テラーノベル
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〜side 小柳〜
「お邪魔します‥」
「先に座ってて。今飲み物持ってくね」
初めて叶さんの家に招待され、緊張気味の俺はオシャレな内装に目が奪われていた
フカフカの大きなソファーに腰を下ろすとまもなく叶さんがグラスを2つテーブルに並べて隣に腰を下ろした
「これハイボールなんだけど、そんなに強く作ってないから飲んでみてよ。ロウはあんまり飲まないんだよね?」
「いや、でも弱くは無いと思うんで‥」
「一杯だけ僕に付き合ってよ」
「もちろん」
久々のお酒を喉に流し込む
甘くは無いアルコールが鼻から抜ける
「そう言えばさぁ、1時間後位にエビオが来るかもだけど、ロウの時間が大丈夫なら遊んでく?」
「‥‥そうっスね」
チラリと壁掛け時計に目をやる
収録終わりに叶さんの家に寄った事もあり、もう少しで23時を廻る所だ
でも明日は何の予定もない
エクスさんとも遊べるならまぁ良いかと思い始める
「エビオも来るからさ、すぐそこのコンビニでおつまみとか買ってくるね。すぐ戻るから先にゲームでもしててよ。ゲーム置いてある部屋は廊下の奥の部屋だから」
「俺買って来ますよ」
「良いよ、すぐだから待ってて」
そう言うと叶さんはパタパタと上着を羽織り玄関を出て行った
廊下の奥の部屋にゲーム部屋があるのだろうか
綺麗に整えられた部屋に興味が向くが、ここは素直に言われた通り奥の部屋で待っておく事にしよう
と、向かった先
1番奥の部屋の扉が2枚
「いや、広すぎじゃない?」
そう呟きながら左右の扉を交互に見つめる
迷った時は右じゃない?
そう思い、右の扉をゆっくりと開いた
「‥‥あっ」
そこは間接照明が照らすベットルームだった
「ヤバっ‥‥」
慌てて扉を閉めようとすると、その扉を勢いよく開けられ、強く背中を押されてベットルームへと押し入れられた
勢いがあまり、目の前のベットに両手を付き体を支える
「ちょっと、叶さん!」
どんな悪戯だよ、と叶さんの名前を呼びながら振り返る
だが、そこに居たのは叶さんでは無かった
「‥‥‥え、エクスさん?‥」
エクスさんからの返事の代わりに扉の閉まる音がした
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