テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
こんにちは、ねこもみじです!
今回はさーちゃんこと神作者様さくらあんさんと合作させて頂きます!
本当に神作者&神絵師様ですので大変恐れ多いですが合作を誘われたからには全力を尽くして書いてみました!
私は後編を担当しておりますので、ぜひさーちゃんの前編を見てからお楽しみください!!(さーちゃんは私のフォロ欄にいらっしゃいます)
非常に長くなってしまいました…スクロール大変ですが読んで貰えると幸いです、、
・注意
・青桃
・エセ関西弁
・御本人様とは関係ありません
どんなに優れた品でも受け取る側が『美味しい』と感じなければ意味が無い。
そして、そのように感じるには相手がいるからこそ成り立つもの。
酸いも甘いも全部全部自分一人だけでは知ることができない、感じることができない。
だから、隣に居てこの言葉に表せない感情に意味をつけさせて。
一人じゃ駄目なんだ。貴方がいないと完成しない。
目指す先は、想像の出来ない遥か未来まで。
完璧なジントニックの作り方
ーーーー
まだあにきは体調が優れないから今日もまた店は閉じた状態で、カクテル作りの練習をすることにした。
「今日は何を作ろうかな」
言葉は弾むものの前回の失敗の数々を思い出すと無意識の内にため息がこぼれる。
だめだめ、今回は絶対に成功させるんだ。
シャツの裾を肘あたりまで捲って気合を入れる。
「…よし、今度こそ頑張るぞ!」
なんて意気込んだタイミングを狙ったのかカラン、と扉につけてあるベルが鳴った。
音の鳴るほうに目をやるとそこにはいふくん_まろの姿があった。
「よ、ないこ遊びに来たで」
落ち着いた声が店内に響き渡る。
コートを丁寧に畳み、荷物を下ろしながら「今日はどんなハプニングが起こるやろうな」と笑いながらそう言った。
「今日はハプニングは起こしません!!」
「ほんまかー?まぁどうなっても責任は俺が取ったるから安心して作ってみてや」
「…頼もしいね、ありがとう」
「ないこの為ならな」
ふわりと微笑んだその顔に目を奪われる。言葉に表せないような不思議な何かが俺を襲った。
「今日はあれ作ってみようや」
味見係なのに、襟足まである髪の毛を括って準備を整えたまろはそう言った。
「『あれ』…?」
「よく言っとるやん俺が頼む『いつもの』ってやつ」
「あ、カルーアミルクのことだね」
冷やしておいたグラスを手に取り氷をたっぷりと入れる。カランコロンと氷特有のこの心地よい音が準備する時の癒しだ。
色んな材料が並べてある棚からお目当ての品を取り出す。
そしてカルーア_コーヒーリキュールを氷に当てるように注ぎ込んでゆく。
よしよし、順調だぞ。このまま行けばきっと成功する…と軽い足取りになりながら牛乳を取ろうとした時、「待って」とまろに止められた。
「どうしたの?次はミルクでしょ?」
「そうやけど、ミルク入れる前に冷やした方が美味しくなるらしいで。せっかくならやってみよ」
「詳しいね、かき混ぜる…ってことは『ステア』か」
「『ステア』ってもんが分からんけど多分合っとる」
「専門用語なだけだよ、意味はまろが言った通り。用語とか作り方は分かってるのに上手くいかないんだよね」
氷とカルーアをマドラーでかき混ぜ氷に馴染ませる。
奥にある冷蔵庫に入れてから、俺専用にあにきが作ってくれたテーブルからノートを取り出し、カウンターテーブルに置く。ここには今まで兄貴が作ってきたカクテルの作り方をレシピとして残してきた。
カルーアミルクの作り方!!とでかでかと書いたノートの隅に『ミルクを入れる前に冷やしてステアをすると美味しい!』と書き入れる。
