「このチームはもう負けられないよ」
久遠は皆にわかるように説明する
「次のチームY戦。絶対に負けられないよ」
(これからは勝ち続けないと…)
勝ち続けるのは難しい
どこにいても、強いやつは必ずいる
勿論。負ける可能性の方が高いだろう
だが、勝った時の成長量は計り知れない
今やるべきことは、それぞれの武器を完璧に扱えるようになることだろう
「とりあえず、皆は自分の武器を磨こうか」
はい、練習練習!久遠の声と共に人は雪崩のようにトレーニングルームに移動する
(僕がするべき事は…)
体を柔らかくすること
問題はどこでやるかだ
皆がトレーニングをしているであろう部屋で潔はやるべきか
皆が自分の場所を欲しがっている中、潔はその限られた場所を使っていいのか
こういう時に潔は深く考えてしまう
それは短所と言えるだろう
(コートにでも行こうかな)
潔はそう考え、コートに移動する
直後。正面から声が聞こえた
「ん?潔もコートでやんのか?」
その声の正体は__
「國神くん…!」
國神蓮介だ
「丁度いい。手伝ってくれ」
「わ、分かった」
意外と押しが強い國神である
「練習試合だ」
「うん…!」
(僕にできることは余りないけど…)
やるからには、全力で。
それが潔の座右の銘と言ってもいいだろう
「スタート」
國神の武器はミドルシュート
遠距離からのシュートも十分できるだろう
(とりあえず…)
潔はボールを奪い、そのままゴールに進む
元々、潔のサッカープレイは上手いものであった
それが高校で封じられただけ
ここ。ブルーロックではそんな事は関係ない
(シュートっ!)
潔がゴールに向かいシュートを打つ
だがそれも國神の長い手足で阻止される
「ここまで来たんなら俺の勝ちだ」
國神のシュート圏内
速度は落ちずにゴール
「凄い…」
「お前もな。潔」
「ぁ、ありがとう!」
にへ。と柔らかい顔で國神を見つめる潔
國神にクリティカルヒット
「そ、うか…」
少し顔を赤く染める國神に疑問を向ける潔
だが、これが潔の平常運転である