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「これなら…勝てる!」
数週間前
周尹宣に宣戦布告をされたローマ、あれ以来日に日に強くなろうと思っていた
「はぁーーーーー!!」
「ローマさん、毎日練習していますね」
「そんなに勝ちたいのかしら?」
ローマの練習を見ていたゼンノロブロイとスイープトウショウ
ローマは毎日自主練習をやっていた
「あれだけ勝ちたいなら尚更さ」
「「会長?!」」
「ライバルの周はかの有名なウマ娘【周淋腱】の息子だ」
「あの周淋腱さんですか?!」
「ロブロイ知ってるの?」
「周淋腱は中国最強のウマ娘で、総合勝利数50勝した人なんだよ!」
「ご…50勝?!」
「いかにも最強だ」
「その息子周尹宣は海外GIを5回制している!」
「じゃあ、ローマがその人の息子と戦うの?!」
最多勝利は歴代でも197回が1位だが、その息子とローマがやり合う!
「トレーナー、有馬記念はどれくらいの距離があるの?」
「2500mの比較的少し短い長距離なんだ」
「スタミナだけだと、スピードが劣るかも」
「確かに」
スピードがあっても、ある程度のスタミナがないと勝てない
「けど、なんで今更?」
「一応聞いただけだよ」
「そう…にしても寒いな今日」
「トレーナー!これ!」
渡されたのはプレゼントの箱のようだ
「ローマこれって?」
「誕生日おめでとう!!」
「ありがとう!!!!」
今日12月19日は三井優希の誕生日でもあった
箱の中には…
「防寒着だ!」
「トレーナー古い防寒着だったからさ」
「ありがとうローマ!!」
そうして俺は、夜のランニングで使った
「トレーナー喜んでくれて良かった〜!」
「ローマのトレーナーかなり喜んでたんだ!」
「いいトレーナーさんですね!」
「よし!この勢いで有馬記念勝っちゃうぞー!」
それから
私は有馬記念までトレーニングを重ねた
有馬記念当日
「寒いな勝負服だと…!」
12月の下旬だろうか、寒さは厳しかった
「ローマ!入っていいか?」
「いいよ!」
「いよいよだな…」
「うん!」
中国最強の周尹宣、そしてロブロイ最後の有馬記念
気持ちは複雑だった
「仕掛けるタイミングを見逃すなよ!」
「OK!」
「よし!行ってこい!!」
「ロブロイ!」
「ローマさん?」
「最後だね…」
「えぇ、私も全力で出し切って行きます!」
「最後頑張れよロブロイ!」
「クリスエスさん?!」
シンボリクリスエス
ロブロイと戦ったことがあり、この有馬記念の引退レースでは8馬身差をつけて勝ったということがある
「ローマも一緒か」
「もちろん、勝ちに行くよ!」
「楽しみだな」
「年末の大1番を決める有馬記念、最後のレースとなっているゼンノロブロイは3番人気です!」
【最後まで走り抜きます!!】
「続いて、2番人気は中国最強のウマ娘周尹宣!ここ数年は勝ちがなく、苦戦しているようですが、日本のレースで勝つことができるか?!」
【ふぅ〜!!】
「!?」
周からオーラを感じた
まさに…領域(ゾーン)に入った時みたいに!
「勝ちに来てる!」
「最後は、ここまで無敗、史上2人目の無敗の三冠ウマ娘スクーデリアローマ!1番人気です!」
【絶対に勝つ!】
「スクーデリアローマ、今日も跳ねるかな!?」
「けど、2番人気の周尹宣はあの総合50勝をした周淋腱の息子なんだって」
「それだけ強いのか?!」
「だとしたら、ハナ差になるのか?!」
「未だ負け無し、全勝まであと少し!」
「やけに勝ちにこだわっているようだな!」
「周尹宣!」
「言っとくけど、あんたはここで負けるから」
「それはどうかな?」
「自信ありだな!」
「さぁ、各ウマ娘ゲートインしました!」
「スタート!!」
「先頭は17番…快調に進んでいます!!」
「最後の直線に入る前に仕掛けよう!」
「周は差しか、にしても前すぎるな」
周尹宣は差しで行く予定だったろのだろうか、少し前にいた
「さぁスタンド前のストレートに入ってまいりました!夢を掴むウマ娘達が挑んでいますこの有馬記念!」
「周尹宣、やっぱり先行だ!」
【スクーデリアローマ、絶対最後で大外から来る!絶対に前には行かせない!】
「現在トップは17番、5番が2番手、周尹宣は少し離れて3番手の位置にいます!
