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🪻Maika🫐@多忙
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夢好 しばらく読み専
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『来てくれてありがとう。もう一人の僕』『……うるみや……?』
ファンタジーに出てきそうな豪奢な服。
白と黒のメッシュが混じった橙色の髪。
同色の瞳。
しかし、その瞳の奥には深い絶望と悲しみが宿っている。
『初めまして。僕は“ナイラト王国・第四王子のウルミヤ”。ウルミヤ=アスタシス=ナイラト。通称・【暴君王子】だ』
そう言って微かに微笑んだが瞳に宿る絶望も悲しみも消えることは無い。
『……その【暴君王子】様ともあろうお方が、なんでこんな所居るんや?』
『君に、ひとつ提案があるんだ』
そう言うとぐいっと顔を近づけてきた。
至近距離で見られて改めて思ったが中々の、いや絶世の美少年だ。
『君さ、まだ“生きたかった”って思ってるよね?』
車に轢かれた時『もっとみんなと歌いたかった』と思った事を思い出し頷く。
『ま、まぁ……死んでもうたけどな……』
本当に“死んでしまったのだ”という事実が自分の胸に深く突き刺さる。
『そう、君の身体は死んでしまった。けど君は生きたい。だからさ』
『僕の人生を生きてくれない?』
絶世の美少年は少しイタズラっぽく笑う。
『は……?』
『聞こえなかった?僕の人生を……』
『いや聞こえたわ!どういうことや!?』
思わず大声で遮ってしまった。遮ってから気付く。喋り方の無邪気さと絶世の美少年過ぎて忘れかけていたが、目の前の少年は【暴君王子】である。機嫌を損ねようものならどうなるか分かったものじゃない。しかし……
『あははっ!ごめんごめん、そりゃいきなり言われても分からないよね』
遮った事など微塵も気にしていないようだ。それどころか少し後ろに下がり(かなり軽い様子ではあるが)謝罪までしている。
『へ……?お前、暴君王子って……』
そう言うと少年は悲しげに微笑んだ。
『うん……そう言われてるし、僕が暴君なのは間違いないかな』
少年の瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
『もう、分かんないんだ……自分でも自分の気持ちが抑えられなくて、使用人達に当たり散らしてしまって……兄様達には嫌われて、弟達には怖がられて……』
そして自分から一歩後ろに下がった。
『……もう、死にたいんだ……』
そう言った瞬間、少年の背後の地面が消滅し断崖絶壁になった。
『……!?』
思わず息を呑む。
『……僕はここで死ぬ。だから、こんな身体だけど……僕を生きてくれるかな?』
それが少年の最期の願いである事は容易に分かった。そしてそれを叶えない理由なんて1ミリも無かった。
『……ああ、分かった。お前の残りの人生、うるみやが最高のものにしたるわ』
そう答えると少年は微笑み
『ありがとう……遠い世界の“僕”』
そう、心の底から嬉しそうに微笑み
“崖下に身を投げた”
無音。
憎らしいくらいに清々しい風がうるみやの髪を微かに揺らしていた。
コメント
1件
うわ、これ…めっちゃ切ないなぁ🥀 暴君王子って聞くと怖いイメージあるけど、ウルミヤの目にあった絶望とか「もう死にたい」って零した時の壊れそうな声、すごく胸にきたよ。 自分の人生を「生きてほしい」って託すラスト、美しくて苦しい…。 「お前の残りの人生、最高にしたる」って言ったうるみやの言葉、すごく熱かった。続きが気になる😢