初めに
・タヒネタありです
・今回さっくんクズキャラです
・更新ペース遅くて申し訳ないです
・以上が大丈夫な方のみ
佐久間への背中からの愛
『○○』 「💗」
今、私の人生は幸せだ
かっこいい彼氏
仕事も順調
金銭面でも問題は無い
彼氏の浮気性を除いては、とても幸せだ
朝、目が覚めて隣を見るとやはり彼の姿は無い
机にはお決まりの置き手紙
︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎行ってきます︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎
なんて、もう見飽きた
どこに行くかも、いつ帰ってくるのかも、何するのかも書いてない
どうせ書けないからだろう
よその女と欲を満たしてくるなんてこと
これだけが私の唯一の悩みなのに、別れるという選択肢は私の中には無い
別れたってどうせ彼のことが忘れられなくなる
帰ってきたら都合のいい言葉で言いくるめられておしまいだ
「ただいまぁー」
『おかえり』
「にゃす、今日はテンション低いですなー」
『どこ行ってたの』
「んー?仕事」
『あーそう』
「んー、どうしたの?」
『べつに』
「ん、」
私がテンション低くてもこれだけ
あなたがいつも会ってるあの女がテンション低い時は多分慰めてあげるんだろうな
『もう寝るから』
「えー?佐久間さんがお風呂あがるまで待っててくれないのー?」
『待つわけないでしょ?』
「…その反応、もしかして怒ってる?」
「もしかして、気付かれちゃったとか?」
『逆になんで隠し通せると思ってるの』
『これで何回目?』
「ごめん、本当に。反省してます」
『聞き飽きた、その言葉』
『凄いでしょ、その言葉聞くのこれでちょうど15回目なの』
『10回記念お祝いできなかったから、今度こそお祝いしなきゃね』
「…あんまり、お祝いして欲しくないかも、それ」
『こうさせてるのはどっちよ』
「ごめん」
『てことで、もう寝る』
「ねぇ、ごめんね?」
「本命は○○だけなんだからさ、怒んないでよ」
『そんな言葉で私が喜ぶとでも思った?』
「別れたい?」
出たよその言葉
私が別れたいとか言わないことをいい事にさ、
それももう聞き飽きた
もう、別れたいとか言ってみようかな
そうしたら、私の事すぐ捨てるのかな
それとも、冗談とかはぐらかして来るのかな
どっちにしろ、
私にそれを確かめる勇気は無い
『やめて、その質問』
『お願いだから寝させて』
『今気分悪いの』
「…はーい」
今日は珍しく寝させてくれた
いっつも私に浮気がバレたら身体のあちこちを触って
夜のアレを誘ってくる
そうすれば私が許してくれると分かってるから
1回目の浮気の時にそれで許してしまった
それで味を占めたのだろう
でも、今夜はそういうのが無かった
捨てられても、もう次の行き先がいるからどうでもいいという間接的なメッセージだろうか
あーあ、
付き合いたてはこんなじゃなかった
仕事に行ってくる時も、ギリギリまで引っ付いてきてさ
料理中も邪魔なほど引っ付いて離れなかった彼
今となっては、捨てられないように私が必死にしがみついてる状態だ
バカみたい
1方向の愛なんて、そう長くは続かないことなんて、分かってるのにさ
多分、このまま続いても、結婚の話とかまでは行けない気がする
子供でもできてみろ
ことごとく捨てられる気しかしない
彼女がこんなこと言っちゃダメだけど、
アイツはそういうやつだ
「ねー」
「起きてる?」
「てか、起きてなくても起きてよー」
「ねぇってば、」
『…』
寝させてよ
アンタの顔見たら虫唾が走る
それに、今アンタの顔見たくないのは普通に浮気のこと思い出すから
だから話しかけないで欲しい
それなのに
「佐久間さんお風呂あがったぞー?」
「起きてってば」
『…』
うるさいな
あがったならそのまま寝ればいいだろ
なんで起こす必要がある?