注目のスクーデリアローマは後方から5番目にいます!」
【ローマさん、最後の直線で仕掛ける予定ですね】
「スタート地点から2週目に入りました!さぁスクーデリアローマが少しペースをあげてきている!」
「仕掛ける体制に入ったな!」
「これはいけるかもね!」
ちょうどスイープトウショウが俺の隣にいた
「さぁストレートが終わり最終コーナーに差し掛かりました!」
「ここで!!!!」
「この感覚が来た!行けーーー!!!」
「さぁスクーデリアローマが一気にペースをあげた!!これは差し切ってゴールインできるか?!」
「……………」
【私は父にはなれなかった、最多勝利を産んだ父みたいに、なれなかった…】
回想
「宣、無理をするな!」
「けど、父みたいになりたいんだ!!」
「早るんでは無い!!!!!!!」
「!!!!!」
「そこまでわしみたいになりたいのか!?
だったら結果を残せ!誰にも負けないウマ娘として!」
「誰にも負けないウマ娘として……!」
私は必死に強くなりたかった
けど、長くは続かなかった…
「宣」
「父さん…」
「勝利に飢えるな、全力を出し切れ」
「………」
「強い思いがあれば、充分だ!」
「強い気持ち…」
スクーデリアローマを見た時は、最強に勝てるか分からなかった…
負けられない…だから…
「私は、父みたいになりたいんだ!!!!!」
「!!!!!!」
「嘘だろ?!」
周尹宣も、領域(ゾーン)に入った
ローマを超える強い魂が
「周尹宣がトップに変わった!スクーデリアローマを離していく!!」
「まずい!」
「スクーデリアローマも上がって来た!差し切れるのか?!」
「ここで負けたら…最強じゃない!!!」
「行けーーー!ローマ!!!!!」
「スクーデリアローマが上がって来るが残り200m!周尹宣が粘る!!」
「ゴールイン!勝ったのは…」
「スクーデリアローマが…2着?!」
「周尹宣!!大1番の頂点は周尹宣!スクーデリアローマの連勝はここで崩れました!!!!」
「2着?!嘘?!」
衝撃は大きかった
トップシャイニングでも勝てなかったローマを…
「以外にショックだろう」
「っ!!!!」
「だが、君は確かに強い。無敗の三冠の実力は凄かった
だが君は2着の世界を味わっていない」
「これが2着の世界?!」
初めて負けた、初めて感じた、色々なことをローマは学んだ
「…………」
「ローマ!」
「ローマさん!」
「トレーナー、ロブロイ、スイープ」
「今日は…」
「1人にして」
「え?」
「お願いだから…」
私は3人に話す勇気が無かった…
帰り道の車内
「…トレーナー」
「ん?」
「…ごめんなさい…勝てなくて」
無敗の三冠として、負けたくなかった
「こう言う名言あるよ」
「!!!!!」
「たとえ負けても、その経験を活かして次の目標に挑め」
「トレーナー…」
ローマは泣き出した
「私…ま…負けることが…悔しい…
トレーナー…に…成果を…みせ…たかった…」
「無理に1着をこだわらなくていいから…来年は、絶対にローマの時代にするから!」
「うううう…トレーナー…」
ローマは狭き車内で号泣した
空港
「宣!」
「父さん!!」
「よく頑張った!」
「ありがとう!」
「どうだ?スクーデリアローマは」
「強かった、こんなに全力で出したの久々だよ、彼女絶対に伝説になるウマ娘だよ!」
「そうか…あいつの強い気持ちは、間違いないな!」
「強かったよ、紅き跳ね馬さん!」
こうしてローマと周の有馬記念は、幕を下ろした