「よし、20分くらい待ってみよう」
この後はミルクに加えてフレッシュクリームも入れたいからカップを棚から取り出す。
色々と準備をしているうちに、まろが無言になったのに気がついた。
まろの方を見ると何かをペラペラと捲っている。
「まろ、何読んでんの?」
「ん?ないこのレシピノート」
「イラストもあって、分かりやすくて…努力してんねんなって思って」
「…ないこは努力家やな」
「想像はできても作るのはまだまだだけどね」
「いつか凄腕のバーテンダーになるよ、きっとな」
想像しえない未来の話だけど、その『きっと』が何よりも今の自分に刺さるものがあった。
ーーーーー
「そろそろ時間かな」
慎重に取り出すないこを横目にあのノートの存在がどうしても気になる。
どこを見ても丁寧な字…とはお世辞にも言えないが努力の詰まった誰が見てもわかるようなノート。1ページを捲る事に以前練習したカクテルについてレシピとメモが残っていた。
『カシスオレンジ…カシスを入れすぎない!※入れすぎると甘すぎてカシス強めオレンジになる』
『ファジーネーブル…ピーチリキュールを入れすぎない!※入れすぎると桃の香水になる』
『モスコミュール…ライムを絞りすぎない!※絞りすぎると酸っぱさが残る』
どれもやりすぎて失敗していることに気づいてしまったが、それをいってしまうと今度は味が薄まっていく予感しかしないので余計なことは言わないでおこう。
失敗の数々を会話通りにメモしていたことが、俺との会話を覚えてくれていることに繋がって胸がきゅっ、と締め付けられる感覚を覚える。
ただ練習に付き合ってるだけ、少し距離が近くなっただけ。
でもそのほんの少しの変化が堪らなく嬉しいと思う自分がいるのも確かだった。
「まろ、みてみて」
嬉しさが混じったその言葉でハッと我に返る。
両手で持ったそれは誰がどう見ても綺麗な仕上がりになっていた。
「フレッシュクリームも入れてみたんだよね、飲んでみてくれない?」
はい、といいながら渡されたカルーアミルク。一口飲むとほのかな甘みが口いっぱいに広がった。
甘すぎない、苦すぎもしない、これは…
「…美味しい」
呟いた言葉に心配そうな表情がみるみる明るくなっていく。
「本当に!?嘘じゃなくて!?」
「ほんまやって」
本当に鈴みたいにコロコロと表情が変わるやつだ。
「じゃあ俺も飲んでみていい?成功した味をわかっておきたいし」
いいよ、という間もなく飲みかけのそれを手に取って飲みだした。
喉を通過するのが動きで見てとれる。
こんなの、関節キスってやつじゃんか。どこまで鈍いんだよないこは。
美味しかったー、と満足気に笑うないこに「良かったな」といつも通りに言った。
……つもりだった。
「……なんでそんなに顔が赤いの?」
「えっ」
「…あ、まろって確かお酒強くないんだっけ」
前にあにきがいってたよね、と付け足される。
確かに酒には弱いがカルーアミルクはそこまでの度数はない。だからこそ俺の「いつもの」になっているわけであって。
でもないこの飲む姿が妖艶に見えてしまったからこうなった、だなんて死んでも言えないからその話に乗っかることにした。
「そうなんよなぁ、酒は好きなんやけどそんなに強くなくて」
ないこが目を細めたように感じたが、それは一瞬のことで気のせいだと思った。
「もう1つどうしても作りたいのがあったんだけど、俺が飲むね」
「どうしても作りたいものって何作るん?」
「ん?そりゃジントニックでしょ」
これはリベンジしなくっちゃ、と言葉を紡ぐ。
あぁ、そうだった。どこまでも努力家で、どこまでも負けず嫌いなのがないこの良いところだってあにきが言っていたな。
