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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

26 - 第二章 恋の分岐は、ありやなしや? EP.1「彼の真意は、どこに…」⑧

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2024年12月24日

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店を出てとぼとぼと歩きながら、どうして……と思う。


どうして彼は、私をまた誘ったの?


どうして初顔合わせで、終わりじゃなかったの?


あれで終わりなら、お互いにもう傷つくようなことだってなくて……。


彼に癒やしを与えてあげてって菜子さんにも言われていたのに、私はまたあんな対応しかできずに……。


どうして、どうして……と、頭の中には負の感情ばかりが次から次へと浮かんでくる。


どうして──私だって、本当はもっとあの人と、親しくなれたらと感じているのに──。


だけど、ちっともうまくいかなくて、会う度に気持ちが離れていくみたいで……。


彼の誘いかけの言葉が、ふと蘇る──『私とカフェに行くのは、嫌だろうか……』


「嫌なんかじゃ……」あの時、答えたことを、もう一度口に出してぼんやりと呟く。


嫌なわけじゃないのに……ただ今回の一件で、今度こそ彼との接点を見失った気がして……。


そう思い至ると、今までこらえていた涙が、頬をつたい落ちた──。

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