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2,027
紗那様復活会の後、城の廊下を歩いていると、新兵が幹部寮の近くに来ていた。
何用か、問いただそうとした処に琴音御嬢様が新兵に声を掛けた。
琴音「 貴方達 ⋯ 何故こんな所に居るんですか ? 」
新兵A「 萩原幹部長っ ⋯ 」
琴音「 あら 、 どうしてそんなに驚いてらっしゃいますの ? 私は幹部長なので 、 此処に居るのは妥当だと思うのだけど 」
新兵B「 す 、 すみません ⋯ ! 」
新兵A「 本物に会えて吃驚してしまいまして ⋯ 」
琴音「 あらそうですか ~ 笑 」
〃「 其れで 、 此処で何を ⋯ ? 」
新兵A「 う ⋯ っ 」
新兵B「 琴音様 ⋯ すみません ⋯ っ ! 」
其の時、新兵二人が、隠し持っていたナイフと催眠スプレーを琴音に向ける。
柚木「 ⋯ ! 」
私は止めずに曲がり角に隠れ、様子を見ていた。琴音御嬢様がこんなんでやられるとは思わないが、念の為だ。
琴音「 あら 、 乱暴はお良しになって ? 」
新兵A「 なっ ⋯⋯ 」
琴音はいつもパコダ傘を持ち歩いている。城内でも、だ。
琴音は其れを新兵Aの顔に先を向け、すぐ傍に居た新兵Bは、傘を勢いよく開き、牽制した。
琴音「 他の幹部にもこういう事をしようと思っていたのかしら ? 」
〃「 困ったわね ~ 。 其れとも私が普段ぽわぽわしてるから舐められたのかしら ? 」
新兵二人は怯えながら、其れは違う!と否定する。
琴音「 ショックだわ ~ 普段からきびきびするのは好きじゃないんですの 」
〃「 ⋯⋯ ね ? 」
新兵二人は失神した。
失神したのを確認し、琴音はインカムで組織の拷問係、又の名を姫野麗華を呼ぶ。
琴音『 麗華御嬢様 ~ あれ 、 御願いしても宜しい ? 』
麗華『 又舐めて掛かった奴が居るんですの ? 』
琴音『 そうですの 。 きびきびするのは好きじゃないと言っているのに 、 困ったものですわ ~ 』
今から其方に向かう、と言って会話は終わった。
一件落着と思い、現場から去ろうとすると。
?「 一件落着 ⋯ とでも思ったぁ ? 笑 」
柚木「 ⋯ !? 」
琴音「 柚木っ !!! 」
?「 貰ってくね ~ 組織の顧問 」
柚木「 御嬢様 、 私は大丈夫ですので 。 」
琴音「 柚木 ~ っ !! 」
いつの間にか催眠ガスを掛けられ、気付いたら牢屋に入っていた。
私がいつ、何処で、何をしたのだろうか。
柚木「 何かしましたか 、 私 」
?「 んだ御前 、 男の癖に私なのかぁ ? 気持ちわりぃ 」
柚木「 ⋯ 敵に丁寧にする必要はありませんね 」
?「 そうだそうだぁ 」
柚木「 で 、 俺はなんで捕まってんの ? なんかしたっけ 」
?「 おーおー 、 其れが一番似合ってんぜ 」
柚木「 話聞いてんの ? 」
照「 俺の名前は樋上照 。 名前の由来は人を照らして自分をも照らせ 、 って意味らしいぞ 」
〃「 今の形じゃ 、 親に胸張って俺は照だ ! って 、 言えねぇけどよ 」
柚木「 まぁ 、 でしょうね 」
照「 で 、 御前の名前の由来は?柚木蓮さん ? 」
柚木「 由来とかどうでも良くないすか 」
〃「 名前なんてどうせ記号 。 いつでも変えられるしな 」
照「 ほーん 、 そう云う考え方の人か 」
〃「 まぁ世の中には色んな人が居るよな ! 」
柚木「 ポジティブすぎんか ? 」
普通なら怒って殴るとかそういうのしそうだけど。
まぁ牢屋に居るし、わざわざ鍵開けたりする手間が嫌なんだろうな。
俺だって嫌だし。
だから人を捕らえる時は沈黙を大事にしてる。喋ったら首が飛ぶと言っても過言では無いというオーラを醸し出せば、雑魚は余裕だ。
29歳とかいう小僧に睨まれて腹が立つだろうが、気にしない。
殴られても新兵の時と比べたらって感じだ。
俺の新兵時代は過酷だった。其れは其れはとても。
照「 んだ御前 、 面白いな ! 」
柚木「 御前も中々の笑いのセンスだな 」
照「 おら ! 笑 」
〃「 褒めても何も出ねぇぞ ! 牢屋だけに 、 つってな 」
柚木「 っふは ! んだ其れ 」
照「 ⋯ ! 」
柚木「 ん ? 」
照「 俺のギャグで笑ってくれた奴は御前が初めてで ⋯ 」
柚木「 御前陽キャの友達は沢山居ても芸人としか扱われなくて病んでたタイプだ ? 」
照「 ⋯⋯ まぁ 、 周りは俺のギャグを笑ってくれたけど 。 其の内 、 ギャグがある時にしか友達面してくれなくなって 、 俺向いてねぇやって思って 」
〃「 誘拐なんてするつもりじゃなかったけど ⋯ 」
うちの組織なら、きっと。
助けてくれるさ、なぁうちに来いよ。
御前が居たら皆、楽しいさ。
柚木「 うちに来ないか ? 」
照「 ⋯ ! 良いのか !? 」
柚木「 俺の親友つったら首領だって許してくれるさ 」
照「 親友 ⋯ ! 」
照「 おう ! 俺 、 御前の組織に行く ! 」
バンッ――
不穏な音が鳴った。目の前で倒れた。俺の親友が。
血が流れる。まだ間に合う、俺が牢屋から出て、応急処置をすれば、インカムで。 麗華に⋯。
あれ、俺、牢屋から出られねぇじゃん。
柚木「 なぁ 、 親友 ⋯ 」
?「 はぁ ⋯ 照ったら 、 すぐ敵になろうとするんだから 」
?「 バレてないとでも思ったのかな 」
柚木「 てめぇ ⋯⋯ 」
?「 何 、 敵は排除する 。 当然でしょ ? 」
柚木「 うるせぇよ ⋯ 俺の親友に何してんだよ ! 」
?「 はぁ ? 親友 ⋯ ? 」
柚木「 てめぇ 、 地獄で照に謝罪しろ 」
名前:樋上照
性格:明るい、エンターテイナー、ポジティブ
年齢:23
立場:?
好物:カレー
嫌物:ピーマン
得意武器:両手剣
苦手武器:スナイパー
CV:村瀬歩
備考:柚木蓮と親友になれた瞬間に、何者かに撃たれ死亡。
コメント
1件
ああっ、もう…第12話、一気に持っていかれました……!琴音さんのぽわぽわした佇まいの裏にあるしたたかさ、傘で華麗にいなすところ、めちゃくちゃかっこよかったです。それでいて油断も隙もないのが本当に「幹部」だなって思いました。 そして何より、柚木さんと照のやり取り……「親友」って言えた瞬間に銃声。あまりにも辛すぎます……。照が初めて笑ってもらえたってはしゃいだ直後のあの展開、心がぎゅっとなりました。最後の柚木さんの叫び、地獄で謝罪しろ、って……続きが気になりすぎます。鴉さん、今回もすごかったです……!