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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

25 - 第二章 恋の分岐は、ありやなしや? EP.1「彼の真意は、どこに…」⑦

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2024年12月23日

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「……彼女?」と、彼が首を傾げる。


「ええ、タイトなスリット入りのスカート姿のとても綺麗な女性と歩いていらしたのを、見かけたので」


自分の言いようがなんだかスキャンダルを問い詰めるマスコミと変わらない気もして、おのずと嫌悪感が湧いてくる。


すると彼は、「ああ、あれを見ていて……」と、口をつぐんだ。


なぜ言葉を濁してと思うと、またささやかな気持ちのずれが生じるのを感じた。


「……彼女は、どういった方だったんでしょうか?」


女性と一緒のところを見てしまったけれど、はっきりと打ち明けてくれたら、応じる心づもりはあった。


それに、もしちゃんと理由がわかれば、ここからまた上手くいくこともあるのかもしれないという思いも少なからずあった。


でも、彼は口を閉ざすと、それきり何も喋ってはくれなかった。


「……お話がないのなら、もう……」


どうしてこういう流れにばかりなってしまうんだろうと、歯がゆさが込み上げて、ごくっと唾を飲み下す。


「もう……私とのことは、これっきりにしてもいいのでは……」


一言も答えてはくれない彼に、私は喉を絞り出すようにして、そう告げるしかなかった……。


「あの女性が誰なのかは、話せない……」


席を立とうと腰を浮かせかけた私に、彼が重い口を開く。


「話せないのなら、私もどう受け取っていいのかがわからないですし……」


せめてもの不安を取り除いてくれたらと思っての呟きだったけれど、


「…………。」


彼は無言のまま、それ以上は何も伝えてようなくれることはなく、少なくともメデイアや他の人の前では外向的なイメージなのに、どうして私にはこうも素っ気なくてと、もどかしくすら思えた。


「でしたら、関係を勘ぐられても仕方がないですし……。私とのお付き合いについては、ここでやはり折り合いをつけてもいいのでは……」


言いながら、なんだか涙が出てきそうにもなってくる。それは少なからず期待をしていた分だけ、再び裏切られたと感じられる、胸がざわつくような切なさだった。


「……。……お話がなければ、これで」


こないだと全く変わらないような展開に、渇いた口の中に苦味が広がっていく。


「悪かったな……」


投げかけられた一言に、ふと以前の去り際に言われたのも同じようなことだったのかもしれないとは感じたけれど、私にはもう振り返る気持ちの余裕はなく、カフェをそのまま後にした──。


若き覇王に、甘くときめく恋を

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コメント

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ユーザー

話せないなんて言われたら、もう終わりにしようって思うよね。 何だか悲しいな😢

ユーザー

なんか、もどかしさもありで、話の展開が気になり、困った😅もんです。悶々としるのに、次が読みたいと、ワクワク感🤗いっぱい🈵です。

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