「もー、寝たフリ気づいてるぞ!」
「起きて!」
『気付いてるなら尚更寝させてよ 』
『私はあんたとの生活のためのお金を明日も稼ぎに行かないと行けないの』
『分かる?意味』
「ごめんってー」
「でもさ、寝る前に話したくてさ」
『何、別れ話でもするの?』
「まさか、そんな訳」
『じゃあ何』
「さっきのこと、謝りたくて」
『いいって、もう』
『謝ったってまたするんだから』
『だったらほんとに最後って時だけ謝って』
『またするつもりなら謝らなくてもいい』
「ほんとに最後!もうしないから!」
「ごめん、ね、これで許してよ」
そう言って布団をめくって隣に寝てくる
今回は誘惑に負けないように短パンだったパジャマを長ズボンにして、
肌の露出を、最低限に抑えている
『何、隣に来て何するの』
「パジャマ、長ズボンにしたんだね」
「なんで?」
『浮気される度に夜のアレで許すから』
『毎回誘惑に負ける自分が嫌になった』
「俺、足好きだったのに」
『私の足はあんたのためのものじゃない 』
『軽々しく好きとか言わないで』
「ごめん」
『もう寝させて、お願いだから 』
『本当に明日朝早いの』
「分かった、また続きは明日言う」
『あっそ、聞く気は無いけど』
「ははっ…ひどいなぁ」
『どの口が言ってんだか』
そう言って、朝まで眠った
たまに布団の中で動く彼で目が覚めたけど
浮気された日は大体眠れない日が続いてたのに、
今日はやけにぐっすり眠れた
まぁ、15回も続いて慣れないやつはいないか笑
現在時刻は17時
いつもより早く上がれそうだ
今日は何かいい気分
仕事がスムーズに進んだ
今日は何か手のこった晩御飯でも作ろうか
アイツにじゃない
自分へのご褒美として、だ
いつものスーパー
安売りのやつを厳選して買った
今日はハンバーグでも作ってみよう
肉が無い
昨日たしか、使ったから
でも、必要ない
お肉は今日、調達するし。
店を出れば、
隣には服屋やブランド店が並ぶ
私には無縁のお店
やっぱり居た
見慣れた背中
ピンクの派手髪
相変わらず、隣に女連れて
最後って言葉、知らないのかよ
私に最後にプレゼントしてきたの、
なんだっけ
思い出せないほど長い間何も貰ってない
もういい
見れば見るほど疲れてくる
帰ろう
ご飯作って気分をあげよう
玉ねぎ切って、
パン粉を用意して、
でも、肉が無い
「ただいまー、」
『おかえり、待ってた』
「んー?俺を?待ってたの?」
『うん』
『晩御飯作ってたからさ』
「味見?笑」
「でも見た感じまだ完成してなくない?」
『完成のためにあなたが必要なの』
「え?」
『まぁ、気にしないで』
「おっけ、」
『私も鬼じゃないわ』
「?」
『正直な人が好き』
「どうしたの、急に」
『今日どこ行ってたの?』
『その回答次第であなたは晩御飯の完成に必要なくなる』
「なに、どゆこと?」
『いいから、どこ行ってたの?』
「あー、ちょっと友達から相談受けてた」
『やっぱりあなたは必要』
「えー?どゆこと?」
ハンガーに着ていた服をかける君
そっと君に包丁を刺した
背中から
じっくりと
これがあなたへの最後の愛
背中から感じてね
もう耐えられない
ハンバーグ完成
『ん、美味し』
『意外と行けるのね、このお肉』
『でも、処理が大変ね、このお肉』
放っておけば浮気するあんたは、
一生私の中に閉じ込めておいてやる
コメント
2件
なんだかんだいって、いい人だなって思ってたらまさかの最後で怖すぎやろ
タイトルの"背中から"の意味タイトルだけだと分かんなかったけど最後の方で分かったわw 💗くんはクズだけどその子(私)はサイコやな(((((