こんにちは。主です。先日、近所のDVDレンタルショップでとある映画をみつけ鑑賞しました。タイトルを…プライベートライアン。この映画は史上最大の上陸作戦のノルマンディー上陸作戦戦場に語られ始まる事実に基づいて製作された映画です。このノルマンディー上陸作戦について説明をさせもらいますと、1944年6月6日に連合国がドイツ第三帝国の支配下にあったフランスの沿岸部から上陸し、西をアメリカ、イギリス、東をソ連でドイツを挟み撃ちにしようという史上最大の作戦でした。
今回は、この史上最大の上陸作戦ノルマンディー上陸作戦と、この映画を観て私が感じた事をお伝えする場としたいと思います。本題に入る前に、今回の作品は過度な表現や衝撃を含む可能性があります。不快に感じた場合はすぐに読むのを切り上げる事を深くおすすめします。では、本題に入ります。
【史上最大の作戦ノルマンディー上陸作戦】
時は1944年6月6日午前6時30分。フランス沿岸部のノルマンディーオマハビーチに総勢約15万人のアメリカ軍兵が上陸舟に乗りオマハビーチに上陸しました。
上陸舟は沿岸部に到着する前にドイツ軍からの砲撃を受け一部船舶は撃沈、ほとんどの上陸舟が浜辺への上陸が困難となっていました。上陸舟がやっとの思いで上陸し、上陸舟の前方扉が開いた瞬間、アメリカ兵はビーチ崖上に要塞を気付いていたドイツ兵に真正面から一方的に銃撃をもろに受けたそうです。前列の兵士が撃たれる中、後部にいた兵士らは舟の側面から海に飛び込み上陸を目指しました。しかし、上陸後もドイツ兵の銃撃は激しさを増し、オマハビーチの海辺は血により赤く染まり、砂浜には死体が溜まっていく中、指揮官を失ったアメリカ兵はその場の仲間と決死の覚悟で前進を続けます。やがてアメリカ兵は6時間以上にもわたる激戦の末、ドイツのバンカー、要塞の破壊に成功。こうしてアメリカ軍はノルマンディー沿岸部の主導権を握ることができたのです。これが、ノルマンディー上陸作戦の大まかな内容と流れでした。
【ノルマンディー上陸作戦を生き延びた両国の兵士の証言や記録】
ここからは、私が調べた範囲で得たこのノルマンディー上陸作戦を生き延び、未来に言葉を残した両国(アメリカ、ドイツ)の兵士による証言や記録を紹介します。
🇩🇪ドイツ軍側の兵士による証言
∴ハインリヒ・ヒヴァルツ(第352歩兵師団、機銃手)
「朝の霧の中、海の向こうに黒い点がいくつも現れた。最初は小舟かと思ったが、それが次々と近づいてくる。やがて海全体が金属で覆われたように見えた。その瞬間、上官がーー叫んだ。撃て!!。私は引き金を引いたが何も考えられなかった。弾が命中したかもわからない。ただ、無限に続く波を撃ち続けた。」
「午前には、私の陣地が艦砲射撃で吹き飛び、気づけば周りには誰もいなかった。生き延びられたのは奇跡だった。」
ハインリヒさんは、こう証言を残しています。
∴カール・ヴィルケ(第716歩兵師団)
「私たちは若かった。上官は『祖国の防衛だ』と言っていたが、正直、来るものが何かも分からなかった。砲撃で地面が揺れ、鼓膜が破れ、同僚の叫び声も聞こえなくなった。それでも撃たねばならなかった。あれが命令というものだった。」
「捕虜になって初めて、自分が撃っていた相手も同じように怯えていた人間だったと気づいた。」
カールさんは、戦後米国の捕虜となりこのような証言を残しています。
🇺🇸アメリカ軍側の兵士による証言
∴ロバート・C・スカリー(第1歩兵師団)
「ランディングクラフト(上陸舟)の扉が開いた瞬間、目の前の仲間が3人まとめて撃ち抜かれた。海が赤く、波が血を運んでいた。私は死体の陰に隠れて、ただ祈るしかできなかった。 」
「恐怖のあまり震えていた。でも、誰かが『立て!崖まで走れ!』と叫んだ。それで体が勝手に動いた。考える余地なんてなかった。」
ロバートさんはその後、ノルマンディー上陸作戦を生還し、本国でこう語ったそうです。
∴チャールズ・ネヴェルズ(工兵部隊)
「私たち工兵は障害物を撤去するのが任務だった。仲間が爆薬を設置している最中に機関銃が掃射してきた。5人いた班の中で生き残ったのは私1人だけだった。砂浜に這いつくばりながら『ここで死んでは無意味だ』と自分に言い聞かせた。」
∴司令部への報告記録(オマハビーチ通信記録)
『全ての計画が崩壊した。だが…兵士たちは自発的に前進している。彼らが勝手に進んでいる。ーーーこの混乱の中、勇気が指揮を超えた。』
(※アイゼンパワー将軍宛ての報告記録書より)
報告記録に記述されている『混乱の中、勇気が指揮を超えた』というのは戦地記録からもその事柄を見られる事ができました。上陸作戦中、彼らは作戦本部とは一通のやり取りを交わす事なく崖上のドイツ軍に立ち向かい続けました。作戦本部では、撤退命令の言葉さえ飛び交っていたそうです。しかし、現地にいた兵士たちの勇気は現地の指揮を超え、仲間との協力と祖国や愛する人を思う気持ちがそれを超え、見事にノルマンディー上陸作戦は成功に終わりました。
