テラーノベル
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「蘇ったのは理想郷。
光で生きるか光で死ぬか。
闇で生きるか闇で死ぬか。
お前はどうする…。」
「りと…?起きて。
大丈夫だよ。にーや。」
「あ、璃時起きた!」
周りの景色は、怪物と戦っていたときのままだった。なんなら大蛇の死体が横たわっている。
どうやらあの後、少しだけ気を失っていたらしい。
そして、テトにおぶわれていた。
…とても恥ずかしい。
「あの、下ろしてくれないか?」
「ダメだよ!どうせ強がってるでしょ!」
「…あの」
「怪我してるんだ、安静にしておけ」
確かにそうだ、恥ずかしいとか考えてる場合じゃない。
「リノアルは?」
そう聞いた瞬間、エドは顔を逸らした。
「そ…その…、それより安全な場所を探そう。
そうだ、使われてない地下駅があった。そこに行こう!」
エドの代わりに、テトに聞く。
「テト、どうなんだ?」
「リノアルはもういない。」
これ以上聞くことはない。
俺達は地下駅に来た。
暗く静まり返ったホームに、自分達の足音だけが寂しく響く。時計は午前2時を指していた。
カタカタと頼りなく点滅する電灯の下、テトの背中から、俺はゆっくりとベンチに下ろされた。
そこで気づいたが、取れたはずの右腕が付いていた。
痛みなどはなく、動かせるし、しっかりと感覚もある。
「…腕がある?」
「そうそう!腕を肩に近づけたら、なんか磁石みたいにくっついたんだ!」
エドが少しはしゃぎながら話す隣で、テトは至って真剣だった。
「きっと何らかの能力だ。下手すれば何が起こるかわからない、とにかく気をつけることだ」
それを聞いたエドは「あっ」という顔をして、はしゃぐのを止めた。
「そうだね、気をつけないとだね…」
「それで、能力って?」
テトは左手をズボンのポケットに突っ込んだ。
「俺も詳しいことまでは分からない。
ただ、もしかすると再生系の能力かもしれない。それなら目が治ったことにも説明が付く。
それ以外の能力だった場合、俺にはもうわからない。
だからこそ気をつけろ」
テトにしては投げやりな回答だった。でも、本当に再生系の能力なら、あの力は一体…。
「わかった…」
「それにしても、寄生からの侵攻がここまで早いとは…」
テトはボソッと呟いた。
しばらく休んでいると、何やら地上が騒がしくなってきた。
そういえば、大蛇の死体投げっぱなしだったな。警察とか、報道とか来ているのだろうか?
耳をすませると、様子がおかしいことに気づいた。
「神は導いてくださった…
次の神は願いを叶えてくださる…
願いを捧げよう…捧げよう…」
その合唱はだんだんと大きくなり、ホームまで響き始めた。
エドは焦りながらも小声で捲し立てた。
114
#挿絵
KEY-STU
26,528
733
#切ない恋
きなこもち
200
「ヤバいって、これヤバいって!逃げよう!」
「エド、出口はどこだ?」
「こ、こっち!」
俺達は足音をなるべく立てないよう、慎重に走った。
「そこにも誰かいたらどうする?」
「怖いこと言わないでよ!」
「あとは打ち合わせどおりだ、頼んだぜ兄貴、そして新入り!」
「うん」
「おうよー」
「出口だよ!」
「まて、誰かいる…」
エドが階段の上を指さした。その先に人影が見えたので、すかさず静止する。
「止めてくれなきゃ危なかった…、なんだろう?」
こっそり声が聞こえる距離まで近づいてみると、とても棒読みの2人が揉めていた。いや、揉めていると言うより芝居っぽい?
「オマエがカミをころしたのかー!」
「違う、違うー!オレちがう!」
「いーやゼッタイオマガヤッタ!」
「うわー助けてー!」
「まさにパーフェクトな演技だ!
…あいつら反応薄いなぁ…」
「えぇ?なにあれ?」
「璃時、俺だったら無視すると思うが、どうする?」
「…話しかけてみるか。いいか?」
「まぁ…」
「注意しろ」
テトの忠告に頷き、話しかけるために前に出た。
「なぁ、あんたら何してるんだ?」
「襲われてるんです!助けてください!」
しばらく謎の沈黙が流れた。
「よし。作戦A、拘束の準備できたぜ。
壊されたりしたら、逃げるしかないから、慎重にやらないとな」
「…」
「後ろだ!」
テトがそういった直後、逃げる暇もなく腕に何かが飛んできた。感触は砂に近かった。
「なにっ!?」
「砂鉄!?」
テトは砂鉄をかわし、俺たちから距離を取った。どうやら、状況を切り抜けたのはテトだけのようだ。
コメント
1件
第4話、読み終えたよ〜!😭💕 まず腕が再生しててビックリした!「磁石みたいにくっついた」ってエドの言い方、ちょっと可愛くてツボった笑 でもテトの真剣な忠告で空気がピリッと変わるところ、すごく良かった。 そして地上から聞こえてくる「神は導いてくださった…」の合唱、不気味すぎて鳥肌たったよ…!!💦 最後の砂鉄で拘束される展開、まさかの窮地で続きが気になりすぎる…!次回も楽しみにしてるね🌸