中編の続きです
忘れないで
なんて願ってしまったから
離れたくない
と思ってしまったから
この霊体になってしまったのだろう
どうして、どうしてもう一度
会いにきてしまったんだろう
もう会わないって決めていたのに
辛くなるってわかっていたのに
もう一度、俺は明那と
お別れしなければならないなんて
『 ねぇ、明那』
『 俺、全部思い出したよ』
[え、]
そう、ここでまたお別れをするんだ
そのために俺は俺ができることを…
『 俺、明那のこと嫌になったんだよね』
[…え、]
『 だって明那、我儘ばっかりだし、』
『 あの日だって最後までごねてたでしょ?』
最後まで最悪に
『 だから離れようと思って』
明那に嫌われて、
それで…
[まゆ、嘘、ついてる?]
『 …!嘘?嘘なんかじゃないよ』
[じゃあどうして、
泣いてるの?]
『 っ、』
どうしてこの世界は
許してくれないんだろう
叶えてくれないんだろう
明那と一緒に生きたい
それだけの単純な願いだったのに
二度も明那とお別れして
別々の未来を渡る
そんなことできるはずないだろ
ずっと一緒にいたいんだよ
ずっとそばで、離れたくないんだよ
それでも運命は許してくれない
2人の未来は存在しないんだ
[ねぇ…まゆ、全部聞くから、教えてよ、]
明那にこれまでのことを話した
話をしている最中何度、明那が傷ついた顔をしたか
数えきれないほどだった
それぐらい俺は明那を傷つけていた
[…馬鹿っ!]
[本当にまゆってば、馬鹿っ!、ッ]
[病気のことも、もっ、とグス、早く言ってよ、]
『 ごめん。』
[1人で死のうと、するなんて、
それじゃあまゆが、辛いじゃんか、]
[もっと頼ってよ、我儘いって、よ]
我儘、言って良かったのかな
好きな人を守っていたつもりが
傷つけてしまっていたのかな
最後に
我儘言っていいかな
これは明那のためにならない
完全に自分都合の我儘
『 ねぇ、』
ねえ明那
『 俺のこと、』
思い出にしないで、
『 忘れないで欲しい』
ずっとずっと覚えていて欲しい
[っ!そんなの当たり前じゃん、]
[絶対に忘れないよ、絶対に、]
その言葉を聞いた瞬間
突然体が透けていく
あぁそっか、俺のこと願いが叶ったんだ
明那に忘れないでいて欲しいという願いが
[まゆ、!]
『 大丈夫。いつもそばにいる』
見えなくなってもいつまでも
[まゆ、っ!ずっとずっと大好き、!
これからもずっと、!]
『 俺も、』
『 大好き』
数年後
明那side
お墓参り
今日はまゆの命日だ
[まゆーそこにいる?]
お墓の前でつぶやく
たとえ見えていなくても
君がそこにいると願って
[まゆー俺もう社会人になったよ〜]
[てか聞いて!この前上司にこんなこと言われてさ!]
[ひどくない!?]
まゆのお墓に向かって
他愛もない話をふる
ひどいね、なんて
まゆが返してくれている気がする
[まゆ、俺ずっとまゆのこと好きだよ]
[重たいって言われるかな?笑それでもいいんだ]
[これから先数年、数十年俺はまゆを思うよ]
[忘れない。絶対に]
これが彼との最後の約束だから
[ごめん、そろそろいかなきゃ!また来るね]
ひとしきり言いたいことを言い終わり
俺はその場から去ろうとした
その時そよ風が吹きそのはざまに
『 ありがとう』
いとしい声が聞こえた気がした
HAPPYEND 永遠の思い
コメント
9件
久しぶりにこんなに静かに涙出てきました。こんなアニメ見たいに涙って出るんですね…欠かせずにお墓参り行ってそう……ありがとうございます😇😇
神だ‥愛尊い、
涙腺の替えってあります?あとティッシュ六枚ぐっちゃぐちゃです人からこんなたくさん涙出るんですね最後でもうギャン泣きでした