「まろは酔いそうなら座ってみてて。絶対成功させるから」
目に宿したその炎はますます強まるばかりに見えた。
今日リベンジする気万端だったのか、グラスもジンも冷やされていてまさに用意周到、というべきだ。あの時を再現するかのように、手馴れた手つきでグラスを取りコロンと氷の音がぶつかる音を響かせた。
ジン、トニックウォーターを慎重に注いでいく。
でも以前とは違う。おどおどした瞳、震える手はもうここにはなかった。
ステアをした後、ライムを絞り果汁がぽとん、と落ちていくのを俺はただ見ているだけだった。
「……できた、」
「まろは飲まない方がいいもんね」
俺が飲んでみるよ、と言いジントニックに手を差し伸べたとき、俺は口を開いた。
「俺に飲ませて」
「…ないこの味見係は俺やろ?」
そう言うと本当は飲んで欲しかったのか、「やった」と小声で呟いたのを聴き逃しはしなかった。
「…いただきます」
こくり、と一口飲むとジントニックが喉を通過していく。
これもまた、以前と同じ。
でも、
「甘くない。ほろ苦くて美味い」
『甘くない』という言葉を聞いてないこは目を大きく見開いた。
その真ん丸な瞳は次第に眉が下がるのと比例してゆっくりと目も細められる。
「……良かった、リベンジ成功だね」
俺も飲む、といいまたも俺からジントニックを取り口に含む。
「…んふ、美味しい」
頬を赤らめふんわり笑うその姿を目にすると、もう止まれない気がした。
「ほんま、良かったわ」
ここまでは本当に良かったと思っていた。
「……まさかここまで酔うなんてな、」
「んぅ、…何が?」
「いや、なんでもあらへんよ」
ジントニックを飲み干したあと、ないこはふらっとよろけた。
何とか支えて椅子に座らせたところでないこが酔っていることに気づいた。
思い返せばあにきに言われた気がする。
『ないこはまだまだ練習中なんよな』
『そうなん?でも練習していったら上手くなるんやないの?』
『カクテルを作るって意味だけで終わったらその通りなんやけどな…』
『他にも練習中になる要因があるん?』
遠くを見つめてふふっと笑うあにきが不思議で理由を聞いてみた。
『ないこな、……恐ろしく酔うんよ』
『え』
『多分まろより酔いが回りやすいんとちゃうんかな、カルーアくらいの度なら一杯は行けると思うんやけど、二杯目以降になるとないこがないこじゃなくなるんよな』
『つまりそれって……』
普段ドジではあるものの真面目なないこが変わってしまうというならば…
『そう、意味わからんくらい駄々こね出す』
「ねぇ、もう一杯つくってみないー?」
「作ってみたいの沢山あるんだよねぇ」
「もう駄目、はよ水飲まな」
やだやだ、と駄々をこねる姿にさえ『かわいい』と思ってしまっている俺はよっぽど重症なのだろう。
「やだ、飲まない」
「でも飲まんと帰れんくなるで?このままじゃ危ないやん?」
む、と口を尖らせて不機嫌そうにこう言った。
「……まろが飲ませて」
「……はい?」
「だーかーら、まろが飲ませてくれたら飲んでもいいよ?」
ね?と言われてもすぐ頷くほど単純ではない……といいたい。
「ほーら、早く」
とろんとした目でそんな事を言わないでくれ。そう思うのと反対に体はないこに近づいていた。
グラスを片手に持ち、そっとないこの口にそれを付ける。
声を漏らしながら飲んでいくその姿が堪らなく魅惑的だった。
「……ん、ありがと、」
「別にええよ」
「…えへ、すき」
「……おん??」
ふにゃっと笑いながら言い放ったそのたった2文字は脳内の思考を停止させるには十分すぎた。すき?好きってlikeではなく?