アメリカ軍、ドイツ軍の両国兵士の証言には一つの共通点がありました。それは『恐怖』や『戦後の虚しさ』を最後に語られているということです。特にノルマンディー上陸作戦時、要塞を築きアメリカ軍を攻撃したドイツ軍の兵士の中には17半ばの若い青年の兵士や、捕虜として捕らえられたポーランド人やウクライナ人の兵士がほとんどで、戦地に行かされました。ドイツ軍では逃亡もしくは戦闘放棄は軍法会議にて射殺される事がほとんどでした。つまり、彼らは逃げたくても逃げれず、命令と恐怖に打ちのめされひたすら銃を撃つことしかできなかったそうです。ドイツ軍の機銃手の中には「あれほど人を撃ったのに何も感じなかった。だが夜、波に流される彼らの死体をみて初めて『人を撃った』のだと気づいた」と証言を残した兵士もいました。ドイツ兵の中にはあまりの恐怖に心を壊す者もいました。先ほどの証言を残した機銃手のように戦地では何も感じず、戦後ふと辺りを見渡すと初めて人間を撃ったと証言する兵士は二次大戦、どの国の兵士の証言からも聞き取れるものでした。
【ノルマンディー上陸作戦のような作戦は日本でも起こった】
実は、ノルマンディー上陸作戦のように海岸からの上陸作戦事例は二次大戦を見てもその数は計り知れません。皆さんはその中に日本も含まれているのをご存知でしょうか?ほとんどの人が聞いたことがあるかもしれません。1945年4月にアメリカ軍によって実行された沖縄戦です。沖縄戦ではノルマンディー上陸作戦と同様、沖縄の沿岸部から上陸舟による上陸作戦が立てられました。しかし、沖縄戦とノルマンディー上陸作戦、この2つの上陸作戦の実態は大きく異なっていました。ノルマンディー上陸作戦では、アメリカ軍を相手したドイツ軍は崖上からの銃撃による抵抗が主でした。しかし、沖縄戦でアメリカ軍を相手した日本軍はドイツ軍の戦闘とは異なり、アメリカ軍上陸後一気に叩くのではなく、アメリカ軍に対し持久戦を展開していました。ノルマンディー上陸作戦での経験のあるアメリカ軍はその経験を生かし沖縄に上陸後すぐに防御陣形と高台制圧を企てました。しかし、日本軍が潜んでいたのは高台ではなく地下だったのです。アメリカ軍が進軍を開始するとアメリカ軍は日本軍の反撃規模の小ささに優勢を確信し進軍を続けました。しかし、山岳手前で地下バンカーからの日本軍の急襲を受けたアメリカ軍は即対応ができず、日本軍の前に撤退を余儀なくされました。とあるアメリカ軍将校の証言ではこのような記録が残っていました。「ノルマンディーは1日で突破できた。しかし沖縄は60日の月日を有した。」
この証言から、日本軍の長期間に及ぶ持久戦の展開具合がわかります。日本軍は沖縄戦前に、ノルマンディー上陸作戦の結果かは学習し、『海岸で迎え撃てば艦砲による射撃を受け全滅する。ならば、山岳内部に敵を気に込みそこで一気に敵を壊滅に追い込もう』という考えにたどり着いたのです。
また、完全に日本軍は高台からの銃撃を行わなかったわけではなく、一部事例として沖縄の読谷村付近の海岸からは実際に上陸舟にて上陸してきたアメリカ軍に銃撃を行った記録が残されています。また、嘉手納飛行場付近、恩納付近では実際にアメリカ軍の報告で日本軍からの砲撃、迫撃、銃撃を受けたとの報告が残されています。
しかし、アメリカ軍も上陸作戦に関しては経験豊富であり日本軍のこの作戦を見切るとすぐに態勢を立て直し始めます。やがて航空機を用いた攻撃や長距離艦砲射撃による歩兵制圧により沖縄戦はアメリカ軍の勝利に収められてしまいました。
【結論と、この映画を通しての感想と意見】
さて、今回は歴史上最も大規模な上陸作戦であったノルマンディー上陸作戦と沖縄戦について解説と紹介をしました。ここまで読んでくださったあなたに、少しでもこの2つの上陸作戦を通しての戦争の悲惨さや、戦争について改めて考える機会を与えられたのならば幸いです。まずは、ここまでこの作品を読んでいただき本当にありがとうございました。
私も、今回この作品を制作するうえで色々な事を学びました。私が今回調べた内容は学校では教わらないような戦争の真相の奥地でした。学校ではノルマンディー上陸作戦や沖縄戦という言葉や発生時などは学習するがその一つ一つの戦いの行き先は学習しないんですよね…。そして、この作品を作るきっかけとなった映画プライベートライアン…。とても面白く、そしてとても考えさせられる考え深い作品でした。まだご覧になってない方は、機会があればぜひ見てみてください。
今回は、第二次世界大戦時上陸作戦のノルマンディー上陸作戦と沖縄戦について解説、紹介をしました。最後までご覧いただきありがとうございました。また、誤字脱字等、不明点や誤認がありましたらコメントよりお知らせいただければとても助かります。では、次の新章でお会いしましょう。
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