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何故、最初に浮かんだのはそんな言葉だった…
何故、そこにいる?何故、生きている。
死んだはずだ、俺が殺したはずだ…俺が、首を斬った…のに
そう思ったのは俺だけじゃなく、先程まで真選組と言い合っていた
高杉とヅラ、辰馬も同じような顔をしている…は?と、
そして当の本人は困った笑顔で立っている
最初に動いたのは―高杉だった―
「先生!なんで!」そう言い放つ高杉の顔は今にも泣きそうだ
あぁ、俺も泣けるのか…なんて呑気に考えていればヅラも走っていく
「先生!俺達は何も…!」
ヅラも泣きそうな、辛そうな顔をしている
俺はどんな顔してるんだろうな…同じかな、でも俺は……
「ふふ、全く…困った子達ですね」
松陽のその顔が昔の記憶を呼び起こす
駆け寄りたくなった、でも…伸ばしかけた手を押し込めて
零れそうな涙を押し込んで、俯く、
俺に、資格は…ない、その隣に行ってはいけない。
触りたい、話したい…でも進んではいけない
その先は…不幸を呼び起こす。笑わせたいなら…離れるのだ
そう思い一歩足をひく、みんなが不思議そうな顔で見ている
あぁ、思い出してしまう、あの日々を
俺が何よりも望んでいたあの日々を
もう一度…あの日々を送りたいと…でも、あの日々を終わらせたのは
紛れもない俺だ、だから、俺は…息を呑み、背を向けようと
決意した…でも、それを止めたのは、辰馬だった
「金時」ゆっくりと顔をあげる、きっと今、情けない顔をしている
「どこ行くつもりじゃ」 少し怒ったような声で言われた
俺は言えるか?どこにも行く宛なんてない、死ぬつもりだったなんて
言えるわけない。怒られるだろう、そう思えば自嘲気味な笑い声が
溢れる、「ハハッ…さあな…」俺が気づかないうちにすでに限界だった
のかも しれない、心が壊れそうな気がした…もう顔をあげれないだろ
う…上げてしまったら、押し込めたものが溢れてしまう気がする
「もう、終わりたいんだ」その言葉に皆反応した
そうか、まだみんなは俺を…でも、もう、疲れたんだ、終わらせたい
「松陽、もう、約束は、いらないだろ?こいつらがいるだろ?」
「俺である必要はないだろ?だから、さ、最後くらいは…」
「褒めてよ、」震えた情けない声で顔をあげる
もう枯れたと思っていた涙は頬を伝って流れていく
松陽は少し驚いたような顔をしていた
「おれ、頑張ったんだよ…?必死に護ったよ」
「大切な人たちを…約束護ったら、別のを破ったけど」
「おれは、松陽との約束だけを守り続けたよ…」
「でも、護れなかったときもあったんだ…」
「護るって言ったのに…ヅラたちとは離れちまった…」
また、笑いが零れそうになる
松陽たちはつらそうな顔で見ている
それでも、伝えなきゃいけない…俺の、罪を
「俺は、何一つ護れなかったんだ 」
「護ったつもりでいただけなんだ」
「傷つけてばっかだったんだよ」
「俺は…!やっぱり、”鬼”なんだ」
漏れてしまった本音もどうでもいい
「銀時」松陽の怒ったような声が響く
慣れてないヅラたちはたじろいでいる
俺は、平気だった、何があろうと、限界の心は怯えない
いつの間にか止まっていた涙は頬に筋を作っている
すると松陽は優しい声で呼んだ
「おいで、私を、貴方の、親にしてくれませんか?」
目を見開いた、、それでも、お前は、俺を、求めるのか…?
「お、れは、また、壊すかもしれない、いいのか…」
情けなく声が震える、いつもの声なんて出せない
もう、だせない、おれは、こわすのに、それでも、みてくれる
壊れていた心はまだ、治ろうとしてる
「いいに決まってます、それに今は私がいます」
「壊させなんかしません、貴方を不幸にする輩は私が消します」
「貴方には、幸せになる資格がある 」
「私が貴方を幸せにしたいのです、いいですか?」
いいと言うしかない、だって、だって、おれは求めていたから
おれの不幸を止めてくれる人を、
「 もう、おいていかない…? 」
あまりにも拙い文章が溢れた、おいていかない?そんなの、
きっと決まっているはずだ、置いていかないだろ、なあ
「置いていきませんよ、いつまでも一緒です」
あぁ、求めていた答えだ、俺を縛り付けた約束が解けるんだ
おれは、俺は、「じゃあ、もう、約束はなくなったよね…」
そう思えば一気に力が抜けた、前に倒れるがそれを止めたのは
松陽だったような気がする…「…松…陽…」「はい、よく頑張りました」
「だから今は、おやすみなさい」「う、ん…」
そこで意識は途切れた
夢を見ていた…温かい夢、大好きな皆と過ごす夢
松陽と高杉が話してて、ヅラが俺を見ている夢
当の俺は、何もせず立っていた、あぁ、平和だな
なんて呑気に考えていれば声が聞こえてくる
『銀時ーー!こっちに行ってくださーい!』
『銀ちゃーん!!!早く―――!!』
行こうと踏み出そうとすれば声が聴こえる
「……とき、………さい…」
「………ん、…」
「銀時、…きてください…」
「銀時、起き……ださい…」
「…んぅ…?松、陽…?…」
声がする。次第に大きくなるから、目を薄っすらと開ければ
松陽の顔が画面いっぱいに広がっていて、咄嗟に声が出た。
「…おわ!……びっくりしたぁ…」どっどっと煩い心臓を撫で下ろし
あたりを見渡せばそんなにいい雰囲気ではないのがわかる。
だから俺も咄嗟に黙ってしまった。
「…」みんな黙っている重たい雰囲気を破ったのは松陽だった。
「銀時、あらかた今までのあなたの生活は聞きました」
「散々な日々を送っていたそうですね」
「それと…過去を話していなったのですね」
その言葉に息が詰まる。うん、と答えていいのか、迷ってしまう…
「…」
「銀時、怒っていませんよ、ただ聴いているだけです」
「うん…」不安げになりながらも答えた
「大丈夫ですよ、あなたの判断は何も間違っていませんよ」
「これももう一つの正解ですから」
松陽の何度も聞き慣れた言葉に不安を覚えながら頷くしかない
「うん、…」下を見ていれば不意に手が伸びてきた
肩をビクッとさせてしまったが、暖かいその手に甘えてしまう
気がつけば手に頬をすりすりと擦り付けていたらしく皆が
固まっていた…不意に「しにたい」と声が漏れてしまったが
気にしないでおこう。あまりの恥ずかしさに顔を覆っていれば
松陽が口を開いた。「銀時…」その声があまりにも意味深だった…
「…貴方…可愛すぎませんか!?え!?あれから十年ですよ!?」
「もっと言えば十年以上!あの頃よりも可愛さ増してません!?」
急にデカくなった声にびっくりしながらもでてくる可愛いという
言葉に顔が熱くなるのを感じる。気づけば顔は真赤に染まっていて
恥ずか死寸前だった。未だ語り続ける松陽に言葉を投げる
「しょ、松陽!もう、もういいから!だから、それ以上は…もう… 」
「やめてください…」弱々しく語尾が震えたが無視してくれ、
松陽は怖い顔をしたかと思うと俺に抱きついてきた
がシィ「銀時?貴方は私を殺したいのですか?」
「んなわけねぇじゃん、もう、あんな思い、 やだよ…?」
松陽が鼻血を出していたが無視だ。そして俺が話を切り出した。
「で?その、生活を聴いたって言うのは具体的に?何?」