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正直すぎて怖い() ゼンは優しいね
ぜんさん疑うことを知らなさすぎるでしょ
──────Iれいまり視点──────
私はさっさとその場を後にする。ゼンは不安げな瞳を私に向けてくる。その目が語る。このまま帰ってもいいのか、見届けなくてもいいのか。
その答えははい、である。何故ならば私はこの結末を知っているからだ。茶子さんはどうせ契約する。何故ならばこの世界の決闘は拒否権がないからだ。拒否権がない限り、茶子さんの敗北は決定している。それをわざわざ見届けるなんて時間の無駄である。
と、ゼンに説明する訳にもいかないから、雑な嘘をついておく。
「契約中に他の人が覗くなんてマナー的にタブーですよ、ゼン。第三者は立ち去るのが常識です。」
「え!?そ、そうなんですか!?」
相変わらずの騙されやすさにすこし心配が勝り始めたが、とりあえずこの場を離れることにした。
いくら情報のためと割り切っていても、めめ村の人が苦しむ姿を見たくはないし、残虐な姿を見ていたいとも思わなかった。
あの日から、30年が経とうとしていた。あの日以来事件という事件もなく、ほかのめめ村メンバーに会うこともなかった。
相も変わらず知識を蓄え、謎に私の2つ名『静寂の執行人』で呼ばれることが増え、チャレンジャーが増えてきた。まあ、基本的ゼンにすら勝てない雑魚ばかりなため、死人は増える一方だが。
ちなみに、奴隷はご主人が死なない限り死ぬことは無い。ご主人が死んだ場合は、逆に道連れとして同時に死ぬ。そのため、ゼンが負けても、私が負けるまでは死ぬことは無い。そのため、ゼンは気兼ねなく勝手に喧嘩をふっかけ、殺して帰ってくる。好きにしてくれ、と思っているため、私は図書館に籠っている。
「あ、あの。」
不意に声をかけられ、振り向く。そこには、まだ1mは越えてない身長の小さな子悪魔がいた。───めめ村の一員ではない。
そのことを確認してから、私は声をかけられたため、その声に応える。
「どうしましたか?」
「あ…え、と。わ、私も。あなたみたいになりたくて…!!どうなればいいか、教えて、欲しくて…!!」
───なるほど。この悪魔は私に憧れてしまったわけか。しかし、私に憧れる要素なんてない。いつも図書館にこもり、戦闘は奴隷任せ。本当にたまに負けてくるゼンの代わりにそいつを殺すことくらいしかやっていない。
困惑が勝ってしまい、ひとまず経緯を聞くことにする。
「…どうして?私、偉業をなした人でもなんでもないけど。」
「す、好きなことをやるのはすごいと思いまして…!!」
「悪魔なんてみんなそんなもんですよ。自分の欲に忠実。大してすごいことはしてないです。」
私が淡々と言い返すとその子は泣きそうになりながらも必死に答えてくれる。
まるで私が敵役みたいじゃないか、なんて自身を卑下しつつも話を最後まで聞く。
「そ、それをつづけるのがすごいんです…!!だって、あくまならすぐにやめちゃうもん!」
なるほど、そうきたか。たしかに悪魔は飽き性なやつが多い。何十年も図書館に通うやつなんて稀だろう。さて、それに対する言い訳を考えていなかった。
どうしようかも悩んでいると
「ただいまー!!ええへー!椎名!今日は三人斬りですよ!」
何年経っても変わらない熊が帰ってきた。助かった、なんて思いつつ、状況をゼンに説明する。
そうすると、ゼンは難しそうな顔を浮かべる。どうしたのか、そう聞こうとしたらゼンはその子の目の前に膝をついて、視線を合わせて話し始める。
「君はまだ、小さい。色んなことに挑戦した方がいいよ。今は、椎名がすごい人に見えるかもしれない。けどね、君はまだ小さな世界しか見てないんだ。大きな世界を見て、それでもまた椎名に教えを乞うなら、その時、帰ってきておいで。」
「…✨️!!うん、わかった!!おにーさん、私、ぜったい、ぜーったいまたくるから!」
そう言って、その子はゼンの手のひらをぎゅっと握ってから、手を振って図書館を去っていった。
去りゆく背中を見ながら、私は隣のゼンに話しかける。
「…子供に優しいんですね。」
「まあ、まだ戦いがいのある子じゃないですし、多分あの子生まれて1年も経ってないですよ。」
「…でしょうね。」
それは、私も思っていたことだった。流石に見た目が幼すぎるし、話し方も幼稚。魔力もあまりなく、強そうにも見えなかった。大方、大人の悪魔から逃げてきた、というところだろう。あの子にとっては今日は大冒険だったかもしれないな、なんて思いつつも、私は本に目を向ける。
ふと、と言った感じでゼンが話しかける。
「そういえば、なんでぽれ生かされたんですか?」
「私の代わりに決闘してくれるやつが欲しかったからですよ。」
「?なら片っ端から奴隷にした方が良くないですか?ストックはあるだけいいですし。ぽれが倒し損ねたやつも、ほかの奴隷がやればいいだけですし。メリットしかないじゃないですか!」
相変わらずの思考の浅さに幻滅しつつ、私は説明を始める。無論、めめ村の一員だから、なんて言えるわけもないので適当だ。
「あなた、自分がどれくらいご飯食べてるか分かりますよね?私が食費を賄えるのは最大2人までですよ。」
「…たしかに。」
どうやら納得してくれたようなので、私はまた本に視線を戻した。
ここで切ります!今回はほのぼの回的な感じですねー!それとゼンと椎名ちゃんの仲について書いた日常パートです。そろそろ椎名ちゃんも100歳を迎えますね!その前にゼンさんがなりますけど…。
まあ、お楽しみ、ということで!あ、明日投稿できるか怪しいです。塾がほぼ一日あるのでね…。年越しはするので、雑談は出すかも…?
それでは、おつはる!