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「きょも」攻×『こーち』受 「ほくと』 ⦅こーちの両親⦆
前回の挨拶から一週間後の、髙地家での出来事。
ようやく一息つき、お茶のおかわりが運ばれてきた時でした。
北斗は相変わらず、完璧な角度で椅子に座り、周囲に隙を見せません。
大我はそんな北斗を「チッ、またすまし顔しやがって」と忌々しく眺めていました。
ところが、こーちママがニコニコと北斗の前に小皿を置いた瞬間、空気が変わりました。
⦅松村さん、お疲れ様。これ、うちの庭で採れたイチジクで作ったジャムなんだけど、食べてみて。……あと、これもお近づきの印に⦆
差し出されたのは、年季の入った[豆柴の形をした手編みのコースター]でした。
その瞬間、北斗の指先が微かに震え、眼鏡の奥の瞳が大きく揺れ動きました。
「…………っ、これは……』
⦅あら、松村さん。あなた、本当は[丸いもの]と[柴犬の尻尾]に目が無いでしょ?⦆
こーちパパが、新聞を読みながらボソリと付け加えました。
⦅優吾が言ってたよ。松村くんは、会社の会議中に丸いクリップをずっと並べてるし、散歩中の柴犬を見ると、電柱の影から「……尊い』って呟いて動かなくなるって⦆
「なっ……!?北斗、お前……!!」
大我が椅子から転げ落ちそうになりながら叫びます。
「お前、あんなにクールぶってて、実は[丸いものフェチの柴犬オタク]だったのか!?」
「…………。それは、その、造形美としての……』
北斗は顔を真っ赤にし、必死に言葉を紡ごうとしますが、こーちママが追い打ちをかけるように[柴犬の赤ちゃん]の動画をスマホで見せました。
⦅ほら、これ。お尻がプリプリしてて可愛いでしょ?⦆
「……っ、ふぅ………………っっ!!』
北斗は突然、深く長いため息をつくと、デスクでは絶対に見せない[ふにゃふにゃの笑顔]を浮かべ、スマホの画面に吸い込まれるように身を乗り出しました。
「……素晴らしい。この、巻き尾の角度……弾力……。まさに芸術……』
もはや「有能な秘書』の面影はありません。そこには、推しを前に理性を失った一人の青年がいるだけでした。
『大我さん、見た?松村くん、本当はこんなに可愛い人なんだよ』
髙地がクスクス笑いながら大我の肩を叩きます。
大我は、完膚なまでに[親の愛]に敗北した北斗を見て、確信しました。
(……この家、最強だ。俺の弱みも、北斗の弱みも、全部筒抜けじゃないか……!)
結局、その日の後半は[北斗による柴犬の魅力プレゼン]と[こーちママの自慢料理]で幕を閉じました。
帰りの車中、柴犬のコースターを胸ポケットに大切にしまい込み、終始ぼーっとしている北斗を見て、大我は「これからは、お前のことも優吾の親父さんに頼めば一発だな」と、新しい攻略法にニヤリとするのでした。
ど〜も〜𝓡𝓲𝓷で〜す!!
凛の中では、第15話で一旦プレジデント・フェイバリットを終わりにしてるんですけど、もし、
「こんな続き見たいよ」とか、「番外編が見たい!」とかご要望がありましたら、コメントを気軽にしていただけると嬉しいです!
それでは、以上、𝓡𝓲𝓷でした〜
ばいば〜い👋🏻
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