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「ここが香取会社か…」
猫子の会社は、大手金融会社。
猫子の父親の子会社。
子会社でも金融会社の上位になるほどの大手だ。
今日、真白は社長の秘書になるため、猫子の会社に見学に来て環境になるべく早く慣れるように勉強として来ていた。
真白は猫子の仕事を見学として後ろからついて行き、主にする仕事を猫子に教えてもらっていた。
猫子は近くに人間を置くことは今まで全くなく、社長としていつも目立っているが、真白がそばにいることによってさらに目立っていた。
「あの人、誰だろう…」
「社長が近くに人を置くなんて珍しい…」
こそこそと好奇の目を目を向ける人が多かった。
「あの…なんか見られてますね…」
真白が少し困った様子で猫子に視線を向ける。
「嫌ですか?私が人を近くに置いていることが珍しくて見ているだけですよ。嫌なら視線がないところに行きますか。」
猫子が淡々とした口調で真白の手をぎゅっと握り、引っ張って歩き出す。
「え?!気になりますがそこまで嫌ではっ…」
いつもより低い猫子の声に真白は気付き、顔を伺う。
「私が嫌なんです。真白さんをジロジロと見られていることが。」
社長室に着き、猫子がドンっ!と真白を壁に追い詰めて片手を壁につく。
いつもと違う真白の様子に真白は目を泳がせる。
「社長…?どうしました…?」
猫子は目元をピクピクと痙攣させ、嫉妬と怒りに耐えている様子。
「気を付けてください。真白さんは…真白さんが思うよりも人に好かれやすいんです。あなたは、私だけを見ていればいい。」
声色と鋭い目つきで恐怖にぶるぶると怯え、震えている真白の手を猫子は優しく掴み、自分の頬にそっとあてる。
「私が…怖いですか?恐怖に怯えている顔も、可愛いですね。そんなに怖がらなくても、危害は与えないのでご安心を。」
さっきの声色とは変わり、落ち着いた優しい声で真白の頬を撫でる。
だが真白はその声の奥に潜んでいる尋常じゃない狂気と執着に気付き、怯えている。
「社長…どっ、どうしたんですかッ?」
あまりのオーラと恐怖に真白は声を裏返らせ、怯んでいる。
「私の…私だけの…秘書ですよね?」
“はい”と答えなければどうなるかわからない状況。猫子の声は少しの恐怖で心なしか震えている。表情はいつも通り貼り付けた笑顔を固定している。
「は…い…俺は…社長のものです…」
真白は猫子の深い闇のような目から目を離せない。離したら、襲いかかって来そうな勢いで、猫子はジッと真白の目を見つめている。今、真白は猫子に完全にコントロールされている。もう逃げる術はない。
「よくできました。いい子ですね。」
猫子は歓喜に震え、ぎゅっと真白を抱きしめた。真白は、猫子に怯えていたはずなのに、自分への深く消えない執着に気づいた時からずっと“自分を死んでも愛してくれる”と信じ、その膨大な愛に溺れていた。
コメント
1件
このエピソード、めちゃくちゃ引き込まれました…!猫子さんの「私だけを見ていればいい」って台詞、表向きは冷静なのに奥底に狂気と執着が滲んでいて、背筋がぞくっとしました。真白さんが怯えながらも「社長のものです」と答えるシーン、もう完全に共依存の罠に落ち始めてる感じがして、読んでて切なくもあり、この歪な関係がどう転ぶのか気になって仕方ないです。設定も人間関係の設計も丁寧で、続きが本当に楽しみです!