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実際のSNSでは、cosmosという洋菓子店が新作ケーキ販売開始の投稿をしているのだけど、投稿時間に私の目の前に居て自身のスマートフォンを一切見ていなかった彼が、cosmosが同じケーキを販売しているなんて、知るはずが無い。
知っているのは、cosmosに情報を流した本人が高間さんだから。
「……どうして、このアカウントがcosmosっていう洋菓子店だって……分かるんですか?」
「え?」
私の問い掛けに首を傾げた高間さんは、もう一度目の前にある画像に視線を向け直すと、一瞬動きが止まる。
「どうして、分かったんですか? この画像だと、アカウント名はボヤけていて見えないんですけど……」
そんな彼にもう一度問い掛けると、
「あ、ああ、ぼやけているけど、このアカウントのアイコン写真の外観だよ、これでcosmosだって分かったんだ」
アカウントのアイコンを見てcosmosだと分かったことを説明すると、そこへ、
「それはおかしいな、そのアカウントは俺が作ったもので、どこの洋菓子店のものでもねぇし、cosmosはこんな外観じゃねぇんだがな」
お店の裏で待機していた如月さんと巴さんが私たちの元へ姿を現した。
「巴……様?」
いきなり現れた巴さんに驚く高間さん。
「ゆ、侑那ちゃん……これは一体?」
「巴様に、協力してもらったんです」
「き、協力?」
どういうことかと説明を求められた私は真っ直ぐに彼を見つめながら、
「……情報を横流しした犯人を見つける為の協力です」
はっきりとそう答えた。
「……え? 一体どういうこと?」
この状況下でまだシラを切るつもりなのか、焦りを見せながら再度問い掛けて来る。
「……もう止めようよ、嘘をつくの。理由を教えて……欲しい……。どうして、こんなことをするの?」
「いやいや、こんなことって? 侑那ちゃん、何か勘違いしてるんじゃない?」
「…………」
理由を求めてもそれには答えてくれず、再び言い訳を始めた高間さんに巴さんが、
「いい加減認めたらどうだ? お前が来栖の店の新作ケーキの情報を横流しした犯人だということは調べがついてる。それと、今日新作を発表したのはお前が情報を流したcosmosだけだ。SNSを見たら、早速店でケーキを買って食べた奴が評価を載せていたぞ。クソ不味いケーキだと」
睨み付けるように彼を見据えながら、全てを話すよう促した。
「は?」
「来栖の店では、新作ケーキの発表は無い」
「何言ってんだよ? 侑那ちゃん、さっきSNSに投稿してたよね?」
「あれは、巴様が作ってくれた偽のサイトで、今日までのことは全て、貴方を騙す為の、お芝居です」
「なっ……」
私の告白に流石の高間さんも唖然としているようで、開いた口が塞がらないような状況だった。
そんな中、彼のスマートフォンには誰かから連絡が来たらしく、ポケットからスマートフォンを取り出して相手を確認すると、面倒臭そうな表情を浮かべながら舌打ちをした。
そして、
「――はぁ。バレてねぇと思ったんだけどなぁ。上澤家を味方に付けるとか、どこまで人を馬鹿にすれば気が済むんだよ。ったく、イラつくなぁ」
もう逃れられないと観念した高間さんは本性を表した。