テラーノベル
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マルク
「マホロア……」
最近はもう諦めてしまったのかもしれない。
ずっと涙しか出ず、何の気力もない。
呼びかける回数が減っている。
名前を呼ぶ声が小さくなっている。
それでも毎日話しかけてしまう。
久しぶりに、
マホロアに掛けていた毛布を除ける。
あれ、ポケット。
膨らんでたんだっけ?
思い返してみれば、マホロアに夢中で
服などは見た記憶がない。
ポケット、何で膨らんでいるのだろうか。
取り出してみる。
あんな小さなポケットに二つも入っていた。
マルク
「………?オレの、人形?
ボロボロだな……」
ボロボロ。だけど長年手入れしていたのか
状態はとてもいい。
それに見るからに手作り人形だった。
あ、昔……
オレが作ってやったやつだ。
こんなに出来の悪い物を
マホロアは持ち歩いていたのか。
多分、マホロアが作った方が
綺麗になるだろうに。
もう一つはあの時渡したスマホ。
当然のように使える。
開けるだろうか?
あ、パスワード………
適当に頭に浮かんだ数字を入れてみた。
マホロアの誕生日。
ハズレ。
マルク
「まあマホロアはこう言うのしないか」
もう一つはーーーー。
なぜこの数字が浮かんだか
はっきりしないまま入力した。
開いた。
でもなぜ?
なんでーーーー?
マルク
「………オレの誕生日……ーー月ーー日だな」
開いたからと言って何を見るとかは
何も考えてなかった。
最初に目に入った設定を開いた。
容量マックスじゃねぇか。
マホロアは機械類の整理は大得意だ。
ここまで放置するわけない。
それに512GBだぞ?
マホロアだってスマホ如きで
500は要らないと言っていたではないか。
写真フォルダが多すぎる。
どうしてこうなっているんだ?
写真フォルダを開いた。
103時間の動画がある。
バッカじゃねぇの!
そんなに動画撮らねぇだろ!
日付は……
マホロアが、死んだ後の日付だ。
何言ってんだ、オレ……。
マホロアが、死んだ後だぞ?
もしかして、マホロアが日付を弄った?
………再生ボタンを押した。
〜〜〜〜
マホロア
『これでいいのカナァ?』
『何か変な感じするネー』
『遭難しちゃったカラ、
昔、マルクに言われた通りに
動画回してるケド……』
『ワーイ、見てる?』
『……マァ、どうせ後で消すんだけどネェ。
だってマルクが迎えにきてくれるモノ!』
『魔力切れツラーイ!
あんなに強いんだったら言ってくれても
良かったノニ!』
『イッテテ………ヤバ、左手動かないカモ……
こ、これ治るヨネ?』
『17から障害持ちとか勘弁シテ?』
『魔力戻ったら真っ先に体治ソ……』
『ウー……暇ダ…………つまんなーい!
マルクがいつも退屈なのって
こう言う感じなのかナァ?』
『早く来てくれるといいナァ』
〜〜〜〜
マルク
「マッ………うぅ…………」
〜〜〜〜
『見て見て〜、ここ変な空間だヨォ〜。
異空間とかなのかナァ』
『逆に助かったカモ。
強盗とか居ない土地で。』
『今のボクならもう、
真っ先に襲われちゃうからネ!』
〜〜〜〜
『少し、魔力戻ってきたカモ……
え、どうしようカナ。
体と左手。流石に体が先でいいヨネ?』
『えいやっ』
『少し、痛み引いたカモ。
この調子でマルクが来るまで待つゾ!』
〜〜〜〜
『アレ?これ………異空間に入れてたやつ……
魔力切れで落っこちちゃったのカナ』
『マルクの人形ダ〜!
入れてたネェ、そう言えば。
これで寂しさ無くすンダ!』
〜〜〜〜
『アレ、動画時間、24時間超えてるジャン……
ソッカ、異空間と現実じゃ、
時間の歪みがあるんダッケ……?』
『だ、大丈夫大丈夫!マルクなら、
絶対助けに来てくれるモン!』
〜〜〜〜
『ふぁ……眠い……
デモ、寝ちゃダメ………』
『いっその事、動こうカナァ……』
『うん、目立つ場所に行った方が、
きっとマルクも見つけやすいヨネ!』
〜〜〜〜
『も、もう30時間?
まだカナ?』
『も、もしかしたら現実時間じゃ、
1分も経ってないトカ?』
〜〜〜〜
『もう、40時間……
もしかして、マルクとカービィ達、
戦ってるんジャ………』
『だ、だとしたらどうしようカナ……』
〜〜〜〜
『ボクが、喧嘩売らなければ
今マルクと遊べてたのにナァ……』
『寂しいヨォ……マルク………』
〜〜〜〜
『ごめんナサイ
ごめんナサイ
ごめんナサイ……』
『喧嘩しちゃってごめんナサイ……
調子乗ってごめんナサイ………
ボクなんかが宇宙トカ、
でかい事言ってごめんナサイ……』
〜〜〜〜
『マルク、怒ってるのカナァ……
こんな悪い子なボクに………』
『だから助けに来ないノ?』
『謝るカラ……マルクに会いたい…………』
『マルク、マルクを一目見たいノ……』
『ボクが悪い子でごめんナサイ……』
『魔術下手でごめんナサイ……』
『昔料理焦がしちゃってごめんナサイ……』
『昔マルクにイタズラしちゃって
ごめんナサイ………』
『マルクが嫌がってたのに
一緒に寝てごめんナサイ………』
『嫌がってたのに
毎回飛びついてごめんナサイ……』
『ボクのせいでマルクの評判下げて
ごめんナサイ……』
『マルクを好きになったのが、
ボクなんかでごめんナサイ!』
『マルクに告白すれば良かッタ……
悔いがないように生きれば良かッタ…』
『マルクに迷惑ダカラって、
20歳までは我慢って思ったカラ、
バチが当たったンダ………』
『ごめんナサイごめんナサイごめんナサイ
ごめんナサイごめんナサイごめんナサイ』
『マルク……ボクなんかを拾ってくれて
アリガト……』
〜〜〜〜
76時間付近から声が聞こえなくなった。
78時間付近からは息すらも聞こえなかった。
残りの103時間まで何も聞こえなかった。
“オレの声すら”。
マルク
「………………………………」
「謝らせて、ごめん」
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コメント
3件
うおおおおおおお!!! キタキタキタキタああああ!!! 一番好きな回! このマルク過去編は次回最終回とさせていただきます!