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扉に背を預け、震える中国の耳に、再びアナウンスが響いた。
📢【必要人数ーー残り2名】
その数字は動かない。
扉は冷たく閉ざされ、絶望だけを突きつけている。
🇨🇳「……我しか……もう、生き残っていないアルのに……」
唇が震え、言葉がこぼれる。
仲間を蹴落とし、利用し、裏切り――最後に辿り着いたはずの出口。
だが、そこで待っていたのは「不足」という残酷な宣告だった。
🇨🇳「お、お前たち……出られるアルよね? なら、一緒に……!」
縋るように叫ぶ。
だが――イギリスは冷ややかに微笑んだ。
🇬🇧「残念ですが……私たちだけでは、この扉は開きませんよ」
その声は慰めではなく、愉快そうな嘲笑。
日本が隣で面白そうに、
🇯🇵「……私たちは“別の出口”を知っているんですよね。こちら側に立つ人しか、用意されていませんけどね」
その言葉に、中国の顔色が変わる。
🇨🇳「なっ……! じゃあ我は……?」
イギリスの笑みが深まる。
🇬🇧「――あなたは“プレイヤー”。ただそれだけ。舞台が終われば、役目も終わりです」
冷たく、突き放すように。
二人は扉に手をかけることもなく、別の通路へと歩み去る。
振り返ることも、哀れむこともなく。
ただ、不気味に笑いながら。
🇨🇳「ま、待つアル! 我を置いていくな……! 我は、勝った……最後まで、生き残ったアル……!」
絶叫は虚しく反響するだけ。
返答はない。
扉は開かない。
誰も来ない。
残されたのは血と鉄の匂い、そして孤独。
やがて、重苦しい沈黙の中に。
📢【ゲーム終了。勝負ーなし】
アナウンスが冷たく響いた。
中国の瞳から光が抜け落ちる。
床に崩れ落ち、震える指が扉をかすかに叩く。
🇨🇳「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
狂ったように、同じ言葉を繰り返す。
そしてー
最後の生存者は“勝者”ではなかった。
それこそが、最初から仕組まれた結末だった。