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DAN!DAN!EBIDAN! 1/8放送分
「プライベートフォト選手権!」より
😋×🐱
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🐱side
その話題が出たのは楽屋がひと通り静かになってからだった。
fmy「……今日のダンエビさ」
ふみやが何気ないトーンで切り出す。
fmy「ゆうまくん、後輩に結構言ってたよね」
その一言で肩がわずかに揺れた。
ym「……あー、まあ」
「ちょっと舌が回って感じではあったけど」
「でも」
鏡の前で前髪を整えながら笑ってみせる。
ym「番組的には正解でしょ?」
fmy「うん」
即答だった。
だからこそ次の言葉が刺さる。
fmy「でも、ちょっと気にしてるでしょ」
ふみやは見透かすように言った。
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廊下に出ると夜の空気がひんやりしていた。
fmy「送るよ」
ym「え、いいって」
fmy「俺がそうしたいだけ」
そう言われると断れない。
二人並んで歩く帰り道。
しばらく会話はなかった。
fmy「さっきのさ」
ym「……うん」
fmy「後輩の反応、覚えてる?」
少し間を置いてから頷く。
ym「……少し怖がってた」
fmy「だよね」
ふみやの声は責める色がなかった。
fmy「でもさ」
ym「……」
fmy「あれ、悪意じゃないの分かる」
足を止めた。
ym「ほんと?」
fmy「うん」
ふみやも立ち止まる。
fmy「ゆうまくんってさ」
「後輩が調子乗ってるとかじゃなくて」
「潰れそうなの、見逃せないタイプでしょ」
ym「……」
図星だった。
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fmy「優しいって言われるの、嫌いでしょ」
ym「……嫌い」
fmy「だから、強い言い方する」
ふみやは静かに続ける。
fmy「舐められないように」
「距離取るために」
「自分が悪者になっても」
何も言えなかった。
fmy「でもさ」
一歩、距離が近づく。
fmy「後で一人で反省会するところまで含めて、ゆうまくんだよね」
その言い方が、あまりにも的確で。
ym「……見すぎ」
fmy「付き合い長いから」
ふみやは小さく笑った。
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fmy「俺さ」
ym「うん」
fmy「今日のあれ、嫌いじゃないよ」
意外な言葉に顔を上げる。
ym「え」
fmy「ちゃんと本気だったから」
ふみやの視線は、まっすぐだった。
fmy「適当に笑い取る毒舌じゃなかった」
ym「……」
fmy「ちゃんと、相手を見てた」
胸の奥が、じんと熱くなる。
fmy「でも」
ym「……」
fmy「気にしすぎるなら、俺の前では吐き出していい」
そう言って、ふみやは俺の手首を軽く掴んだ。
強くない。
でも、離す気もない力。
fmy「言いすぎたなって思う夜ほど」
ym「……」
fmy「一人で抱えないで」
距離が近い。
呼吸がぶつかりそうなほど。
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ym「……ふみや」
fmy「なに」
ym「それ、優しすぎ」
俺がそう言うと、ふみやは少しだけ目を細めた。
fmy「好きな人には、甘くなるタイプなんで」
ym「……え」
冗談みたいな口調なのに、視線は冗談じゃない。
ym「今の、どういう意味?」
fmy「どう取ってもいいよ」
そう言って、指先が俺の顎に軽く触れる。
fmy「ただ」
「今日みたいに、誰かにきつく当たったあとで」
「自分のことまで嫌いになりそうなら」
低い声で、囁く。
fmy「俺がちゃんとゆうまくんを肯定する」
唇が触れそうな距離で止まる。
それ以上はしない。
でもそれで十分だった。
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マンションの前。
ym「……後輩達に明日フォロー入れようかな」
fmy「それでいい」
ym「ふみや、ありがと」
fmy「どういたしまして」
手が離れる。
名残惜しそうに。
fmy「またなんかあったら」
「連絡して」
少しだけ笑って。
fmy「今度は もっと近くで聞くから」
その言葉を残 してふみやは背を向けた。
しばらくその場から動けなかった。
——自分の裏側まで、ちゃんと見てくれる人がいる夜は 少しだけ楽になる。