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 岐阜県◯◯市に住む森さんは、小学校で非常勤講師として働いている。

「非常勤なので子供たちと過ごす時間は短いですが、中々やりがいがあるんですよ。ただ…」

その後こう続けた。

「私、昔から人の顔を覚えるのが苦手で、子供たちの名前は覚えているんですけど、どうも顔がピンと来ないことが多いんですよね。」

人の顔を覚えるのが苦手な人なんて沢山いる。そんなことは問題ではない。この出来事の奇妙な部分はその後だ。

「昨年から、ですかね。夢で見るんです。えぇ、これから会うはずの人の顔を。どんな夢かは覚えていないんですけど、なんとなく、人の顔だけが強烈に思い出されるような、そんな夢…だったような。」

予知夢とは違い、夢の内容までは覚えられない、顔だけが鮮烈に浮かび上がる夢。とても不気味だ。

「不気味ですよね。(笑)でも、その夢のおかげで子供たちとより仲良くなれた気がして、本当に良かったなって思うんです。最近はちょっと頼りすぎかなって思う時もあるんですけどね。(笑)」

翌日のニュースで、こんな1報があった。

『岐阜県◯◯市の20代男性が顔面を切り裂かれ重症』

人の顔は人を判別する上で非常に重要な役割を担っている。たとえば、大切な人の顔は絶対に忘れてはいけない記憶となるし、1度しか会わない人の顔は時期に忘れる。知らない人の顔は最も知ってすらいないだろう。

私たちがこれから出会う全ての人の顔を知った状態だとしたら、知らない顔があった時、予期せぬ出来事としてどう対処するのが正解なのだろう。逃げる、話しかける、それとも。

出会いを無かったことにするには、記憶と顔が一致しないようにするのが手っ取り早いのだろう。

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