もっくんからの必死のアプローチ。
突然の事に驚いた涼ちゃんはバランスを崩して座り込んでしまったが、俺はそれでも唇を離さず、よろけた拍子に涼ちゃんの口が開いたのをいい事に舌を差し込んで涼ちゃんの舌を無理やり絡め取った。
「んっ…」
涼ちゃんとキスをしている。その事実に興奮して優しくしたいのに優しくできない。あまりの激しさに最初こそ苦しそうにしていた涼ちゃんだが、だんだんと俺に応えて甘い息を漏らしだす。
そして最後には2人して夢中でお互いの唇をむさぼりあっていた…。
「涼ちゃん…」
やっと唇を離した時にはお互い肩で息をしながら抱きしめあっていた。
あまりの恥ずかしさに涼ちゃんの顔を見る事ができず涼ちゃんの肩に顔を埋める。
「涼ちゃん。お願い。今日のアツシさんの誘い断って」
「えっ?」
肩口に顔を埋めたままそうお願いする俺に、涼ちゃんはまだボーっとしたままよくわからないと首をかしげる。
「お願いだから…。今、俺の目の前で電話して断って」
そんなわがままを言う俺にとまどいながらも涼ちゃんはわかった、とつぶやいてスマホを手に取り電話をかけてくれた。
数回のコール音の後、アツシさんが電話にでる。
「涼架くん?仕事終わったの?」
「あっ、いえ、その…、用事が入って今日はちょっと…」
「ダメになっちゃったんだ」
「はい。本当にすみません」
「いいよ。じゃあまた今度一緒に行こうね」
「はい、また今度…」
この状態で『今度』ってなんだよ!ちょっと腹が立って涼ちゃんをギュッと強く抱きしめる。
「あっ…」
「ん?どうかした?」
「いっいえ、なんでもありません。それじゃあ失礼します」
そう言って涼ちゃんは慌てて電話を切った。
「もっ、元貴。電話中にそんな事したら…」
オロオロと目線をさまよわせ顔を赤くする涼ちゃんをもう一度ギュッと抱きしめる。
「涼ちゃんが『今度』なんて言うからだろ」
口説いている最中に他の男と遊びに行く約束をするなんて…。拗ねたように言う俺に、なぜそんな事を言うのかわからないと困った顔をしている涼ちゃん。
ここまでしても涼ちゃんは俺の気持ちに気づいてくれないのか。俺は悔しくて小さく舌打ちをしてしまう。
それでも…。俺のためにアツシさんの誘いを断ってくれた。今はその事だけでもとてつもなく嬉しかった。
「ねぇ、涼ちゃん。この後一緒に俺んちに来てくれる?大事な話があるんだ」
「あっ…うん、いいけど…」
「じゃあ決まりね」
そう言ってとまどっている涼ちゃんの気が変わらないうちに、腕を強引に引っ張った。
タクシーを捕まえ後ろの席に座っている間も涼ちゃんの手は離さない。離すと逃げてどこかに消えてしまいそうで怖かった。
もっくんよくがんばった😭
次回はもっくんからちゃんとした告白になります。
コメント
16件
もっくん積極的だね𐔌՞ ܸ.ˬ.ܸ՞𐦯 いい展開になってきたよー
ついにですね✨ 良かったです〜
全部見ました👀もうなんて言うかだいっ好きです♥️鼻血出そう