僕はあの場にいて見てたわけじゃないから詳しくは分からない。
今から話すのは、私が竹谷クンから聞いた話だ。
5年前、君たち5年生が学園長の命によりとある城に忍び込んだ。
その城の名は毒霧城。
村々から食料をしぼり取り、無差別に人々を殺していく悪名高い城として有名だった。
最初は順調だった。任務も無事成功し、あとは学園へ帰るのみ。
しかし、竹谷クンが敵に見つかって捕まってしまった。
君たち四人は竹谷クンを助けに行った。そして、
死んだ。
「え、」
四人のうち誰から発されたかは分からない。が、場の空気が凍りついた。
毒霧城が近くにいるという情報を聞き僕達タソガレドキが来たときには、すでにこときれた君たち四人と数人の忍び達そして、大火傷を負った八左ヱ門クンしかいなかった。
僕達は八左ヱ門クン、君達の遺体、忍び達の遺体を持って帰った。
僕達は八左ヱ門クンを治療し、彼は3日後に意識を取り戻した。とてもひどい状態だったから意識を取り戻したのはほぼ奇跡に近かった。
彼は状況を飲み込むのが早かった。
「嘘だ!そんなことない!」と、喚くこともなく現実を受け止めた。
そこから彼の行動は早かった。
彼は君達四人の遺体をとともに持って帰ってきた忍びの遺体の中から自分に一番体格の似ている遺体を燃やすように言った。そして、君達四人の遺体とともに燃やした遺体を学園に送るように言ってきた。
「っ!それって!」
「あぁ、彼は自分の死を偽装した。」
そして僕に忍術を教えてほしいと言ってきた。
ーもう、あんな思いをするのはゴメンです。大切な人を守るために、失わないために、俺に忍術を一から教えてください。ー
そういった彼はとても恐ろしかった。
希望に満ちていた瞳は真っ黒で、何もうつしてはいなかった。
憎しみに濡れた瞳だけがそこにあった。
君たち四人の死から、彼は大きく変わった。
僕は僕の持っている知識をすべて彼に教えた。
僕の教えたことを次々に取得していった彼は、僕たちの世界、つまりここから5年後の世界では、死神とまで呼ばれるようになった。
どんな難関な任務も完璧に終わらせてしまう。
一人で。
左半身が弱体化しているというハンデを持ってしても、彼は最強と謳われている。
コメント
3件
続き楽しみにしてます!