRoseの姉妹店……だったはず。何でまた……」
どうしてこんなことになっているのか不思議そうな表情を浮かべている。
でも、肝心なのは、彼の今のその言葉。
今、彼に見せているのは、返信と共に送られて来た画像でその画像というのは、あるお店が発信した新作ケーキの投稿記事なのだけど、よく見るとアカウントの写真はぼんやりと見えるのだけど、アカウント名はボヤけていて、分かっていないとどこのお店のアカウントなのかが分からない状態なのに高間さんは、この記事の発信元がcosmosという洋菓子店だと口にしたのだ。