「俺、まろのことすきだよ」
「まろも俺のことすきだもんね」
「だってまろってばいっつも…」
「ないこ。それ以上はあかんよ」
言葉を遮るように形の良いそれに唇を重ね合わせる。
軽いリップ音がなり、そっと離れれば酔い以上にないこの顔は真っ赤に染め上がっていた。
「……え、今何して、」
「少しは酔い冷めた?」
「いやそれよりも今の…!!」
「やってないこが酔って色々言うのが悪いもん、」
だからって…!!と慌てるないこを気にせずまた言葉を紡いだ。
「というか、さっきあのレシピノートにジントニックのカクテル言葉書いてるのを見たんやけど『強い意志』って意味なんやな」
「上手く作れるようになりたいって努力するないこにぴったりやなーって思ったんよ」
「…それと、俺も強い意志持たなあかんなって」
「まろにも『強い意志』?」
「うん、ないこが言うように、俺ないこのこと好きやからさ」
震える手を抑えるように軽く深呼吸をする。
「これから先もないことおりたいんよ」
「だから、俺はお前を離すつもりはないし、離れるつもりもない」
こんな意思どう?と尋ねると目を細めてないこは微笑んだ。
「その言葉待ってた。俺も離れるつもりなんかないよ」
その言葉が宙に浮くと、どちらかともなく近寄って抱きしめあう。
……あったか、今すっげー幸せかも。
俺より一回り小さい体を離さないようにまたぎゅっと強く抱きしめた。
「ないこー、あにきー、遊びに来たで」
「お、まろ今日も来たんか。ほんまないこのこと好きやなぁ」
「あにき色々言わないで!意識がそっちに行ったら俺また失敗しちゃうって!」
あれから、週に何回かしか行っていなかったバーに足繁く通う日々が始まった。
あにきの体調も良くなって安心だし、何よりないこに会えるから。
ないこはこぼしまくったり、分量のミスもあったりまだまだ練習中の身ではあるものの、少しずつカクテルを作れるようになった。
今ではお客さんにも提供できるほどまでには成長したらしい。
「今日は何頼もうかなぁ」
呑気にそう言うとあにきが「ないこ、まろに褒められたのが嬉しくてジントニック極めとるんよ」と教えてくれた。
「は、かわいいかよ」
「うるさいわ!!」
ぐわっっと頬を赤らめて普段より強い口調で返してくるようになったのは、愛があるからこそ、ということしている。……ツンデレなんかではないというものの、確定ツンデレだと思うけどな。
きっと何回も練習を重ねたのだろう。話しながらもカクテルを作るその動きは正確なもので、他愛もない話をしているうちにジントニックは完成していた。
「うわ、美味そうやなぁ。頂きます」
一口飲むと口に広がる少しの苦味がとても美味しく感じた。
あにきも「上手くなったなぁ」と微笑みながら感心していた。
「俺もっと沢山の種類が上手く作れる完璧なバーテンダーになるから、ちゃんと見ててね」
にひっ、と笑う彼はとても輝いて見えた。
美味しいと感じるには見えない努力が必要なもの。カクテルに限らず見えない想いが伝わるから嬉しくて、こんなにも胸が高鳴るんだ。
遥か先の未来でもずっとないこといるために惜しみない愛を伝えたいと彼を見て新たな『意思』が芽生えた。
コメント
7件
ねもちゃ〜ん!!💕💕 💬遅くなっちゃってごめんね💦 そして、なんでこんな素晴らしすぎる後編を書けるの……? もともと書こうと思ってた、桃さんのお酒激弱設定、前編に入らなくてちょっと悲しかったんだけど、以心伝心してたみたいだね!?(( 駄々っ子桃さんも可愛いし、 カクテル言葉の使い方も上手いし、 すごく前編担当者が惨めになってるところでございます😌 練習が終わった後のアフタートークみたいなとこもあって、にまにま微笑ましく読ませていただきました💖 前編が繋ぎやすさの欠片もないあんなんだったから、後編ものすんごく申し訳なくて心配してたのに、なんか想像の遥か上来ちゃったよね……🙂↕️『目指す先は、想像の遥か未来まで』読んだ瞬間、ひゃあ〜、と叫んでました🙄🙄 伝えたいこといっぱいすぎて、💬文章ぐちゃぐちゃでごめんなさい。 改めて、合作してくれて、ありがとう💕これからも仲良くしてくれると嬉しいな💖💖
ねこもみじさーーーーーん 😭 めっちゃ好きです 😭😭 ご馳走様でした 😭😭😭😭😭
好き〜🫶🏻 まさかの6000文字でびっくり❣ ほまにねもちゃんの作品大好きだから嬉しい🥹テストお疲れ様~🎶